この作品はいかがでしたか?
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アーサーside
月曜の朝。本田と嘘告で付き合ってから5日がたった。いつもより日付が流れるのが早く、本田と過ごす時間が俺にとってどれだけ楽しかったものなのかを実感させられながら階段を下りる。
いつものように3人前の朝ご飯(ただのトースト)を作り「起きろお前らー!」と叫ぶが、案の定起きてこないので、ため息をつきながら階段を上がり2人の部屋のドアを開ける。
「ほら、お前らいい加減起きろー高校生だろ?」
「ん……アーサー、Good morning…」
「………Good morning…」
「身支度して降りてこい。10分後に来なかったら朝飯抜きな」
「え!?それは酷いんだぞ!」
「じゃあさっさと着替えて下来い」
ドタドタと部屋が騒がしい中、俺は階段を下りキッチンへと向かった。焼いたトーストを食べていると、ガチャッとドアが開き、マシューとアルフレッドが入ってきた。
「間に合ったー!」
「そりゃ間に合う前提の時間だからな」
「いちいち突っかかって来なくていいんだぞ!」
「あはは、ほらアル。早く食べよ」
「ん、」
マシューと俺はいつものように朝飯を食べた。だがなぜかアルフレッドだけ食べようとしなかった。それに疑問を抱き、
「どうした、食べないのか?」
と聞き、アルフレッドはやっと口を開いた。
「……アーサーってさ、菊と同じクラスだよね」
「ま、まぁ、」
「もしかしてアーサー、菊の事好きなのかい?」
「ぶっ、!?」
飲んでいた紅茶が口から出てしまった。図星だ。マシューがびっくりして「アーサー大丈夫!?」なんて布巾で俺の顔とテーブルを拭いてくれた。そんな温かい行動とは真逆に、アルフレッドから冷たい視線を感じる。
「な、ななお前!んな訳ねぇだろ!?」
まさかアルフレッドに当てられるとは思ってもいなかったからか、舌が上手く回らなかった。こんなに焦ったのはいつぶりだろう。
「そうか…君も好きなんだね」
「だから、ちが、」
ん?待て…君も……?
「じゃあ菊は俺に譲ってくれよ。好きじゃないんだろ?」
「…まさか、お前、」
「あぁ。俺、菊が好きなんだ。」
辺りが静まり返った。まさか恋のライバルが自分の弟だなんて、どっかの恋愛漫画の展開でしか見たことがない。アルフレッドとバチバチと目線を合わせながら睨み合う。
菊?誰?そんな顔をして状況が理解できないマシューはあたふたしながら、とりあえず喧嘩を収めようと仲を取り持ってくれた。
「あ、あの、とりあえず落ち着こう?菊が誰かは分からないけど……一応家族なんだし、家の中までギスギスしてるのは良くないでしょ?」
「うっ、た、確かに…」
「そ…そうだな、1回落ち着こう」
マシューの一理ある意見に俺達は一歩下がって席についた。マシューの言う通りだ。こんなんでも2人のことは大切な弟だし、俺が親のようなものだからギスギスするのは正直辛い。
「でもアーサー、俺、君がライバルだからって引き下がるつもりはないからね」
「お互い様だ」
今日からもっと騒がしい日々になりそうだなぁと感じるマシューであった。
本田side
本田菊。彼は今頭を抱えていた。
朝食をもっもっと食べる耀さんを横に、菊の喉は朝食を通さなかった。
頭を抱えているのは、今付き合っている(仮)アーサー・カークランドのことだ。いつまでこのカップルごっこをするつもりなのだろう……。まさか本当の告白だったのだろうか。それならだいぶ失礼だ。こちらは 嘘告 のつもりで付き合っているのに相手の気持ちは本当だということだから。いや、でも……このままでも……。
いやいやいや!でも、じゃああの影に隠れていた2人は何だったんですか。まずこんな陰キャにあのアーサーさんが告白なんてするはずないです。
こんな事になるならさっさと断っとけば良かったな。なんて思う。
「___く」
「菊?」
「は、はい!」
思わず大きな声を出してしまい、耀さんも驚いた表情を浮かべた。
「あいやー、大丈夫あるかお前……もしかして遊んだ日の疲れが溜まってるんじゃねぇあるか?」
「ほら、アルフレッドは菊と真逆の性格ね。学校行けるあるか?」
「はい、少し考え事をしてただけなので……」
「無理にとは言わねぇあるが、何かあるならすぐにーに に相談するあるよ?」
「ええ、ありがとうございます、」
そんなことを言われるが、重度のブラコンにこんな相談出来る訳もなく、そのまま引き下がった。
コメント
1件
最高すぎます…✨