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と、
前から人の気配がした。
『ははは、やっぱりキミは面白い。』
『レイン!』
レインが笑いながら、手を叩きながら歩いてくる。
『来てくれたんだね。ま、来るとは思ってたけど。どう?面白いでしょ?』
『くっ!』
いつものように、ヘラヘラとしている。
『これ全部、アンタたちの仕業なのね。なら、アタシが止めるわ。』
ヒナタさんが、その場で短剣を振り、構える。
僕も、ナイフを構える。
『僕は、キミに傷をつけたいわけじゃない。そう言っただろう?』
コイツ、何を言ってんだ?
『ただ、キミの選択が正しいのかを見てみたいんだ。それでキミの夢が叶うのかをね。』
ヒナタさんが走る。
『おっと。リンネ、よろしく。』
と、
レインの後ろから、人の姿が。
その、まだ少女らしき人が、ヒナタさんの方に歩く。
そして、
隠していた手に、ナイフがある。
両手に1つずつ。
ヒナタさんは斬りかかるが、リンネと言われた少女は、ナイフで受け止めた。
僕も走る。
武器を使えなくても、止める!
僕は、リンネに向けて走り、
近くまで行って、
レインに、狙いを定める。
『へぇ、』
だが、
避けられた。
『今のは、そのナイフを使えば致命傷を与えられただろうね。』
っ!
まだ、追いかける。
『それは、昨日も散々やっただろう?無駄だと思うけど。』
『諦めるつもりはない。』
僕は、追いかけ続ける。
『なら…』
レインが、怪しく笑う。
と、
え?
『今までのが、本気だと思った?』
レインが、すぐ耳元で言った。
ほんの一瞬で、視界から消えた。
『コレでも、続けるのかい?』
『・・・』
レインの本気は、思っていた以上だった。
今の僕に、倒せる力はない。
なら、どうすればいい?
わからない。
どうすれば…
と、
!
誰かに押された。
僕は、倒れる。
と、
ナイフが、飛んできていた。
『ボーっとしてたら、殺されるわよ!』
また、ヒナタさんが助けてくれたようだ。
そちらも、苦戦しているようだ。
なら、
僕は、
ナイフを構え、
レインに向かって走る。
そして、
ナイフを、レインの首を狙って振る。
スッ!
首元で止める。
でも、
レインは動かなかった。
『残念、そのまま斬るのかと思ってたのに。』
そのまま斬っていたら、レインに致命傷を与えていたはずなのに、
レインは冷静だった。
なら、
倒す!
足を引っ掛けて、倒そうとする。
でも、また避けられた。
『それも、無駄だね。』
やっぱりダメだった。
なら、どうすればいい?
僕が先に攻撃をするか?
でも、レインが、
刀を使ってきたら?
勝てるのだろうか…
『おや?』
ヒュン!
何かが、とんでもない速さで飛んできた。
『危ない危ない、あと少しで当たってたよ。』
レインは、避けたのか?
あんな速さの何かを、
ピュン!
まただ。
すぐ真横を、何かが通った。
これは…
よく聞いてみると、
遠くで、破裂音のような音がする。
銃声だ。
他の銃声に混じって、一際大きい銃声が聞こえる。
『ふむ、あそこかぁ。なかなかの腕前だ。』
レインは、弾丸を全て避けた。
コイツ、本当に人間かよ。
『あの人は、完全に殺す気だな。さて、帰るか。』
何?
『行こうか、リンネ。』
2人が、逃げようとしている。
『逃すと思ってんの?』
ヒナタさんが走る。
僕も、追いかける。
だが、
『またね〜。』
レインが、何かを落とした。
これは?
落ちた何かから、白煙が上がる。
そして、
あたり一面、煙に覆われて見えなくなった。
逃げられた。