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ふるふると唇を震わせて情欲に潤んだ瞳で偉央を見上げる結葉を見下ろして、偉央が嬉しそうに嫣然と微笑んだ。
「結葉。言いたいことがあるときは素直に言葉にして僕に伝えるんだ。言わなきゃキミの欲するものは絶対に与えられないからね?」
偉央のその意地悪く眇られた視線から、結葉は彼が分かっていて敢えて自分を焦らしているのだと悟った。
「偉央さ、……私」
だけど自分からそんな淫らなお強請りをするだなんて、結葉にはハードルが高すぎて。
「お願い……焦らさないでくださ……」
懸命に許しを乞うように偉央の顔を見上げて身体を震わせたけれど、偉央はクスッと笑って、「結葉は僕に何を焦らされていると思っているの? 何をお願いしたいわけ?」と問いかけてくるばかり。
そんな偉央を憎らしく思って、涙目で見上げる結葉に、
「ちゃんと言って? 結葉。僕はキミが僕にお強請りしてくれるのを聞きたいんだ」
誤魔化しは通用しない、と言わんばかりに偉央がそう宣言して。
結葉は自分をじっと見下ろしてくる偉央の視線から逃れられなくて、キュッと身体をすくませる。
偉央はその間も、結葉の触れられたい気持ちを高まらせたいみたいに、結葉にとっては辛いだけのもどかしい触れ方をし続ける。
双丘の膨らみをやんわりと押し上げ、指先で色付きの回りをそろそろとフェザータッチで撫で回す。
そうかと思えば、吐息が掛かるくらいの距離で結葉の乳首に顔を近付けてくるから、結葉はもしかして「咥えてもらえる?」と期待して身体を震わせた。
そんな結葉を翻弄するように、偉央は結局そこを避けてキスマークを残すだけ。
結葉は偉央がピンと勃ち上がった胸の先端に近付く度、偉央が〝偶然〟そこへ当たってしまうのを期待して身体を震わせるのだけれど、偉央は全てお見通しみたいに巧みに避けてしまうのだ。
「やぁんっ、……もぉ、ダメ、です。……偉央さんっ。私、辛い……のっ」
乳房もさることながら、結葉の下肢は、触れてもらえないもどかしさに、トロトロと蜜を吐き出し続けている。
自分でも身体の下に敷かれたままのタオルを、愛液がしとどに濡らしてお尻の下が冷たくなっているのを自覚してしまった結葉だ。
(胸がダメなら、偉央さんが欲しくて泣き濡れている下でもいいから触れて欲しい)
「お願い、偉央さんっ、触って……っ」
どこに、が言えないままに懇願する結葉に、偉央がクスッと笑った。
「ねぇ結葉。さっきから言ってるよね? キミは僕に〝どこへ〟触れて欲しいの?」
言いながら、結葉の両胸に伸ばした手のひらで、柔らかな膨らみをギュッと鷲掴む。
形を変えるほど強く揉まれているのに、頂だけが触れてもらえないもどかしさが結葉を狂わせる。
結葉はとうとう、イヤイヤをしながら熱に浮かされたみたいに偉央にお強請りした。
「偉央さっ、お願いっ。先っ。胸の先端に……触れて欲しい、っ。… …私、もう、限界なの……っ」
真っ赤になりながら何とかそう言った結葉に、「よく言えました」という満足そうな偉央の声とともに痺れるような快感が与えられる。
「あぁぁ、んっ……!」
胸の膨らみを揉みしだいていた偉央の手が、戯れに固く張り詰めた結葉の乳首をピンッと弾いたのだと理解したのと同時、結葉は身体を大きく跳ねさせて吐息を漏らしていた。
***
(処女のくせにまるで色事に熟れた遊女みたいに淫らだよ、結葉)
偉央は結葉の快楽に堕ちていく様を嬉しそうに見下ろしながら、そんなことを思って。
偉央が与えた些細な刺激に、過剰なまでに反応して喜びに震える結葉の右の乳首をそっと口に含んだ。
結葉のそこが、まるで極上の果実みたいに甘く感じられるのは気のせいだろうか。
結葉から立ち昇る芳香が、偉央の中の支配欲をどんどん昂らせていく。
結葉が放つ色香に、主導権を握るべき偉央自身が、不覚にも溺れてしまいそうになった。
