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・完璧なメモです。
・オリキャラの過去をえがいています。
・主人公はパラオ共和国に仕える存在です。
・史実ネタですが、主は史実に疎いです。
・政治的、戦争賛美の意図はありません。
・中二病っぽいですね。ごめんなさい。
和華が生まれたのは、スペイン帝国の植民地時代のパラオ共和国です。その国の人達は病気を撒いていきました。何人もの仲間が殺されました。それどころか、奴隷の様に働かされる毎日でした。それから少しして、ドイツ帝国が占領しました。沢山働かせるのに勉強も、インフラ整備もしてくれず、お金もくれませんでした。1919年、ドイツ帝国の占領が終わり、日本国(大日本帝国)の統治下になりました。 「大日本帝国海軍所属の鈴木という。よろしく」
「俺は大日本帝国陸軍所属の青木だ。よろしく」
日本兵の人が自己紹介をしました。この時、和華は仲間達の代表として前に出ることになっていました。
(どうせ、今までの人達とおんなじ扱い方をするんだろうな)
「私は、この島に生まれてくるはずの者に仕える和華と言います。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げました。しばらくしても何も言わないままの日本兵が不思議に思って恐る恐る顔をあげました。そうしたら、日本兵達が全員驚いた顔をしていました。不思議に思っていると日本兵の人、鈴木と青木が口を開きました。
「お前、こんな若いのにしっかりしてるな」
「俺の弟もこんぐらいだけど、もっとやんちゃだぞ。それに利久斗よりしっかりしている」
「んだと!和馬!やる気か?」
何て言うことをいっています。というか、喧嘩し出してます。和華は身長こそ145㎝だけど、年齢でいったら年上です。鈴木が和馬とうい名前で、青木が利久斗という名前らしいです。二人の喧嘩を仲裁するために後ろからまた一人日本兵があきれた顔をして来ました。
「先輩がた、こんなところで喧嘩しないでください。本当にみっともない」
「すいません。和華さん」
この日本兵はわざわざ屈んで私に視線を合わせて、敬語で、しかも私達がわかる言葉で話してきました。驚きました。今までこんな風に接してくる人はいなかったから。
「私なんかに謝らないでください」
「いえ、こちらに非がありますから。私、風堂威月と言います。よろしくお願します」
とても丁寧な人でした。少し驚いていると、風堂さんの後ろから声が聞こえました。
「私が教え込んだからな」
その人は同族だと、一番始めに生まれた仕える者だと、本能で認識しました。
「初めまして、和華。私は、日本国に仕えている、愛華だ」
「あ!初めまして」
「和華は礼儀正しいですね。私、陸軍に仕えています。炎帝と申します」
「だねー。俺は炎海、よろしくね!」
「炎海兄さん、うるさい。僕、航空軍、仕える、空炎。和華、いい子」
愛華さんは優しく微笑んで、炎帝さんは私の頭を撫でて、炎海さんはお日様みたいな笑顔で、空炎さんは分かりにくいけど口角をあげて言ました。
「ゔ」
いきなり空炎さんが苦しみだしました。
「!私達は帰らせてもらう」
愛華さんが日本兵達に向かってそういうと、次に私の方を向いて話し始めます。
「悪いな、和華。最近は全員体調が優れなくてな。平和な世の中になった時、また来る」
少し暗めの笑顔で私に言ってから、船で帰ってしまいました。
日本兵達が愛華さん達を見送ると、青木がよし、と声を出しました。
「じゃあ、始めっか」
「何を始めるんですか?」
島民の一人が日本兵に聞く。
「水道と電気、あとは、学校と病院ですよ」
日本兵は優しく私達に教えてくれた。
しばらくして、日本兵さんと和華は仲良くなりました。今まで、一人称を私にしていたけど、生まれつきの一人称は和華だったので元に戻しました。
ある日、鈴木さんが和華に日本語を教えてくれると言いました。
「急に始めたら混乱するだろうから簡単な物から始めよう」
「はい!混乱するって何ですか?」
「あ、んーと」
鈴木さんが凄く考えていると、青木さんが来ました。
「どうした?和馬」
「混乱するをどう説明したら良いか分からなくてな」
鈴木さんが悩んでいる理由を説明した。
