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「失礼します」青竹殿が神水を持って、儂と紫の前に置いた。
「では、失礼します」座礼をし静かに襖を閉めた。
湯呑みにはいった神水を口に含んだ。冷たく優しい味だ、ほんのりとだが微かに梅の香りがする。
内側から穢れを浄化してくれているようだ。
「なんとも美味しい神水!」
「そらぁ〜、よかったわ。
よし、じゃあ。波羅蜜殿と紫はあっちの床の間で着替えてきてくれ、服は用意してあるから
まぁ、和服やけど」
「…チッ、なんで成千の言うこと聞かなきゃいけないんだよ」独り言のようにブツブツ言いながらも、床の間に行った。
儂も紫の後を追っていった。
着替えが終わり神殿に入った。
「お〜お!!ええやん。よう似合っとるよ」
「ありがとうございます」儂は、市松の鉄紺の着物に色無の緑の羽織だ。
紫は濃紺の着物に幾何学模様(きかがくもよう)に花柄の裏地の羽織で、なんとも華やかな着物だ。
「紫も、よぉ〜似合っておるよ」
優しい声で成千神が紫に言うも「…死神が花って..
似合わねぇーだろ。」眉間に皺寄せぶっきらぼうに言った。
「そんなことないで」紫の近くまでいき。
無愛想に顔を顰め「なに?」「ほら、眉間に皺寄せるなや、せっかく綺麗な顔しとるんやから」成千神が紫の頬に触れようとすると、
バシン。
おもいっきり成千神の手を弾き「うっざ。近寄んな。触んな成千」
「こら、紫!!様をつけろ」
「ハハハッ!!ええよ、ええよ波羅蜜殿。
ほなじゃあ、行こうか」
成千神の神殿を出て神輿に乗った。