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#創作
ゆずき
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耀聖(ようせい)
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#ロマンスファンタジー
花月夜れん
456
社長室で竜馬の椅子に座り、宗一郎が文也の話を聞いて大きな声で笑った
「なかなかひどいな」
宗一郎がコーヒーを入れようと椅子から立ち上がると、すかさず文也が座った長い脚を伸ばし、社長椅子に座ってくるくる回して言う
「ひどいどころじゃないよ!まったく、あの4次元カップルにはあきれるよ」
文也は椅子と同じように目をくるりと回して見せた
「幸せな男はみんなあんな感じになるのさ、もうだらしないもんだ、盛りのついた犬みたいに舌をだらりと垂らして、目の焦点が合わないもんさ」
「まぁ・・・気持ちはわかるけどね、宗一郎も家ではあんな感じなのか?」
宗一郎が笑いながら、わざと肩をすくめて見る
「もっとひどいかもしれないぞ」
にんまりした文也の頬に、えくぼが現れた
「まぁ・・・僕も人の事言えないけどね」
「耳の具合はどんな感じだった?」
宗一郎がカップホルダー二つに、白のプラスティツクのポリカップを装着し、コーヒーを注ぎながら聞く
「僕には・・・いたって普通に見えたけど・・・やっぱり悪いのか?」
文也がコーヒーを受け取りながら言う
「アイツは事故後、3ヶ月以上経過してもやっぱり右耳の破裂した鼓膜がふさがっていないそうだ・・・閉鎖傾向がない場合は鼓膜形成手術を行わないといけない・・・だから俺とジェニで世界中の耳鼻科を検索して、やっと鼓膜再生に一流のドクターをアメリカで見つけたんだ、ジェニがアイツの診断データをそのドクターに送ったら、手術の成功症例をいくつか送り返してくれた、ジェニはどうやらそれにかけるみたいだな」
宗一郎の眼鏡越しの瞳は、いつになく冷静だった、長々と沈黙してから文也が言った
「じゃぁ・・・・アメリカに行って、そのドクターにかかるんだね?」
「そうなるな・・・・俺達の住んでたシカゴからも、そう遠くないしな、手術を受けたら治るそうだ」
宗一郎はコーヒーを啜り、考え込んだ風に少し眉毛を寄せた
「先日の会議のアイツを見てて気が付いたんだけど、街中の雑踏や大勢の人が話していると、やっぱり聞こえにくいみたいだな、顔には出さないがやっぱりアイツは不安そうにしていた」
「そうなんだ・・・全然気づかなかった・・・」
驚いた文也が言った、宗一郎がフッと笑った
「長い付き合いだからな」
思わず宗一郎は目を閉じて・・・また開いた
「なぁ・・・文也・・運命って信じるか?」
「運命?」
宗一郎の口ぶりからして、今さっき思いついた事ではなさそうだ・・・彼の言い方はずっとその事柄について考えこんでいた感じだった
「ああ・・・俺、思うんだけど・・・・あの事故さ・・・・こんな事思ったらいけないのかもしれないけど、もしあの事故がなかったら竜馬は未だに「堅物」とか「鬼の首切り屋」とか呼ばれながら、メビウスを拡大することだけを求めて生きていたのかもしれないってね・・・・」
宗一郎がゆっくりと窓際に歩いて行った、深呼吸をして両ポケットに手を入れ・・・大阪の街を見下ろす
「ジェニが俺にそう言って来たんだ・・・・今後は彼女と二人で耳の回復と共に、これからの竜馬らしい生き方を探してくれたらと思っている・・アイツは俺の家族も同然だから・・・・」
文也が事故当時のことを思い出しているのだろう、肩をすくめて言った
「運命にしては、ずいぶん痛かったぞ?」
「お前のあれは無傷に近かったじゃないか、なんとなくだけど・・・今の竜馬は変わったと思うよ、いや・・・むしろ、あの事故以来、ジェニの元でやっと本来のアイツが見えるんだ・・・たいした女だよ、ジェニは」
「本来の竜ちゃん?僕が出会った時からは、もうあんな感じだったけど?」
宗一郎はもう文也の言うことを聞いていなかった
竜馬が事故にあってから・・・ずっと宗一郎を捉えていた、彼から言われた言葉が心に去来するのに・・・最近では遠慮が無くなってきている
―青臭いこと言うなよ宗一郎・・・今はまだ会社は俺のものだが、いずれはお前の椅子が出来る、それについては何も問題は起こらないだろう―
. .。 .:・.。. .。.:・
ジャスティン・・・
. .。 .:・.。. .。.:・
宗一郎は閉じていた目を開け文也に向き直った
「そういう訳で、昨日正式に竜馬からメビウスのCEOを引退したいと申し出があった!来年からは俺が竜馬の代わりを務める」
文也は驚いて首を傾げたが、予想していなかったことではなかった、竜馬が意識を失っていた間、実際メビウスを動かしていたのは宗一郎だ
「そ・・・そう・・・それが妥当だよね・・・もしかしたら、そうなんじゃないかと思ってたんだ・・・」
ポンッと宗一郎が文也に透明のファイルを放って渡した
「え?」
そのファイルには「異動辞令」と書かれた書類が入っていた、文也は信じられないとばかりにその書類をじっと読んだ
「これ・・・まさか・・・」
宗一郎はニヤリと笑った
「そのまさかだよ、正式に人事異動部から発表があるだろうけど、来年からはお前は「副社長」で「俺の下」で働け」
「え?・・・ええっっ??!!」
ガタンッと文也がファイルを持って立ち上がった、宗一郎は笑った
「異例の出世だな!覚悟しろよ!一生こき使ってやる」
.。 .:・.。. .
