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『×印』
👁️🗨️は机を思い切り叩いた。
「なんで……!」
息が荒い。
胸が苦しい。
頭の中は真っ赤だった。
何も考えられない。
「全部壊したい……!」
椅子を蹴ろうとした、その瞬間。
「止まれ。」
Ი𐑼の低い声が部屋に響く。
👁️🗨️は肩で息をしながら振り返る。
「無理……!」
「右手を出せ。」
「……。」
「命令だ。」
震える手を差し出す。
Ი𐑼はポケットから黒いペンを取り出し、👁️🗨️の手の甲にゆっくりと大きな×を書いた。
「……これ、何。」
Ი𐑼は静かに答える。
「その×は『今は行動するな』の印だ。」
「怒りに命令されるな。」
👁️🗨️は手の甲を見つめる。
まだ震えている。
「でも……止まれない。」
Ი𐑼は一歩近づく。
「その×を見る。」
👁️🗨️は視線を落とす。
「×が消えるまで、何もしない。」
「……。」
「十数える。」
「一。」
「二。」
怒りはまだ消えない。
それでも数える。
「三。」
「四。」
呼吸が少しずつ整ってくる。
Ი𐑼は変わらない声で続ける。
「×は失敗の印じゃない。」
「停止の印だ。」
「怒りのまま動くことを、一度だけ止めるための印。」
👁️🗨️はもう一度、手の甲を見る。
黒い×が目に入るたび、Ი𐑼の声が思い出される。
「怒っていい。」
「でも、その怒りに操られるな。」
しばらくして、👁️🗨️は大きく息を吐いた。
「……少し、落ち着いた。」
Ი𐑼は小さくうなずく。
「よし。」
「次に頭が真っ白になったら、まず×を書く。」
「それが最初の命令だ。」
👁️🗨️はペンを握り直し、手の甲の×を見つめながら静かにうなずいた。
コメント
1件
うわ、この第4話、すごく静かに滲みる話だった……。最初の「全部壊したい」って衝動が、ほんとに生々しくて手に汗握る。でもそこでᲘ𐑼が出てきて「×を書く」って、物理的な印で怒りをいったん止める仕掛けがめちゃくちゃ好き。怒るなじゃなくて「止まれ」「×を見ろ」ってシンプルな命令が、むしろ救いになってる感じがした。二人の距離感、まだぎこちないけど確かに信頼が芽生えてる。