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麗音はベッドの上で社内にいる犬から来たメールを見ていた。
麗が社員の前で自分の出自と麗音を裏切らないと誓った話は社内中に回っているらしい。
位置づけ的には麗音は社外の人間ではあるが、別に駒は麗一人ではない。噂話の一つや二つ簡単に手に入る。
(やっぱり麗は私の物よね)
麗音は自分への愛を誓う可愛い奴隷の名前を指先で撫でた。
明彦が何を言おうが、何をしようが、麗は麗音の物だ。しっかりと調教してある。
麗音のためならば、麗は何でもする。それがあの子の生きる意味。
それにしても、麗が社長になるとは。父の最後の嫌がらせだろう。
麗ならば、麗音が日本に戻ればすぐ退任してくれるであろうため、外部から雇われ社長を招聘されるよりずっとありがたい。
「麗音さん、何か楽しいことでもあったの?」
「別に、たいしたことじゃないわ」
ベッドに寝転んでいた明彦の弟、義彦に後ろから抱きしめられた。
「たいしたことじゃないなら俺にかまってよ。麗音さんに会いたいがためにアメリカまで来たんだよ」
素肌の首筋に軽く口づけを何度も落とされる。
「よく言うわ。仕事のついででしょ? 離して、私、そろそろ仕事に行くから」
義彦の腕を外し、麗音は朝支度を始めたのだった。