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(RYUKI視点)
午後の講義は、とにかく眠気との戦いだ。
「……っ、リュウキ、…リュウキっ。」
「……んぁ、?」
「寝ないでよ、ハヤトまで目つけられるじゃんっ、」
「……ん、わかっとうって、」
横からトムがトントンと肩を叩いてきて、小声でそう伝えてきた。
わかっとう、と言いつつも、瞼が自然と落ちていくのに抗えないでいると、ブブッ、とスマホが振動して、こっそり机の下で画面を確認した。
『タクト:ちゃんと講義頑張ってる?笑』
「っ、!」
先輩からのラインの通知が目に入った瞬間、眠気がどこかへ飛んでいき、口角が上がっていく。
ブブッ、とまたスマホが震えて、通知が表示された。
『タクト:用事早く終わったから、朝会ったところで待ってるね』
「……っ、、/」
嬉しくて声が出そうになったのを必死に抑えつつも、隣にいるトムの服をグイッと引っ張った。
「っ、?なにっ?」
「っ……これ、見て、」
「え?」
トムの目線が下に下がり、通知を見た瞬間俺と同じく口角が上がっていく。
「…っ、/ よかったじゃん…っ、、」
「やばい激アツ、、」
「先輩に会えるんだから、講義頑張りなよ?笑」
「……抜けたらだめ?」
「だめ。笑」
逸る気持ちを抑えながらも、目線は前ではなく窓の外に行っていた。
***
「……あっ、お疲れさま。」
講義が終わって一目散に先輩の元へ向かい、後ろ姿が見えてドキドキしながら声を掛けると、振り向いてニコッと笑いかけながらそう言ってくれた。
……やばい、まじで疲れ吹っ飛んだ。
「まじで来てくれたんすね…っ、」
「だって約束したでしょ?笑」
「っ…ありがとうございます、嬉しいっす…、」
「ふふっ。…もう今日は全部終わり?」
「え?……っ、あ!!」
「っ、!…ん、?」
やっっっっべ……!!
もう一個、講義あるんやった……、、、
浮かれすぎて、忘れとった…最悪や……せっかく、会いに来てくれたのに。
「……もう一個、講義あったの忘れとった…」
「え?そうなの?」
う……嫌や、
先輩と、もっと一緒におりたい、、
「……サボりたい、」
心の声がつい、ボソッと表に出てしまった。
「……サボっちゃう、?」
「…っ、え、?」
「……どうする?笑」
俺を少し煽るように笑って、判断を委ねてくる。
っ……そんなん、言われたら、、っ、
「……っ、うん、」
「ふふっ、悪い子だね。笑」
「っ、/…先輩が煽るけん…っ、!」
「だって泣きそうな顔するから。笑」
「そんな顔しとらん……っ、/」
「まぁ、俺もせっかく来たし。…ちょっと遊ぶか。」
「遊ぶ、?」
「うん。…おいで?」
「っ、え、!/」
先輩が俺の腕を掴んで、引っ張って大学の外に出る。
停車している車の前に連れて行かれると、助手席のドアを開けて、乗って。と言われ、言われるがままに中に乗り込んだ。
先輩が運転席に乗り込むと、俺の方を見て口を開く。
「……もっかいだけ聞くけど、本当に連れてっちゃっていいの?笑」
「っ……い、いいっす…、/」
「ふふっ。言ったのリュウキだからね。」
「!……っ、/え、なまえ、っ、」
「……あ。呼び捨てにしちゃった。笑」
「っ、///!」
っ……もっ、なんなんこの人……っ、、?!?!
沼や。沼すぎるって、、!!!
