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瑞ーside
瑞『なんでこさなんかが…』
そう憂鬱な思いを心に階段を登っていく。何にせよ、義兄には何も触れずにいたかったし、関わりたくなかった。あまり気分の乗らないノックに義兄が出てくる。目を丸くしてこさを見つめるその目が鬱陶しくて仕方がなかった。そして、少しの沈黙の後、義兄が口を開いた。
桃「だれ…?」
その発言はすぐ空に溶けていったが、自分の心にはずっと残っていた。
いじめっ子「ぁ゙?お前だれ?」
母「あんたの名前なんか覚える価値もない″ッ!!」
もういないのに。されないのに。どんどん目の前が滲んでいく。やっとの思いで下へ向かう足が動いていた。
ずっと、虐められていた自分の生きがいはお兄ちゃん達だった。ずっと自分の背中を押してくれて、助けてくれたひーろーだった。
紫「お前、こさめに触んなよ。」
赤「どっかいけ」
いじめっ子「でもこいついいってッ!」
黄「本人の許可じゃあらへんねん」
緑「近づかないで、」
どんなに怖くたって立ち向って
紫「母さんもうやめなよ、」
緑「どれだけもうやってきた?」
赤「俺たちもう限界だから」
黄「家出てくね。母さん」
皆の意見をまとめて。
何もしてなかったこさも、愛すと言ってくれた。
なのに、こさのひーろーの上に立っている義兄が気に入らなかった。それが本心だったのだろう。
嘘をついてだって、強がりだって、自分も誰かのひーろーになりたかった。
コメント
8件
ふんふんふん、、、かわいい。 続きたのしみにしてる
自分もなりたかったのね… きっとなれると思うけどなぁ~