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(目黒視点)
俺、佐久間くん、阿部ちゃんは”恋愛泥棒捕獲同盟”として、行動することにした。
それで、今からもう1人、メンバーを誘いに行こうとしてる。
3人で、その人物を待ってると…
「…急に呼び出してなんだよ?」
不機嫌そうな顔をした、しょっぴーが現れた。
「俺、今日は涼太と出かける予定だったんだけど…」
不機嫌な原因はそれか…
そもそも、俺がしょっぴーに電話したのは昨日の深夜。
そういえば、俺はそこから寝てないな。
その後に恋愛泥棒追いかけて、岩本くんと会って、そのままこーじに会って、ふっかさんに会って…
まあ、今はどうでもいい。
「舘さんと!?え、ごめん!!」
阿部ちゃんが、しょっぴーの不機嫌な原因を知って謝る。
なんか、阿部ちゃんってしょっぴーと舘さんの関係性好きだよね。
推しペアを見てるファンみたいな反応するよね。
今回も邪魔したと思っちゃったみたい。
「…まぁ、俺優しいから。あとでなんか奢れよ。」
しょっぴーは、やれやれと言った顔で嬉しいことを言ってくれる。
「優しいやつは奢れなんて言わねぇって!」
佐久間くんにツッコまれる。
しょっぴーのこういう所が、お兄さんって感じがするよね。
ほんとに、頼りになる3人だ。
(渡辺視点)
今日は、涼太と買い物に行く予定。
睡眠妨害は入ったけど、ぐっすり寝れたおかげで肌もいい感じ。
割といい感じの気持ちで顔を洗って、いつも通りケアをする。
今日は念入りに。
これから、涼太と会うんだ。
やっぱり、綺麗って思ってもらいたいから…
だから、早く寝たんだけどな…
まあ、まあまあまあまあ…
メンバー、それこそ目黒の頼みだぞ?
ここは大人としてのプライドがあるしな?
鼻歌交じりに、今日着てく服を選ぶ。
どれにしよっかなぁ…
ピロンッ!
「…?こんな時間に誰だよ…」
せっかく気分乗ってんのに…
涼太も準備中だと思うし…
「…阿部?」
目黒の次は、阿部ちゃんかよ!?
「……ほんっとごめん…」
『全然大丈夫だよ。俺らはいつでも一緒に行けるからね。』
俺は、涼太に謝り倒した。
本当に悪いことした。
ドタキャンにも程があるだろ。
その日の朝…しかも待ち合わせ20分前とか…
『きっと、めめのことだよ。そっちを優先してあげて。』
涼太は、そんなこと言うけど…
俺は正直涼太といたい。
てか、全然阿部ちゃんの方断るけど?
まぁ、涼太にも言われちゃったし…
俺も、目黒の事は心配だしね…
「服…どうっすかな…」
もう、こだわる必要無くなったじゃん。
「てか、今日の翔太めっちゃビジュいいじゃん!」
佐久間に顔をジロジロ見られながら、そんなこと言われる。
そうかよ、そりゃよかったよ!
昨日、涼太との買い物楽しみにして!
極上の睡眠を求めて!
アロマ炊いて、22:00には寝てたんだぞ!?
深夜に目黒に起こされたあとも!
その後スマホいじらずにまっさきに寝たんだからな!?
それに、さっきめっっっちゃ丁寧にケアしたからな!?
あったりめぇだ!!!
(阿部視点)
本当に、本当に申し訳なさすぎる…!!
舘さんと翔太の”デート”が潰れたってこと…!?
まずい、何たる所業…
翔太は、朝早くから肌のケアしてたってことだよね?
つまり、舘さんにより良い自分を見てもらうため…!?
何それ!?
翔太、努力家乙女じゃん!!!
可愛いかよ…!
と言いますか…
舘さんと翔太はプライベートでよく会う程まで関係が回復したってこと…!?
