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どうも皆様、サカナです
もうすぐ…もうすぐでリクエスト一個終わります…
エロ書けない😭でも楽しい😭
あとがっこうぐらし見ました、心が痛い
そのままの勢いでとりあえず繋ぎとして日英を…
あ、大丈夫ですゾンビでもホラーでもありません
純愛です
「おはようございます、イギリスさん!」
「…おはようございます…」
シャッとカーテンを開き、朝の挨拶をかけてやると、イギリスは切れ長の目をうっすらと開いた。
ベッドから起き上がらないまま辺りを見渡したかと思えば、シーツの上に身を投げ出している。
「イギリスさん、まだ眠いんですか?ふふ、お寝坊さんなんですから」
ぼんやりと自分を見つめる彼が愛らしく、思わず頰を撫でた。
大人しく撫でられている彼は本当に可愛らしいが、恥ずかしくて抵抗していた過去の彼もまた素敵だったなぁと思う。
兎にも角にも、イギリスが愛おしいことには変わらないけれど。
「ご飯作りましたから、もう起きてくださいね。運んであげるので。あぁ、お着替えもしなくちゃ」
「はい、わかりました…」
青い目でこちらを見て返事を返すイギリスに満足して一歩離れ、もぞもぞとゆっくり身を起こした彼をそっと抱き上げる。
「相変わらず軽いですね、お腹の中身入ってるんですか?」
「入ってますよ…」
完全に身を委ねながら、イギリスは日本の言葉にぽつぽつと独り言のように返す。
きっと気持ち良く寝ていたところを起こしてしまったから、少し拗ねているのだろう。
そんなところもまた、日本は愛おしくて仕方がない。
いつもサイドテーブルに置いている洗面器と清潔なタオルで顔を拭いてやり、鏡の前に座らせる。
「今日はどんなお召し物が良いでしょうか?僕のお姫様」
イギリスは綺麗だから、何でも似合ってしまう。
シックなスーツでも、ラフなセーターでも、ふりふりで可愛らしい女装でも。
「今日は少し肌寒いですから…ニット素材のベストも着ましょうか」
「…はい」
よしよしと頭を撫で、イギリスのために買ったたくさんの衣服の中から、丁寧にアイロンがけをしたシャツや、くすんだ青色のベスト、黒色のボトムスを取り出す。
鏡の前でイギリスの服を着せ替え、また抱えた。
広くも狭くもない廊下を歩いて、イギリスと日本の部屋から食卓へ。
毎朝毎朝同じように繰り返されたことでも、愛しい人が手の中にいるのはそれだけで幸せなことだ。
美人は3日で飽きるどころか、毎日愛らしいポイントを見つけてしまって更に惹かれていく。
こんなに魅力的な人を自分のものにできたことが、本当に嬉しくて堪らない。
「ほら、ちゃんと座ってください」
「…」
「まだ拗ねてるんですか?今日はイギリスさんの好きなもの作ったので許してくださいよ」
同棲してから知ったことだが、イギリスは案外引きずるタイプらしかった。
一度したことはずーっと根に持って、口を聞いてくれはするものの、なんだか不機嫌なまま。
「じゃじゃーん!エッグベネディクトです!」
「…美味しそうですね」
「ふふん、そうでしょう?あーんしてあげますから、一口食べてみてください!」
自作のエッグベネディクトをイギリスの小さな口でも無理なく飲み込めるよう小さく切り分け、フォークに刺して食べさせる。
「ん…」
俯きながらも食んだことを確認し、フォークの先をイギリスの口から引き抜いた。
気怠げに咀嚼する姿は、なんやかんや自分に心を許しているのだと思い、また幸せな気分になる。
イギリスがこの家に来てから、日本はずーっとずーっと幸せな気分だ。
朝から晩までイギリスといて、いつでも触れ合えて、言葉を交わせて、大好きで仕方ない愛しい人とこんな風に毎日を過ごせる。
幸せじゃない方がおかしい。
「はい、どーぞ♡」
可愛い可愛いイギリスは、日本のものだ。
きっと世界中の誰よりも愛し合っていて、世界中の誰よりも幸せな2人に決まってる。
だって僕たちは最高の恋人なのだから!
朝食を食べ終わり食器を片付けた後、日本は在宅の仕事があるので、またイギリスを抱っこしながら部屋に戻った。
仕事なんて退屈なこと、可愛いお嫁さんが側にいなくては飽きてしまう。
「それじゃあイギリスさん、今日も膝の上で大人しくしていてくださいね。すぐ終わらせますので」
「…はい」
小柄な自分より更に小さなイギリスを膝の上に乗せ、日本はパソコンを開いて仕事を始めた。
小さくて暖かくて、まるで子うさぎのようだ。
大人しく自分に寄りかかり、長いまつ毛を伏せてじっとパソコンの画面を見つめている。
カタカタ、ポチポチ。
日本とイギリスの息遣いや、機械から発せられる音。
あとは、時々窓際を通る小鳥のさえずり。
今この瞬間にあるのは、そんな穏やかな1日に相応しい音。
イギリスの柔らかい暖かさを感じながらすれば、多少の目の疲れなんて全く気にならないし、早く一緒に過ごしたくてやる気がどんどん湧いてくるのだ。
君のためならなんだってできる。
日本のその言葉に、嘘なんて一つたりとて存在しない。
「ねえイギリスさん、僕とお話ししましょう?」
「…」
だらんと身を崩しているイギリスの背後から抱きつき、疲れたので少しばかり体重をかけた。
イギリスはとても小さい。
ほんの少し何かあっただけで、壊れてしまいそうだ。
「昨日ね、アメリカさんに会ったんです。相変わらず大層女性にモテていまして…あ、もちろん私はイギリスさん一筋ですよ」
永遠に変わらないその美しい容姿と儚さは、まるで凍らされた薔薇のようで…触れれば壊れるのに、触れさせようと魅力を振り撒くイギリスは、なんて罪な人なのだろう。
こんな素敵な人が 自分にしか見せない一面だってある。
今のように居眠りしかかっているイギリスは、血縁らしいアメリカやカナダでも滅多に見かけないだろう。
満腹で眠くなってしまったのか、先ほどからイギリスはうとうとと頭を上下に揺らしていた。
「イギリスさん、ベッドへ行きますか?」
「ん…いや…です…」
「ですがもう限界でしょう。ほら、そのように眠そうなまま過ごしては紳士らしくありませんよ」
「いやです…」
目をぱちぱちと瞬かせて、動きも鈍い。
それでも頑なに首を横に振るとはいかがなものか。
「そういうところも好きです…♡」
まるでイエス・キリストを讃える敬虔な信者のように。
熱心なまでにイギリスを愛し、慈しみ、好いている。
日本の愛を一身に受けて、イギリスは砂糖に沈められていった。