「あー、アタマグルグルじゃね。ほら、混乱してるときって頭がぐちゃぐちゃになるし」
「いいな、和華、混乱するは、アタマグルグルだ」
「アタマグルグル、わかりました」
混乱するのはアタマグルグルとこの日は教えてもらいました。
次の日、よく日本兵さんが作ってくれるオニギリを鈴木さんと青木さん、風堂さんに作ろうと思って、いま、共有の台所にいます。日本兵さんにコツを教えてもらったけど、うまく三角形にできませんでした。これじゃ三人に渡せません。和華が落ち込んでいると、後ろから声がしました。
「なに作ってんだ?」
「見たらわかるだろう、馬鹿か。おにぎりだろ」
「馬鹿とか言うなよ!和馬も馬鹿だろ!」
「喧嘩しないでください」
青木さんと鈴木さん、風堂さんでした。
「三人に渡そうと思って作ったんですけど、綺麗にできなくて……」
そう言うと三人は一斉に和華の作ったオニギリをとってぱくっと口の中に入れてしまいました。
「お、うまい!」
「うまいな」
「美味しいですね」
三人揃ってそう言いました。すると鈴木さんが教えてくれました。
「不恰好でも味は変わらない。味大丈夫だ」
「アジダイショウブ。そっか、良かったです!」
それから何回か三人にオニギリを作ったけど、やっぱり日本兵さん達みたいには出来ませんでした。でも、三人ともいつも嬉しそうに食べてくれるので嬉しかったです。
「青木さん、綺麗な青色のお花があったので、押し花にしたんです。どうぞ」
「俺に、うわー嬉しい!ありがとー。大切にするな」
青木さんはいつもの太陽のような笑顔で受け取ってくれました。次は鈴木さんです!
「鈴木さん、綺麗な赤色のお花を押し花にしたんです。あげます」
「くれるのか、ありがとう。大切にするな」
鈴木さんは頭を撫でてくれました。最後に風堂さんです!
「風堂さん、綺麗な黄色のお花を押し花にしたんです。受け取ってくれますか?」
「もちろん。ありがたく頂戴します。」
風堂さんはいつも以上に嬉しそうな笑顔を見せてくれました。三人とも自分の持っているロケットペンダントの中に押し花を入れたみたいです。そんな幸せな日々を過ごしていたある日、三人に呼ばれました。
「どうしたんですか?」
「これから此処も戦場とかすると思われる。だから、和華は島の人達を連れて逃げろ」
鈴木さんが少し悲しそうにそう告げました。
「嫌です!和華は、和華達は戦います、戦えます!和華達だけ逃げるなんて出来ません」
和華は必死に訴えました。
「一緒に戦うだ?ふざけるな!我等が帝国軍人が貴様等のような土人と共に戦えるわけないだろう!目障りだ、直ちに出ていけ」
今まで一度も外れる事の無かった風堂さんの敬語が取れて、声を荒げてそう言いました。それがどうもこうも、悲しく、和華はつい、「大嫌いです!」といって、出ていった。他の島民達も日本兵さん達に追い出されて、続々と船に乗りました。出港して少し、島の方を向くと日本兵さん達が手を振って見送ってくれていました。勿論そこには、鈴木さん、青木さん、風堂さんもいました。そこで和華は気づいたんです。さっきのひどい言葉は和華達が戦わなくて済むようにかけた言葉だったんだと。声はもう届かないから、精一杯大きく手を振りました。
それから何ヶ月かたって、戦争が終わったときに和華達は島に帰りました。そこには沢山の日本兵さん達が倒れていました。生存者は誰一人としていませんでした。せめてもの思いで、鈴木さんと青木さん、風堂さんの死体を探しました。三人揃って肩を寄せ合い、死んでいました。手には和華があげた押し花の入っているロケットペンダントが握りしめてありました。風堂さんは、ロケットペンダントと一緒に手紙も握っていました。内容はこうです。
〈わかへ ひどいことをいってごめんね。どうか、げんきにたのしくいきてね。 ふうどういつきより〉
和華にも分かるように平仮名で、丁寧に書かれていました。
その日、長らく泣く事の無かった和華が声が枯れるまで、涙がでなくなるまで謝りながら、感謝を伝えながら泣き続けました。幸いなことに島民の皆さんは気を使ってそっとしておいてくれました。
日本国は負けて、アメリカ合衆国が次に統治するとこになりました。
「あんな野郎のもとにいたなんて大変だったな」