何それ、嬉しすぎる……
幼なじみ…ダテナベ……
正義(ジャスティス)……
「あべちゃん!?あべちゃーん!!!」
意識がふらっとしてるのに気づいた佐久間に抱えられる。
今回は申し訳ないけど…
今は、こっちに協力してもらおう。
あと、できれば2人で遊びに行く時の日程を教えてもらお。
(目黒視点)
俺らは、今までに起こったことを全部話した。
しょっぴーは、ずっと真剣に聞いてくれた。
いっぱい寝たおかげなのか、いつもよりも頭が回ってるみたい。
「お前…まじか…!」
しょっぴーの第一声はそれだった。
まぁ、そうなるよね。
俺は暴走して、岩本くん、こーじ、ふっかさんに突っかかった。
自分で説明してておかしな話だ。
冷静になって考えると、本当にありえないことだよね。
こんなに悩んでたのに、答えは最初からあったんだ。
ほんとに、不思議だなぁ…
「いや、まじで恋愛泥棒やべぇな…!」
しょっぴーは、すごい驚きながら反応する。
自分が持ってきた話がここまで大きくなるとは思わなかったんだろうね。
「だから、翔太の協力が必要なの。」
阿部ちゃんが、真剣にしょっぴーを見つめる。
「今回の件、お前が必要だ。」
佐久間くんも、真剣に訴える。
「…ん~…」
しょっぴーは、腕を組んで口を捻らせる。
悩んでる…ように見えるけど、俺らはもうわかってる。
「ま、断る理由ねぇしな。」
しょっぴーは、恋愛泥棒を捕まえようって言い出した阿部ちゃんと佐久間くんと同じように怪しい笑顔を浮かべて答えた。
深夜。
1人の男は、街を徘徊していた。
今日も獲物を探すために。
男は、自分の手の中にあるキラキラした欠片を見つめてニヤける。
(あと、少しで…願いが叶う…)
男は、ふと昨夜のことを思い出す。
せっかく獲物を見つけたのに、1人の男のせいで邪魔された。
(昨日の獲物の感情さえ手に入ってれば…今頃は…)
男は、悔しそうに唇を噛む。
昨夜の獲物…深澤の持つ感情は男にとっては珍しいものだった。
あそこまで”濁って歪んだ”感情を見たことがない。
あれさえ手に入ればきっと…と信じて、意識干渉まで使って奪おうとしたが…
目黒によって、それは阻止された。
恐らく、深澤は今日も歩いているだろう。
そう予測して、男はこの街に戻ってきたのだ。
男には確信があった。
この街には質の高い獲物が多くいる確信が。
つい先日に奪ったものを手に取り、うっとりと眺める。
キラキラ光る、強い”オレンジ”に”黒”のグラデーションがかかっているもの。
向井の、恋愛感情。
それは、他のどの宝石よりも美しく輝いていた。
男は、歩き続けた結果、たしかに獲物を見つけた。
だが、それは深澤ではない。
男は、目を細めてその影を見る。
(ピンク…見たことないな…ちょうどいい。)
男は、その影の内側の光を見つめて、いつも通り声をかける。
「…君、1人?」
だが…
男に声をかけられた影は、
“待ってました”といった顔で、男の方に振り向く。
「はーい、そこの君止まりなさーい。」
「…っ!?」
背後から、声が聞こえてくる。
横からも人影が出てくる。
男の周りには、”恋愛泥棒捕獲同盟”。
前に佐久間、後ろに阿部、両サイドに目黒と渡辺。
阿部は、怪しく、心底楽しそうに笑いながら言う。
「君はすでに、我々に包囲されている。」
男は焦る。
何がなんなのか分からない。
なぜ、こんなに人がいるのだ?
それに、なぜ昨日邪魔してきたこいつがいるのだ?
