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「俺は正義をこう考えてる。君の満足する答えは聞けたか?」
「はい、ありがとうございます」
「シヴェルさん、僕はこの大陸を旅しようと思います。この世界を知る為にも、自分の記憶を探す為にも」
ノアの目は決意がみなぎっていた。本気なのだろう。
「あぁ、君がどこへ行こうと俺はついて行くぞ」
「まずその旅の準備をしないとな。今日はもう遅い、明日またここに来る。その時話そう」
「分かりました」
シヴェルが部屋から出ていくと ノアはベッドの上で座っていた状態からベッドに寝転がった。
ノアは神々の考える正義を知りたい。そしてもう一つ知りたい。あのレエヴ達の組織、名前は知らないが、あの組織の考える正義があるのだろう。きっとこれからの旅で知れる事があるだろうとノアは考え眠りについた
枯れることのない一面白の花畑。一生太陽の昇らない空。今日は一段と欠けた月が輝いて見える。ここはそんな場所だ。
城の門の前、少女2人。花畑で遊んでる様に見える。少し魔が差してしまった。音を立てずにその2人に近づいた時、背後に剣が現れた。レエヴは咄嗟に避けたが肩に突き刺さった。
「…なんだ、お前か。その音を消して近づいてくるのを何回やめろと言ったらやめるんだ」
悪戯する相手を間違えたとレエヴは思った。
肩に突き刺さった剣を抜いてレエヴはそこら辺に投げ捨てた。白い花に血の赤がよく目立つ。
「グロムさん?確かに今のは私が悪いですが…剣を突き刺すのはどうかと。私だからすぐ再生できましたけど」
グロム、月の光を反射し輝く白のショートヘアを隠すように深くかぶった制帽、中緑と檸檬色のオッドアイ。黙っておけば無害に見えるその容姿とは裏腹に冷徹な性格の持ち主で、先程のように自分に何かをしてこようとする者には容赦無く剣の先を突き出す。
「…任務から帰ってくるのが随分遅かったんじゃないか」
「フル無視ですか」
「どうせ、実験に夢中になってた、でしょ」
「おや、オニキスさんじゃないですか。御名答ですね」
オニキス、藤色の脚まで伸びた長いツインテール、オニキスの様な大きな瞳は可愛らしさもありながら、ブラックホールの様なレエヴとは違い他人を魅了する力がある様に感じる。見た目も喋り方も完全に幼女だが城の中では神に匹敵するほど実力の持ち主だ。
「陛下に早く任務の報告してきたらどうだ」
「ええ、そうですねあの人短気ですから」
「この場にグラナートさんが居たらアンタ滅多刺しにされてたな」
「グロムちゃんに同感」
城に入ると柱に寄りかかる少女がレエヴを見つめて喋り始めた。
「またグロムに刺されたのか?レエヴ」
「アクアマリンさん、帰られてたんですね。お久しぶりです」
アクアマリン、深藍のポニーテールにアクアマリンの様な瞳は此方をしたから見つめていた。いつも羽織っている服は何故か着ている。多分寒いのだろう。少し大きい服から見える指先、黒いショートパンツの下の膝が赤みがかっている。ノアと同い年ぐらいだろう。
「まぁそうだな。2ヶ月ぐらいか?まぁ何でもいい」
「まぁ、安心しろよ次の任務までにお前がグロムに刺し殺されたらお前の代わりに俺が黒髪のチビに会いに行ってやるよ」
「そうならないよう気をつけますね」
そう言い放ちレエヴは薄暗い廊下を歩き出した。
『これから、会議を始める』
翌朝。コンコンコンと扉が叩かれた。
「おはよう。ちゃんと寝れたか?」
「おはようございます。はい寝れました」
「俺の方で色々考えてみたんだが… 俺と君だけでは心細いだろう」
「でも、大人数だと天下の国で何かあったとき対応が出来ませんよね?」
「そうだな。最近は神龍様も稀に起きて暴れるからな」
そう言うとシヴェルは口元に手を当て、何かを考え始めた。
「ノア、戦闘員俺を含め4人、地理に詳しい者1人、 戦闘員が何かあった時の為に治療魔法を使える者3人。 そして国を行き来するには船が最適だ。船を操縦できる者も1人、」
「合計10人での遠征だ」
「これで問題ないか?」
ノアは首を縦に振った。
「こちらも準備が必要だ。3日後また此処に来る」
「3日後、天下の国で自由に過ごしてくれ」
「じゃあ3日後」