テラーノベル
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「……っ、……あ、……ぁぁあああああっ!!」
太宰の叫びは、もはや悲鳴というより、魂を削り出すような慟哭に近かった。 中也の掌は、太宰の下腹部――最も熱が溜まり、破裂寸前の場所を、容赦なく、そして持続的に押し込み続けている。
「おい、どうした太宰。……腹、パンパンだぜ? さっき飲んだワインが、ここでお祭り騒ぎしてやがる」
「……や、だ……やめて、……ちゅうや……っ、おねが、い……っ! 指、離して、……っ、あ、……ぁぁっ!!」
太宰は白目を剥きかけながら、中也の腕を必死に押し返そうとする。だが、重力の異能を操る男の腕は、微動だにしない。それどころか、中也はわざと重心をかけ、指先をさらに深く、その「限界」へと沈み込ませた。
「っ、……ぅ、……ゔ、……っ、……あ、……ぁ、……ああああああぁぁっ!!」
凄まじい圧迫。 太宰の脳裏には、堤防が音を立てて崩れ、すべてが濁流となって流れ出す光景が、何度も何度もフラッシュバックしていた。入り口を塞ぐ筋肉はとっくに痙攣を起こし、自身の意思による制御は、一分、いや一秒前に失われている。
今はただ、中也の掌が、物理的に出口を塞いでいるからこそ、辛うじて決壊を免れている。そんな、あまりにも危うく、屈辱的な均衡。
「……ねえ、……ちゅうや、……もう、……だめ、……ゆるして、……っ」
太宰は涙でぐちゃぐちゃの顔を、中也の胸に擦り付けた。 かつての相棒への信頼も、敵対心も、すべては「一刻も早くここを解放してほしい」という狂おしい渇望に塗り潰される。
「……許してほしいか? なら、俺の目を見て、はっきり言えよ」
中也は圧迫を緩めるどころか、今度は指先を小刻みに、円を描くように動かした。 その刺激に、太宰の体は電気を流されたように大きく跳ねる。
「……あ、……っ、……ひ、……ぁ……っ!! ……ちゅうや、……ちゅうや……っ、……だ、だめ……、……だして、……ださせて、ください……っ、おねが、い……っ!!」
敬語さえ混ざり始めた、無様なまでの懇願。 太宰の股間は、もはや自身の熱と、漏れ出した数滴の飛沫で色を変え始めていた。
「……いいぜ。……そこまで無様に鳴くなら、少しだけ、楽にさせてやるよ」
中也は嗜虐的な笑みを浮かべ、ゆっくりと、本当にゆっくりと、その掌の力を緩め始めた。 だが、それは救いではない。 溜まりに溜まった圧力が、解放された瞬間を狙って、一気に押し寄せる――その絶望を、中也は楽しもうとしていた。
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