アメリカに到着してもジェニと竜馬の二人は、一週間目はホテルのベッドの上で過ごした、いつ妊娠してもおかしくないと感じていたジェニとって、二人の最良の場所は常にベッドだった・・・
彼との子供を妊娠する・・・それもまた素敵なことだと思っていた、ジェニは彼に家族を与えてあげたかった
それからジェニの想像は尽きなかった、孤独な彼にゴロゴロ子供を産んであげて、一つの巨大なベッドに犬と子供達に埋もれて、春夏秋冬・・・常に家族で過ごし、冬は暖房いらず夏は汗だくになってダンゴになって夜ごと眠る生活を与えてあげたかった
そしてその横で子供達の目を盗んで愛を交わのはなんて素敵なんだろう、毎日大騒ぎで家族誰一人欠けることなく、思いやり溢れ、常に誰かが叫んでるような大家族になりたかった
.。 .:・
ある夜明け頃・・・目が覚めたジェニは彼が起きるのを待ちきれず襲った
寝ている竜馬の隣で裸になり、鼻の頭にキスをして、愛しい彼のモノを優しくさすると、すぐに硬く大きくなってくれた
ジェニはため息をついて素晴らしいと思った・・・いつ何時もすぐにジェニの気持ちに応えてくれる、彼のモノの逞しさが好きだった
そして目を覚ました竜馬も最初は驚いたものの、ジェニがそういう気分ならいつでも対戦OKだとばかりに、互いの位置をめまぐるしく変えながらジェニ好みのスタイルで挑んでくれた
ジェニは満足のため息をついて、繋がったまま彼に腰を押し付け、ドラムロールのように速くなった鼓動を胸で感じる・・・それだけで十分幸せでいつまでもこうしたかった
しかし竜馬はそこで終わらずジェニを驚かせた、繋がったままベッドから起き上がってジェニを持ち上げ、そのままキッチンへ移動した、ジェニは両手と両足を彼に巻き付け感じながらも、どこへ運ばれていくのかワクワクした
キッチンテーブルの大理石に降ろされ、むき出しのおしりが触れて、冷たさにジェニが悲鳴をあげた
寝起きで喉が渇いていたのだろう、竜馬は横にあったウォーターサーバーからコップに水を入れて、ごくごく飲んだ
しかもそれを腰を動かしながら飲むのも同時にしているので、ジェニはケラケラ笑った
水を飲みたいけど腰も動かしたい、欲望がごっちゃになっている彼がおもしろい
二人はしばらくじゃれて戯れるように気だるいスローリズムで動いた
まるで一つになっているのを楽しんでいるかのように
ジェニは竜馬の首に腕をまわして目を閉じて頭をのけぞらせて・・・彼に突かれる悦びに浸った、永遠に続けてほしかった
竜馬が喉の渇きを潤したら、遊びのようだった彼の突きも、やがて開放に向かって本腰に変わった
先ほどよりも激しく、キッチンテーブルは絶妙の高さだった、彼は手のひらをジェニの後頭部に枕代わりに差し入れた、こんな優しい気遣いも大好きだ
どんどん中で硬くなってくる、ジェニは竜馬のクライマックスが近づいていることを感じ、小さく首を振って、一旦休憩とまでに、汗に光る彼の胸をそっと押した
最後はベッドでと・・・スッと離れると、彼の逞しい突き出たモノがジェニの愛液で光ってた
いつ見ても圧倒される、これが今の今まで根元まで自分の中に入っていたなんて信じられない
ジェニは走って寝室に行き、竜馬もすぐ後に続いた、そして竜馬にお尻を向けて両手両足をベッドについた
竜馬が後ろから入ってきた時・・・ジェニはまるでセクシーな雌猫のようにお尻を高く突き上げていた
カーテンの隙間から差し込んで来るシカゴの朝日がジェニの肌を照らし・・・焦がし・・・炙っているようだった
