(巨大な強敵に皆が苦戦している状況)
[伊波視点]
だいぶやキツい状況だった。
その時
無線から聞き慣れた声が聞こえた。
《みなさん》
「「「!?」」」
誰の返事も待たず、淡々と言葉を続ける。
《みなさんは、自分の最後って決めてます?》
《俺は…まぁ死なないんですけど》
(ショウ…?)
《んー……》
《なんて言えばいいんだろ》
《俺って中身ほぼ宇宙じゃないですか?》
(何、を…)
《だから》
《宇宙でも別に大丈夫なんですよ》
なんとなく
嫌な予感がした。
すぐに周りを見渡す。
アイツはどこにいる?
《まぁ》
《あとはよろしくお願いします》
《では》
そう聞こえた瞬間
思いっきり声を出した。
「誰かショウ止めて!!!!」
[星導視点]
ライの大声が響いた。
「気付くの早いなぁ」
「流石〜笑」
そうふざけていると、俺のいる建物が少し揺れる。
「…はやくしないとか」
軽く伸びをして、前の敵に向き合う。
まずはこちらに向かせなければ
「悪口って効きますかね?」
「やーいやーいこのタコー」
俺ですけど。
そう言うと急に俺の方を向いた。
「わぁすごい効いた」
正直言ってそんな呑気な事を言ってる場合ではない。
「さぁて」
「やりますか」
[伊波視点]
ショウが無線を切ったあと、少ししてショウを見つけた。
ビルの屋上だ。
「ッショウ!!」
聞こえていないのか、俺に目もくれない。
どうする?
俺は地上。ショウは屋上。
絶対に追いつけない。
どうやって行けばいい?
(はやく、はやく考えないと)
まずい
パニック状態になってる
はやくショウのとこに行かないと
《見つけたで》
!!!
「カゲツ!!」
[星導視点]
「おいタコ」
「!」
後ろから声をかけられ、びっくりして後ろを向いた。
「カゲツ…」
カゲツは、俺の事を真っ直ぐ見て、口を開いた。
「お前、身勝手すぎんで」
「一人でなんかする気やろ」
「協力って言葉知らんのか?」
一言一言が身に沁みる。
「ここでお説教ですか…笑」
「さすがに説教しなあかんわ」
そう言うと、少し悲しげな表情になる。
「…ライも、心配しよるで?」
「まぁ、でしょうね」
「狼は…分からんけど」
「あぁ…笑」
確かに、冷静沈着な彼の事だ。どう考えるのかは分からない。
「こればっかりは仕方ないんです」
「どうか分かってください」
そして敵の方に向き直す。
「ッおい!」
何度も呼ばれるが、全て無視をする。
「なぁ…!」
「…はぁ」
「このままだと、全滅だってあり得るんですよ」
「分かってます?」
いい加減面倒くさくなってきたため、冷たく返す。
「ッ……」
「だからって…ッ…!」
その時
「おいカゲツ」
「戻るぞ」
別の声が聞こえた。
…小柳くん
「狼…?」
「「カゲツを連れて来てくれ」」
「ライからの頼みだ」
(あぁ、ライ…)
分かってくれたのかと一人で考える。
「タコはどうすんねん」
「…さぁな」
「……ッ…」
「もう諦めろ」
「!?ちょっ…!」
連れて帰るのか
これで集中できる
「離せって!!」
「暴れんなよ落とすぞ」
「落とせ!」
落とせ…w
「おい星導」
「…大丈夫なんだな?」
あら
なんだかんだ言って心配してくれるんですね
「大丈夫ですよ」
「…いい仲間に恵まれて良かったです」
「そりゃ良かったな」
「じゃあ」
「あとは頼んだ」
「任せてください」
「ッぁ、タコ!!」
「はい?」
大声で呼ばれたため、思わず後ろを向く。
「またな!!」
「…!」
「はい、また笑」
最後に、カゲツの安堵した顔が見えた。
静かで
星の明かりしか見えない場所
「来てしまいましたね」
「…戻ってきたの方が正しいか」
オトモに話しかける。
「ねぇ」
「皆は元気でしょうか」
オトモは俺の腕にぴたりとくっついた。
その頭を軽く撫でる。
「まぁきっと無駄に元気なんでしょうよ」
眼の前にある地球を見る。
「これから暇ですね」
俺は小さなため息をついた。
コメント
3件
わー(泣)めっちゃ好みです!!!この作品って続き出たりしますか?るベが宇宙に行っちゃってからの皆の反応が気になって気になって...; ;♩
初のコメント失礼しますm(_ _)mいいんでしょうか泣きますよ???ぎゃん泣きで泣きますよ???(??)