本当はもう少し優しく食んでやるつもりだった乳首を、少し強めに噛んでしまったのは、自分でも誤算だったと反省した偉央だ。
「あ、ぁんっ、偉央さ、ダメぇっ」
結葉がギュッと身体に力を入れて、痛みに眉根を寄せる姿は本当にエロティックで美しくて。
歯で軽く甘噛みするように挟んだ色付きの先端を、舌先でちろちろとくすぐってやると、結葉が面白いぐらいに身体をびくびくと跳ねさせて、それが偉央には堪らなく愛しく思えるのだ。
結葉の動きをわざと封じるように自分の体重でグッとベッドに押さえ込んだまま、偉央はもう一方の先端も、手指でギュッと摘んでこねる。
「あ、やぁんっ! い、ぉさっ――!」
途端、熱に浮かされたように自分の名を呼びながら、押さえ付けられた身体を懸命に震わせる結葉を見て、偉央は心の底から彼女の全てを独占したいと思った。
手に入れたばかりの、この無垢で淫らな二律背反としか言えない美しい妻を、絶対に誰の手にも渡したくないと願った。
チュッと音を立てて上に吸い上げてから右の乳首を解放すれば、ふるりと震えて未だ物足りないと言わんばかりにツンと天井を仰いで愛らしくとんがる。それが堪らなく扇情的で。
偉央の唾液でテラテラと光るそこは、強めに与えられた偉央からの刺激で赤く鬱血して、よく熟れた野苺みたいに見えた。
「結葉、キミは最高に可愛いよ……?」
耳元で囁くようにそう告げたら、偉央の声だけで結葉が小刻みに身体を震わせて。
今、この娘は全身で自分からの刺激を受け取ろうとしてくれているのだと実感させられた偉央は、堪らなくゾクゾクした。
「下、凄いことになってるね、結葉」
その上で結葉の下肢をサラリと撫でれば、そこがしとどに濡れそぼっているのが分かった。
「結葉、キミはこういう経験なんて一度もないはずなのに、物凄くエッチに乱れるんだね」
わざと結葉の羞恥心を煽るようにそう言ったら、結葉が両脚をギュッと閉じて「言わないでください……」と涙に潤んだ目で偉央を見上げてくる。
「勘違いしないで、結葉。僕はキミを心の底から褒めているんだよ?」
クスッと笑って結葉の耳朶に口付けながら声を低めて言えば、彼女が恥ずかしそうにイヤイヤをする。
「なぁ結葉。――僕を見ろ」
そんな結葉に命令口調で少し強めに囁けば、従順な彼女はビクッと身体を震わせて、ちゃんと偉央の言いつけを守る。
「口を開けて舌を突き出せ」
羞恥心と忠誠心の狭間で、結葉はどこまで自分の言うことを聞けるだろう?
そんなことを思いながら結葉を見下ろす偉央に、結葉はおずおずと小さく開けた唇の隙間から愛らしい舌を差し出してくる。
「――良い子」
偉央はそんな結葉を褒めてやりながら、出された舌を吸い上げるように味わってから、しっとりと瑞々しい結葉の唇を奪った。
「ぁ、んっ、――はぁっ……!」
息継ぎをさせるため、わざと唇を離すたびに微かに漏れる結葉の熱い吐息が本当に色っぽくて。
偉央は結葉を攻めているつもりで、いつの間にか結葉に溺れさせられている錯覚に陥りそうになる。
結葉の体液はどこを舐めてもとても甘く感じられて、女性とこう言うことをするのは初めてじゃないはずなのに、偉央は知らず知らず手加減を忘れて結葉を貪ってしまう。
「や、ぁぁんっ」
クタリと結葉の身体から力が抜けたことで、自分を制御し損ねたと慌てて唇を離せば、結葉が喘ぐように酸素を求めて唇を戦慄かせた。
「ごめん、結葉。少しやり過ぎたね」
優しい声をかけて、そっと結葉の頬を撫でてやったら、結葉がうっとりとその手に頬を擦り寄せてくる。
「ねぇ、結葉。そろそろ下に触れてもいい?」
本当はそこだって結葉に触って欲しいと言わせるつもりだった。
だけど、もう偉央自身が持ちそうになくて。
懇願するように掠れた声で甘く囁けば、結葉がトロンとした目で自分を見上げてくる。
きっと今、彼女に正常な判断はできないだろう。
「いい?」
それが分かっていて、わざと急かすように再度問い掛ければ、ぽやんとした表情のまま、結葉が小さくうなずいた。