分からないことが多すぎる。
ただ、自分は追い詰められている。
「…な、なんのことでしょうか?僕はただ…」
何とか抜け出そうと、一般人のフリをする。
その様子に、渡辺が嘲笑う。
「お前、演技下手くそすぎ。それじゃ素人も騙せねぇよ。」
男の歪んだ笑顔を見て思う。
(こっちはふっかの仮面の笑顔に見慣れてんだよ。俺らのこと騙せるなんて思うなよ。)
渡辺は、男の歪んだ笑顔にイラついていた。
なんにも考えていない奴が、苦しんでいた深澤の真似事を、下手くそな演技でしているように見えて、それが酷く許せなかった。
「チッ…!」
男は、舌打ちを1つ。
何とか逃げようとする。
だが…
「…Hedera」
目黒の静かな、怒りのこもった声の一言。
それだけで、恋愛泥棒は一瞬で身体をツタに巻かれた。
もう、逃げ場はない。
「さ、現行犯逮捕ってことで…」
「早速事情聴取かぁ?」
男をしっかりと拘束して、阿部と佐久間が詰め寄る。
「てめぇ、何が目的だよ?」
渡辺も圧をかけながら問いかける。
渡辺は、怒っていた。
深澤への侮辱、向井への行動、目黒の暴走…
恋愛泥棒の罪はたくさんある。
だが、渡辺にはそれ以上の問題があった。
深夜の睡眠妨害。
そして、宮舘との買い物の中止…
そもそも、全部こいつのせいじゃねぇか、と…
「それ、てめぇが奪ったもんだな?」
目黒は、男の手元にある欠片に視線を移す。
そして、なんの迷いもなく、”オレンジに黒のグラデーション”の欠片を手に取る。
「…っおまっ!返せ!!!」
恋愛泥棒は何とか取り返そうとするが、拘束されてるため、抵抗などできない。
「はいはい、暴れないでくださいねー。」
佐久間が恋愛泥棒の肩に触れる。
「……って…!!」
ものすごく強い力で掴まれた。
思わず声をあげる。
「早く言えよ。何が目的なんだよ?」
そのまま、一気に顔を近づけて温度の無い瞳で恋愛泥棒に問いかける。
男は、背筋に冷たい汗が伝っていた。
周りにいる4人は、”悪魔”だ…
「……願いを…叶えるためだ…」
恋愛泥棒は、周りにいる悪魔の刺すような視線に耐えきれずに、ついに吐いた。
「願い?」
4人の声が重なる。
「ここ最近、裏社会の正義が静かになってる。それで流行った噂だよ…」
恋愛泥棒は、静かに話し始めた。
俺らの間では、とある噂が流行ってた。
“最も強い力を持つものが、願いを叶えることができる。”
最も強い力を持つものの定義は不明。
だからこそ、俺らみたいな弱いやつでも盛り上がれたんだ。
一発逆転だって…
最近は、裏社会に蔓延る正義が静かだった。
チャンスだと思ったよ。
俺が、最強になって願いを叶えてやるって。
そしたら、1人の人物に声をかけられたんだよ。
『君の才能は素晴らしい。』
『意識干渉ができるなら、感情を奪えばいい。』
『”恋愛感情”が、最も強い力よ。』
そんなふうに言われたら、やるしかねぇなって…
そもそも、あいつは誰だったんだ…?
でも、ほんとに正義が静かだったから、いけるんじゃねぇかなって…
それこそ、俺らの間で恐れられてる”Snow Man”も静かだったから…
「……え…?」
恋愛泥棒は、4人の顔を見る。
綺麗なくらいの笑顔で笑ってる。
(まさか…こいつら…!?)
恋愛泥棒は、ようやく理解した。
阿部は、笑顔で答える。
「”俺ら”って、そんな有名だったんだ。」
男は、今度こそ触れてはいけないものに触れたことを実感する。
「よし、早速こーじの所に行こっか。」
恋愛泥棒捕獲同盟は、恋愛泥棒のことをもっとこらしめたかったが、自分が相手をしているのは”Snow Man”だと気づいた瞬間、もう震えが止まらなくなってた。
それを見て、流石に可哀想だな、と阿部と佐久間が思い、奪ったものを返す約束をさせ、しっかり注意して逃がしたのだ。
一方で、それに目黒と渡辺は反対だった。
渡辺は、最終的に
『てめぇのせいで俺の極上の睡眠と買い物の約束が奪われたこと、ぜってえ許さねぇかんな!!!!』
と、恋愛泥棒を威嚇しつつ許してくれた。
目黒も、恋愛泥棒のおかげで向井への気持ちに気付けた部分はある。
それに、取り返せたのだ。
自分の手で、向井の感情を…
あとは、目黒の気持ちを伝えるだけ。
それと…
「ふっかさんと岩本くんにも謝んないとな…」