二人の激しさにシーツの端がめくれ、縞模様のマットレスが露出していた
ジェニの腕の力が抜け、クシャクシャになったシーツの上に顔を突っ伏した・・・潰されるようなこの体位は、それは痛いぐらい深くは繋がれるけど・・・やはり彼の顔が見えないもの寂しさがある
そう思った瞬間、あっという間のことで、何が起こっているのかわからないうちに、ジェニはまた竜馬にまたがっていた
どうしてこんなに彼はジェニの気持ちを理解してくれるのだろう・・・愛しくてたまらない
彼はジェニの腰をがっしりホールドして固定し、高速で開放に向かって突き上げ出した
こんな風にされるとすぐにイッてしまう、ジェニが彼の顔を見ながら絶頂を迎えるのが大好きなのを心得てくれていてる・・・なんて優しい人
彼のしてくれることすべてが大好きだった、信じられない、気持ち良くて涙が出る
―ああ・・・・激しい、すごくいい・・・―
自分がいくら必死で動いでもこうはいかない、彼は額に汗を光らせて笑顔を返してくれた・・・その官能の表情にはまったく余裕が無く、彼の内面の傷つきやすさが現れていた
ジェニの好きなもの・・・ジェニの好きなやり方に激しい興奮を覚えているのがわかった
電気ショックのような絶頂の快感が走った、ジェニは自分の体から太陽光線が放射されたように感じた、何もかもが真っ白になり・・・二人の周りに光の波が霧のように発生した
体の内側が激しく痙攣し・・・収縮がいつまでも続いた・・・竜馬もジェニの素晴らしい絶頂の麻痺に目を閉じてのけぞり、身を震わせて熱い種を放った、その感覚がジェニの女の自尊心をどこまでも高めてくれた、この人に愛されるために女で生まれてよかったと・・・心から思った
「ああ・・・」
「ああ・・・」
絶頂を開放し、すべてが緩んだ瞬間・・・心と体が一つに繋がる・・・竜馬が「ブチュッ」と音を立ててジェニの肩にキスをしたものだから思わず笑ってしまった
竜馬はジェニを上に乗せたまま、いつまでも繋がって・・・互いの息遣いに耳を傾け・・・心は結び合わされていた
. .。 .:・.。. .。.:・
その後も二人は1メートルぐらい宙に浮いてる気分だった・・・竜馬は汗に濡れて額にかかるジェニの丸いおでこにキスをし、背中を優しく撫でた
そしてそっと背中に人差し指で文字を書いた
「 I 」 「LOVE」 「YOU ]
クスクス・・・「アイ・・・ラブ・・・ユー・・」「アイ・・・ラブ・・・ユー・・」
竜馬が何度も背中に書くものだから、ジェニも何度も「アイラブユー」を声に出した、次に竜馬が長い文章を筆記体でジェニの背中に書いた
クスクス・・・「ねぇ・・・わからないわ・・何て書いたか―」
竜馬はジェニの唇に「シーッ・・・」と人差し指を押し付けた・・・二人は微笑んでキスをした
彼は正しい
言葉はいらなかった
竜馬はまたジェニの中で硬くなった
こんなに幸せなことはなかった
. .。 .:・.。.
コメント
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第225話、読み終えました。前半の宗一郎と文也のオフィスでのやり取りが渋くて好きです。「運命」という言葉を宗一郎が口にしたところ、事故の痛みも含めて受け止めようとする感じが伝わってきました。後半のアメリカでの二人のシーンは、背中に指で「I LOVE YOU」と書く仕草が本当に甘くて、言葉がいらない関係っていいなあと沁みました。設定の伏線を大事にしながら、人間関係の変化をじっくり描いてくれてるのが嬉しいです。