──────Gれいまり視点──────
「…ッッ!?!?」
目が白黒に点滅する。私の腹から赤い鮮血がドバドバと溢れ出し、出血が止まらない。あたりの草木を真っ赤に染め上げ、多量の出血は脳の混乱を起こす。なんで、私が腹をつかれているのか。天使はそこで炎に包まれて動けていないはず。既に霞んできた目で、後ろを振り向いて犯人を見る。
「はぁ…。任せろって言ったのはめめさんじゃないですか。結局俺の仕事になっちゃってますよーまったく。」
そう言いながらこちらに向かってくるのは純白のローブを羽織った緑髪の男──────いえもんさんだった。しかし、頭からは2本の角が生え、漆黒の翼を悠々と伸ばしていた。
私は、その生物を初めて見たと言うのに、確信する。
こいつこそが『悪魔』なのだと。
「ガハッッ」
私は再び血を吐き出す。気持ちの悪い感触が舌の上を転がり落ちていく。口に鉄をぶち込まれたかのようにその味しかしない。きもちわるい。その匂いでまた、嘔吐する。吐けば吐くほど死に近づていることが分かる。だけど、止まらないし、止められない。私は再び吐き出す。腕をなくし、足をなくした私はもうバランスをとることが出来ず草むらに転がり込む。
「めめさん。お手を拝借。」
そう悪魔がいい、めめさんはその手を掴み起き上がる。
「すみませんね。やらかしました。」
「いつもの事だからいいんですが…。さすがに人間相手に死にかけるのは、ねぇ?」
「油断してただけです。まさか人間があんなに優秀な能力を持ってるとは思わないじゃないですか。」
そう天使と悪魔が並んで言い合いを始める。まるで、私が見えていないかのように。みんなが、私の存在を否定する感覚。私が最も畏怖しているこの感情。
張り詰められていた何かが、切れてしまったかのように目からは涙が溢れる。ここまで頑張ったのに、その努力を全てなかったことにされたかのような感覚。
───世界が、自分を、否定する感覚。
仲間が、私に刃を向けてくる感覚。
そのどれもが私が1番苦手で、嫌いなこと。どうして。こんなに頑張ったのに。結局は種族ゲーで、人間がどれだけ足掻いてもハッピーエンドは無理なのか。
小さなことがきっかけで、なし崩しに私という存在が崩れていく感覚。
やめて。やめてやめてやめて。せめて、認めて。私は、こんなに頑張ってるのに。なんで、なんで報われないの?
「あなたは、一体いつから自分を正義だと思ったんですか?」
唐突に投げかけられた質問。質問者は悪魔であり、真紅に染ったその瞳でこちらを見下ろす。──────私は、そちら側にはいけないのか。
「私は自分を正義だなんて。」
「嘘だ。自分を正義だと思わないやつが人外ハンターなんてやらないし、組織を探ろうとするはずもない。」
じっと睨み付けられながらそう言われる。
嘘じゃない。私は、自分が正義だなんて思ってない。人外ハンターに入った理由?組織を探ろうとした理由?───次に活かすためだ。私は、これで終わらないし、終われない。私には命に残機がある。ならば有効活用するのみだ。
この世界において何よりも重要なのが情報だ。弱い私は、せめて情報の数で勝つしかない。だから、強者の情報を集める。次に活かすためだ。決して、正義じゃない。
───それを言ったって信じないのはそっちのくせに。勝手に断定するな。
「───無言か。お前はしょうもないことに命を捧げんな。能力を正直に言えばより情報を得られるだろうに。最もバレやすい方法で情報を抜こうとするからバレるんだよ。」
「は、ははっ…。どうして、バレたぁ…ッ?」
息も絶え絶えで、なんでまだ話せているかも不思議だ。だけど、なぜバレたか、それを聞いておかなければ次に繋げられない。そう、次に、次の私にバトンを繋げなければならない。
「…まあ、冥土の土産として教えよう。血だ。血には様々の情報が載っている。それを解析しただけだ。」
「そんなことッできるわけがァ…ッ!!」
「…分かりやすく言おう。お前は知らないかもしれないが、血だって魔力が本当に少しだけ宿ってる。上位種くらいしかそんなもの分からないが、な。」
───魔力では痕跡が残り、血でも痕跡が残る。どの道何を使っても私の能力は特定されてしまうらしい。なら、無謀な挑戦だったわけだ。ただ、この情報は次に活かせる。悪くない収穫だと思いたい。
「どーせ。今回はバッドエンドだから。」
私はそう言い残し自身の舌を噛み切る。
「───は ッッ!!」
私はその場で目を覚ます。相変わらずの本が飛び交う空間。私───東雲椎名は目を覚ます。
起きた瞬間、体全体に激痛が走り、過呼吸を起こす。耐え難い痛みに、心から叫び聞くに絶えない声を喚き散らす。腕をなくした時の痛みが、足を切られた時の痛みが、腹をつかれた時の痛みが断続的に襲い、思わず身を強ばらせる。
「あ、おかえり〜。…ありゃ、今回はなかなかの傷を食らってから死んだね〜。」
そう言いながら痛み、もがく私を冷静に見下ろす影───仲春が近づいてくる。
しかし、そんなことはお構い無しに痛みは襲い、必死に耐えようと歯を食いしばるが無意味であった。
しばらく私は激痛と共に長く感じる1分の地獄を味わう。
ここで切ります!まあ、どんでん返しがありますよと。てことで今回のGルートは人外ハンターのGです!元々は虐殺ルートにしようと思ってたんですけど、実力が足りずに…。ラジコンの能力は本来戦闘向きじゃないんですが、まあ、想像力デスね。切られた四肢をものと認識して動かしてるってことですから…。頭のネジぶっ飛んだ使い方してます。恐ろしいね〜
めめ村の小説買いました!まだ読んでないですけど、手元にあるだけで満足感素晴らしい!明日読もうと思ってます!
それでは!おつはる!
コメント
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いや、最悪一生死に続けるかも…
今回の話全く関係ないけどZれいまりこえたら次AAれいまりになるんかな