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残る一人が今に捕食されようとしていたその時。

「駄目だっ…駄目だぁぁぁぁぁぁあ!」

いぬいぬこが鬼のような形相で異形に飛びかかっていった。

「いぬいぬこッー!」

まんじゅうは止めようとしたが間に合わず、その間にいぬいぬこは後ろから異形を思いっきり殴った。

グチ ョ ッ と音を立ていぬいぬこの拳は異形の背中に沈み込むだけで全く効いていないようだった。

だが、異形の注目はいぬいぬこへ向いた。

異形の剛腕がいぬいぬこへ振りかざされ、彼はあっけなく壁に打ち付けられてしまった。

「ゴフ ッ…痛ぅ…」

うめきながらもかろうじて動くいぬいぬこを、まんじゅうは目を見開いて見つめた。

「いぬいぬこ!襲われていた子は無事だ!早く逃げッ…」

その言葉が終わる前に、異形の目がまんじゅうと救助した女性に向いた。

その巨大な体が方向を変え、低く構えながら再び襲いかかろうとする。

「クソッー」

まんじゅうは助けた女性をかばうように立ちはだかったが、その体は恐怖で小刻みに震えていた。

足がすくみ、逃げるべきだと頭では分かっているのに、異形の迫力に圧倒され動けない。


「まだだ…まだ終わって無いッ!」

いぬいぬこは痛みに呻きながらもその肉体を引きずり起こす。

瓦礫の山から一本の鉄パイプを抜き出し異形に向かって振り下ろす。

グチャ と音を立て異形の頭であろう部位に命中した。異形は動きを止めたがいぬいぬこは何度も、何度もパイプを振り下ろす。

グチャ グチャ と、頭部が崩れていく感触が伝わってくるが、その手は止まらなかった。

息を荒げ、目を見開き、振り下ろす手に躊躇はない。

「いぬいぬこ!もう…」

「まだ…」

鉄パイプが血と粘液にまみれ、異形の頭部はもはや原型を留めていない。

それでもなお、いぬいぬこは何度も何度も振り下ろし続ける。

彼の体は限界に超えているのに、それを無視するかのように動いていた。

やがて、異形は完全に動かなくなった。と同時にいぬいぬこも膝から崩れ落ちた。

肩は激しく上下させ、荒い息が漏れる。まんじゅうが駆け寄り、驚きと安堵の入り混じった声を上げた。

「おい、無茶しすぎだっての!お前ぇ…無事か!?」

いぬいぬこは息を整えながら、鉄パイプをようやく手から放した。まんじゅうが肩を貸そうと手を差し伸べる。

「無事ではないかなぁ…でも生きてるよ俺等。」

血と汗にまみれた顔でそう言いながら、いぬいぬこは微かに笑みを浮かべた。

「それより、あの子は?無事なのか?」

女性、ネームプレートによれば”test type Number 11”というようだ。

「…これ、名前か?」

「どうみても番号…だよなぁ。」

今は気を失っているようだが外傷はなくひとまずは大丈夫だろう。

「でもまぁ、これで西側の階段に行けるようになったわけだし!結果オーライだ!」

そう言って意気揚々と立ち上がるいぬいぬこだったが…

「あれぇ、力が入らな―」ドサ ッ

「っおい!いぬいぬこー!いぬいぬこーーっ!」

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コメント

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背景変えれたりチャプター?事に背景変えれたりしますよ〜(一応)

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