目黒は、2人にまだ謝れていなかった。
少し不安そうに言う目黒に、佐久間が目の隣へ立ち、
「大丈夫だよ。あいつらも、ちゃんとわかってるからさ。」
と、明るく笑ってみせる。
「…そうだね。」
目黒も、ふんわり笑う。
「それと、これもみんなに伝えないとだね。」
阿部は、真剣な表情に変わる。
3人も、表情を変える。
“最も強い力を持つものが、願いを叶えることができる”
「俺らは、こんな噂知らなかったけど…」
「深澤あたりなら、知ってるかもな。」
渡辺と佐久間が顔を見合わせる。
もしかしたら、メンバーの誰かは知っているかもしれない。
「それと、あいつが言ってた1人の人物。」
目黒が、もうひとつ気になることをあげる。
一応、4人の中に心当たりはいた。
しばらく前に、この世界を支配しようとして、深澤の全てを壊した…
“逃がしてしまったフードの男”
「…でも、あいつの感じ…」
目黒もそう思いはしたが、ひとつ疑問があった。
「もしかして、女性なんじゃない?」
目黒は、恋愛泥棒の中の人物の話し方ガキになっていた。
『”恋愛感情”が、最も強い力よ。』
「この喋り方だと、女性な気もするけど…」
たしかに、と3人は頭を悩ませる。
また、新しい敵が増えたのかもしれない、と…
(向井視点)
なんやろ…
めめが、急に呼び出すなんて…
いつも集まる舘さんのカフェ。
そこに、めめから早めに来るよう言われた。
『伝えたいことがある』
って…
「…めめ…?」
カフェの扉を開けたら、めめはすぐそこにいた。
メンバーは…まだいないんやね。
めめは、俺に気づいてこっちに来る。
な、なんや?
すごい、真剣な眼差しやんか…?
めめの顔がめちゃくちゃいいことは知っとるで?
さすがに、そんな見つめられたら男の俺でも照れてまうやん…!
「…こーじ…」
めめが、目の前に来て、俺の頬に右手を添える。
え?ホンマに何!?
どしたん急に!?
と、思ったら、ふわっとめめのいい匂いで満たされる。
抱きつかれとる…?
「気づくのが遅くてごめんね。俺も、同じ気持ちだよ。」
めめ、何言っとるん…?
そう聞こうとする前に、俺の中に懐かしい感覚が流れ込んできた。
なんで、忘れとったん…?
こんなに、大切な感情……
「…めめぇ…ほんまにぃ…?」
思わず、涙が込み上げてくる。
そういうことやん…?
めめが、取り戻してくれたんやね…
それに、それに…!
俺と、同じ気持ちなん…?
「こーじ、好きだよ。」
めめは、俺の目から溢れて止まない涙を指ですくってくれる。
めめが、めめが好きって言ってくれた。
俺のこと、抱きしめてくれとる。
俺の涙を、すくってくれとる。
俺に、俺やけに笑いかけてくれとる…
「…ぅ…ぅぁ…ぅぐっ…ぅあああっ…!」
子供みたいやん。
声を上げて泣いて…
嬉しすぎる…
ホンマに…夢みたいやん…
「お、れもぉ…ヒグッおれも、だいすきやぁ…!ェグッ」
「…っ…!こーじ!!」
めめに強く抱きしめられる。
俺、今世界で…宇宙で1番幸せもんやん…!!
「ヒソちょ、押すなって…!」
「結ばれた?結ばれた!?ヒソ」
「ヒソ前出すぎたって…!って…!!」
「うわあああ!!!」
目黒と向井が、泣きながら抱き合う背後で、7人は”隠れて見守っていた”。
だが、前に出すぎて、大声を上げて飛び出してくる。
「…ふぇ…?」
「…え?な、なんでいるんすか…?」
向井と目黒は、呆然と見つめるしかできなかった。
7人は、申し訳なさそうに笑うしかなかった。
「まぁ、とりあえずまじおめでとう!!」
改めて、9人は椅子に座り直して、佐久間が切り出す。
一斉に拍手が起こる。
「みんな、ほんとにありがとう…それで、」
目黒は、優しい笑顔で拍手を受け止める。
そして、岩本と深澤の元へ近づき、
「2人とも、本当に、ごめんね…」
しっかりと、頭を下げて謝る。
その様子に、岩本と深澤は顔を合わせて…
優しく笑う。
「全然いいよ。その感情、見つけられてよかった。」
「うん。まじで良かったね。」
2人の心の広さに、目黒は泣きそうになる。
こんなにも迷惑をかけたのに、2人は目黒の幸せを願っていたのだ。
「これで、グループ内のカップルは2組目か~!」
佐久間が、何気なく放った一言。
1度聞き流したが、すぐに動きを止める。
2組目…?
