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#シークレットベビー
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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鷹槻れん

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#シングルマザー
水羽凛
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第13話、読み終えたよ……! 別れの理由、まさか家庭事情だったなんてね。誤解が解けてよかったね。穂乃果が“顔面が無理”って叫ぶシーン、思わず笑っちゃった😂 でも最後に有栖の声が聞こえてきて……あれ、また何か始まりそうな予感がするね。続きが気になる!
「私と付き合っていたら、私に何かするぞ的な脅し……。だよね?」
玲央はコクっと頷く。
そうだったんだ。はじめて知った。
私、玲央のことが大好きだったから……。
急に別れたいって言われた時、理由を教えてくれなかったこと、話してくれなくなった時は、恨みさえした。
あんなにも好きだって言ってくれたことが嘘だったんじゃないかと思って。
「ごめん。私、玲央の事情なんて知らなくて。一方的にフラれたと思っていたから、酷いことばかり言ってたよね」
若かったし、はじめての彼氏だったから、フラれた―とか、バカ―とか、ウソつきーとか、学校で騒いでた時もあったし、普通に話しかけてきた玲央を避けていた。
「穂乃果は悪くないよ。理由も言われることなくフラれたら、怒るに決まっているだろ。俺だって同じ立場だったら、混乱するだろうから」
となりに座る玲央は、自分のことを話している時は、どこか寂しそうな表情だった。
なんて答えれば良いんだろう。
「良かった。てっきり、私と一緒にいたくないとか、価値観が違うとか、一緒にいて無理になったとか、そんなネガティブなことばかり考えていたから」
そうだ。
玲央は私のことを嫌いで別れたんじゃない。家庭の事情ってやつだったんだ。
理由を知ることができただけでも、嬉しい。
当時の辛かった記憶が、すーとゆっくり溶けていくような感覚になる。
「誤解がなくなったから、これで私も玲央と普通に話すことができるよ」
「良かった」
玲央は口角を上げ、優しく目を細めた。
仲直りって感じなのかな。
「あれ、今は結局、その婚約者さんと結婚したの?」
この間、玲央は結婚していないって言っていた。
チラッと左手の薬指を見たけど、指輪はしていない。
「結婚してないよ。結局、父さんとは意見が合わなくて、今勘当している。実家には帰ってないし、関わっていないから」
「そうなんだ」
学校を卒業したあとの玲央はどうやって生きてきたんだろう。
頭良かったし、難関大学へ入学したって噂で聞いたことがあったけど。
こんなプライベートオフィスまであるくらいだから、大企業に勤めているに決まってるよね。
私が考え込んでいると
「だから、さっきの言葉は嘘じゃない。穂乃果のこと、今も昔も嫌いじゃないから」
玲央が顔を覗き込んできた。
「ちょっと、やめて。顔面が無理!」
かっこ良い男の人の耐性がなくなってるから。こんな至近距離で見つめられたら、恥ずかしすぎる。
「はっ?顔面が無理ってどういうこと?俺の顔、嫌いなの?」
玲央は顔を隠している私の手をとる。
必然的に近距離で目が合う。
ああ、やばい。
私の顔、赤くなっているどころか、顔から火が出そうだ。
「やだっ!玲央、かっこ良すぎる!」
あっと……。
言ってしまった。
素直な心の声が。
結婚しているのに、こんな発言は思っても心の中で止めておくべきなんじゃないの!?
「えっ。それ、マジで言ってる?」
玲央は私の言葉に驚き、彼の顔も少し赤くなっている気がした。
うんうんと首を縦に振ることしかできない。
「ありがとう。穂乃果から言われると、すごく嬉しい」
ニコッと王子様スマイルのように素敵な笑顔を向けられ、胸キュンしてしまった。
「俺の話はとりあえず、これで終わり。穂乃果は、どこか旅行にでも行くの?それとも、家出?」
玲央はふっと息をはき、顎に手を置き、私を見つめている。
「……。夫とケンカして。今日は別のところに泊まろうとしていたの」
素直に打ち明けてしまった。
「ケンカか?良かったら話、聞くけど。大丈夫?」
ああ、優しい声。
大丈夫って久しぶりに言われたかも。
「うん。大丈夫。時間が経てば戻るから」
嘘なのに。時間が経っても戻らない。
簡単には埋められない溝が、隼人との間に生まれてしまった。
隼人には、有栖との浮気の疑いもある。
「そっか。穂乃果は頑張り屋さんだから。無理するなよ。今こうやって俺と和解したんだから、いつでも頼って」
ああ、今の私には酷な言葉だ。
そんなことを言われたら、玲央にすべてをぶつけてしまいたい。
きっと玲央なら受けとめてくれるって思うから。でもそれじゃあダメだ。
「ありがとう。心強いよ」
玲央が女の子だったらいいのに。
その時、玲央のスマホが鳴った。玲央はそのままにしておくつもりみたいだったけれど、ずっと鳴り続けている。
「私は大丈夫だから。電話出て?」
「わかった」
はぁと玲央は息を吐き
「もしもし?」
少し低く、不機嫌そうな声で私のとなりに座りながら電話に出た。
「はい」
玲央が返事をすると
<あ、玲央くん!やっと電話に出てくれた!>
遠くに聞こえるこの声、聞き覚えがある。
有栖の声に似ている。
有栖は気に入った男の人の前では、少し高い声をする。甘えるような女の子らしい声。
そしてテンションが高い時は声量が大きいから、すぐにわかる。
「どうしたの?」
<今度、いつ会えるのかなって思って?>
やっぱり有栖だ。
今の声で確実にわかった。
いつ会えるって、そういえばあの時、私のせいでデートをする約束をしていた気がする。