ある日、アメリカ兵がそう言いました。まるで日本兵さん達を小馬鹿にするような言い方で。和華はそれがどうにも許せませんでした。
「日本兵さん達を馬鹿にするな!和華達を守る為、命を散らした人達を悪く言うな!」
アメリカ兵は驚いていました。今まで怒りも笑いもしなくって、敬語を話していた人がそんなことを言うのですから当たり前なのかもしれませんが。和華達の近くにいた島民もそのアメリカ兵に怒りをぶつけていきました。アメリカ合衆国は、日本国と同じように教育を続けてくれた。けれど、日本国のように産業開発は行ってくれず、経済はアメリカ合衆国の援助に依存してしまうような状態になってしまいました。
1994年10月1日パラオ共和国として独立しました。独立後、日本国が無償で支援をしてくれたりして、とても嬉しかったです。そんなある日、空港でのことです。
その日はちょっと用事があって空港に居たんです。すると、後ろから聴いたことのある声が聞こえました。振り向くとそこには、愛華さん、炎帝さん、炎海さん、空炎さんがいました。
「本物ですよね」
「あぁ、本物だぞ和華。約束通り来たぞ」
愛華さんが優しく微笑んでそう言いました。和華はおもわず泣いてしまいました。嬉しくて、驚いて、色んな感情が混ざってとにかく泣くことしか出来ませんでした。でも、そんな和華を愛華さん達は優しく抱きしめて頭を撫でてくれました。
「和華、落ち着いた、多分、大丈夫、炎海兄さん、力、強い、止めて」
泣き止んでもずっと抱きしめてくれていた炎海さんに止めるよう空炎さんが言いました。
「和華、待たせたな。威月達の件、凄く悲しかっただろう」
「はい。でも、今こうして和華が泣いてたら抱きしめてくれる人がいるので大丈夫です!」
愛華さんが悲しそうに言うから和華は、満面の笑みで、精一杯明るく答えました。
「ならよかったです」
炎帝さんが安堵の表情を浮かべました。
「あの、愛華さん」
「どうした?和華」
「愛姉さんって呼んでもいいですか?」
「良いぞ。もう和華も私の大切な妹だからな」
お花が咲いたような笑顔で愛姉さんは返事をしてくれました。
「和華、日本国に来ないか?良ければ、私達と一緒に暮らそう」
「愛姉さん達と一緒」
炎帝さん達はそわそわして和華の返事を待っていました。
「和華でいいなら、一緒に行きたいです」
「良かった」
「そうして、今和華は愛姉さん達と一緒に暮らしてるんです」
涙ぐんでいる和華の主、パラオ様を見て和華の昔のお話をし終えました。パラオの顔を見た後、和華は少し遠い目をしていた。
「和華が教えてくれた日本語には沢山の思い出が詰まってるんだね」
パラオ様は半泣きの状態でそう言ました。そんなパラオに対して和華も少し泣きそうな顔で答えた。
「はい。一つ一つ大切な思い出です!」
「迎えに来たぞ」
パラオ様とお話をしていたらあっという間に時間がたったみたいです。公園の入り口から愛姉さんと内地様が立っていました。
ふと、空を見上げると、日本兵さん達とよく見たとても澄んだ夕焼け空が広がっていました。
「早く帰るぞー!」
「はーい!」
「またどこかでね、日本兵さん達」
ぽつりと残した和華の言葉は誰に届くでもなく、和華の心にいる日本兵さん達に届いたでしょうか。
おや?君、そこにいる君だよ。そう、画面の向こうにいる君だ。和華の話を聞いたのか?いや、君達的には、読むかな?
この話を読んでどう感じた?悲しい?苦しい?安堵?喜び?国によって、人によって感じ方が違ってくるだろう。今回は和華視点でだったが、あのアメリカ兵からしたら?日本兵からしたらどうなるのだろうな。だが、それがどうであれ、事実は変わらない。パラオ共和国に日本語があるのも事実だ。日本国が実質植民地にしていたのも事実だ。君達はどう思う?考えてみてくれ。
あぁ、それと、現代での地の文、敬語じゃなかったろ。勘がいい人は気づいたかな?あの部分は和華視点での話ではない。私が話していた。私が誰かって?私はーーーーだよ。読めないって?じゃあ想像してみてくれ。ヒントはこの話に出てきているということかな。どうした?蛻ゥ荵?沫。一人称だけでも戻せって?わかったよ。じゃ、また、俺はいつまでも和華を見守ってるから。
おっと作者が取り返しに来たようだ。面倒くさくなりそうだからな、もう行くとするよ。じゃあな。
5000文字越えましたね。お疲れ様です。
バイ