その様子に、佐久間と阿部は楽しそうに笑う。
そして、
「あれ?言ってなかったっけ?」
「俺と佐久間、付き合ってるんだけど?」
急な交際宣言に、7人は衝撃で声をあげることすらなかった。
「願いが叶う…か…」
先程のわちゃわちゃした空気を変えて、今は緊張した空気が流れていた。
阿部から、恋愛泥棒の話していた事を伝えられ、真剣に考えていたのだ。
「……多分、恋愛泥棒に声をかけたのはフードの男じゃないと思う…」
深澤が、表情を少し曇らせながら言う。
1度、岩本に顔を向ける。
岩本は、何も言わずに”続けて、俺もいるから”と、表情で話す。
「…うん。あの人は、手段は選ばないけど自分よりも弱い人に頼らないと思う。」
フードの男と1番近くにいた深澤が言うのだ。
8人は、フードの男の可能性を消す。
「でも、この噂が本当なら介入してくる可能性は高いね。」
ラウールの言う通り、メンバーが最も警戒しないといけないのはそこだった。
1度逃がしてしまったフードの男と新たなる敵がいる。
それだけではなく、今回のような恋愛泥棒などの小物もいると考えると…
「…かなり、頑張る必要があるな…」
岩本が、苦々しく言う。
「それに、これは人間の感情が関係してくるってことだよね。」
宮舘が、阿部の話を聞いていて思ったことを伝える。
「うん。脳力とかもあるけど…この感じだと心理戦にもなりそうだね。」
阿部が、宮舘の発言に同意する。
最も強い力の定義はわかっていない。
だが、そこに”心”が関連していることは確かだった。
「だとしたら、さらに厄介だな。」
渡辺が顔を歪めて言う。
「フードの男に関しては、脳力が洗脳。話に出てきた人物も、他人の感情を揺さぶるのが上手いんだろうね。恋愛泥棒は、そもそも奪う…」
阿部が、この事件に介入していそうな人物の情報を整理していく。
「…すでに、康二は被害にあってる。ふっかも、多分狙われるよ。」
岩本が鋭い瞳で阿部に伝える。
「…?え!?俺!?」
深澤に視線が集まる。
深澤は一瞬フリーズして、すぐに目を見開く。
まさか、自分がこんなふうに注目を浴びるとは思わなかった。
「恋愛泥棒…ふっかさんのこともちゃんと狙ってましたよ。」
目黒は、深澤にもう既に狙われていると伝える。
「いや、え、?なんで、俺が…!?」
深澤の混乱は増えていくばかり。
そんな深澤に構わず、
「そもそも、フードの男だってお前のこと諦めてないだろ。」
佐久間の一言。
「しかも、式神使いやし…」
向井の一言。
「最近、感情が戻ってきたばっかだし?」
渡辺の一言。
「…ふっかさん、騙されやすいじゃん。」
最後にラウールの一言。
「そういうこと!?」
ようやく理解した深澤。
だが、それは自分を狙う理由なのか?と疑いが勝つ。
そして、瞬時に不安もよぎる。
(それって…みんなに迷惑かけちゃうんじゃ…)
少し俯く深澤に、岩本は気づく。
「俺が、守るから。」
岩本は、強く、はっきりと言う。
「……ふぁ…っ…///」
深澤は、ここには他のメンバーもいて、視線の中心にいることも忘れて、顔を真っ赤にする。
「…は…?おまっ、なんで照れんだよっ…!」
深澤につられて、岩本も顔を赤くする。
7人は思う。
(こいつら、初々しすぎないか?)
と…
7人は、中高生あたりで起こりそうなシチュエーションを目の前で受けて、生あたたかい視線で2人を見守ることを決めた。
「…?電話だ…」
深澤が、自分のスマホがなっていることに気づく。
他のメンバーも疑問に思ってると…
「颯馬くんからだ。ごめん、俺ちょっと行ってくるね。」
どうやら、颯馬から連絡が来たようだ。
岩本も無言で席を立ち、2人はカフェの外で出ていった。
「もしもし?」
『あ、深澤くん。今、すごい面白い情報が入ったんだ。』
「面白い情報?」
『深澤くんはさ、こんな噂知ってる?』
“最も強い力を持つものが、願いを叶えることができる”