やばい、顔、あっつい…。
「嫌だった、?」
「っ、嫌なわけないっす…/」
「そう?ふふ。笑」
微笑んだ後、なら行こっか?とサラッと車を走らせた。
ああ、先輩って、めっちゃモテるんやろうな……
そんな事を考えながら、ちょっと不安になったりした。
***
車が海沿いを走り抜けて、外を眺めると海がキラキラと光輝いている。
緊張していて外に目線を向けていると、それを察したのか先輩が話を振ってくれた。
「どこ行きたい?」
「…ど、どこでも大丈夫っす!」
「リュウキは普段どこで遊んでんの?」
「えぇ〜…どこやろ、ゲーセンとか?」
「ゲーセン?子供やな。笑」
「えぇ〜…っ?じゃあ、先輩はどこで遊んどん!」
「……ねぇ、」
「えっ?」
「いつ名前呼んでくれるの?笑」
「っ……え、/」
信号が赤になって、車が止まる。
その瞬間に、俺を見つめて、そう聞いてきた。
確かに、”先輩”って呼んでいて、名前を呼んだことがなかったことに気付く。
でも、なんか、改めて言われると途端に恥ずかしくなってくる。
「っ……、えっ、と、/」
「リュウキ?笑」
「……っ、/…じゃ、じゃあ、…たくと、さん、?」
「なんか年齢差感じんな。”くん”にしてよ。笑」
「えっ…、じゃあ、タクトくん、?」
「たっくんでいいよ。みんなそう呼んでるから。」
「たっ、たっくんっ、?!//」
「うん。なに?笑」
「っ…//……い、いいの、?」
「いいよ。そっちの方が仲良くなれるでしょ?」
「……っ、は、はい、/」
「ふふ。…いいよ、敬語も。」
「えっ、まじ?」
「……なんならたまに使えてねぇし。笑」
「えっ?!ごめんなさい!」
「いいって。いちいち可愛いな。笑」
どんどん距離を詰めてくれることに、いちいちドキドキしてしまう。
たっくん、は、6個も上なのに年の差を感じなくて、優しくて、柔らかくて、でもたまにちょっといじわるで、知れば知るほど、魅力的に見えてくる。
「……じゃあ、行こっか。」
「えっ、どこに?」
「ゲーセン?笑」
「っ、子供って言っとったやん!」
「いいじゃん。たまには大人も子供になりたいの。」
「俺も大人やしっ、!」
「ふふっ。はいはい。笑」
俺の言葉を笑って流しながら、また車を走らせた。
***
「久しぶりに来た、ゲーセン。笑」
たっくんがそう言いながら、キョロキョロと店内を見て回っている。
そんなたっくんを見ながらも、クレーンゲームに目が行く。
「あ、ねぇ、あれやろーよ!」
「ん?やりたいの?」
「うん!」
「ふっ。笑 いーよ?」
「……子供って思ったやろ?」
「うん。」
「…じゃあ、絶対楽しいって言わせるけん。」
「えっ?あ、おいっ、!」
なんだか悔しくて、たっくんの手を引っ張るとクレーンゲームの前に連れていく。
お金を入れると、たっくんを前に立たせた。
「はい。やって。」
「え?俺が?」
「うん。指示するけん、動かして!」
「…っ、ふふ。わかった。」
よっしゃ、絶対楽しいって言わせたる。
クレーンゲームの横に回り、たっくんの操作を指示し始める。
「もうちょい右!」
「おっけー?」
「もうちょい!あ!そこ!!」
「…ほんまに?」
「まじ!降ろして!」
たっくんが俺の指示でアームを降ろすと、一度は持ち上がったもののすぐに落ちてしまった。
「あっ!!おいなんでや!!惜し〜!!」
「取れんやん(笑)」
「っ、ちょ、変わって!」
「本気すぎだろ(笑)」
「ええけん!見とけよ!」
「ふふっ…(笑)はいはいっ、?」
たっくんと場所を替わり、次はたっくんが指示をすることになった。
「ん〜、左かな」
「左?」
「もうちょい。あ、そこ。降ろして。」
「え〜?絶対無理やん!」
「おい指示に従えよ(笑)」
「1回だけね〜。」
「急に生意気だな?笑」
たっくんが言う通りにアームを降ろすと、あれよあれよという間に商品が運ばれて行き、ガコンッ、と穴の中へ入っていった。
「っ!!ほら見ろ!!よっしゃ!!」
「!?……っ、ぶ、はははっ、!!めっちゃ喜んどうやん!!笑」
商品が取れた瞬間、今まで聞いたことのなかった大きい声でたっくんがそう言ってガッツポーズをした。
今まで余裕のある大人だったたっくんが、急に子供みたいに喜ぶその姿が軽く衝撃で、可愛らしくて思わず爆笑してしまった。
「っ、/うるさいな!嬉しいだろ!笑」
「ふはは、、っ、(笑)ほら、楽しいやろ!?」
「…っ、/うん、楽しい。」
「っ…、かわいい、たっくん。笑」
「………あ、初めて名前呼んだ。」
「!//え?…っ、い、いいんやろ、?/」
「うん。これ取れたことより嬉しい。笑」
「っ……、//」
なんだか急に、大きい声を出したり、楽しいって素直に言ったり、嬉しいって感情を出したりしてくれたたっくんが子供っぽくて可愛くて、いつもとのギャップに胸がきゅんとした。
あ〜、楽しいな…
ふわふわそんな事を考えていると、スマホが振動して、確認するとトムからの電話だった。
「あ、ちょっとごめん…!」
「うん、」
そう言って、少し離れてトムからの電話に出た。
「もしもし?トム?」
「あっ、リュウキ?ねぇ今日までの課題もう出した?」
「え?」
「え?って。……え?!まさか忘れてないよね?!」
「……今日やっけ、?」
「今日だよ!!ちょ、なにやってんのもう〜!」
「やっべ…!!…っ、ありがと!!」
電話を切って、冷や汗をかきながらたっくんの元へ戻った。
「た、たっくん、」
「ん?」
「………ご、ごめん…課題忘れとった…だ、大学連れてって、、、」
「なにやってんだよ(笑)急ぐぞ?」
余韻に浸ったのも束の間、足早に車へと向かった。
***
車に乗って、再び大学へと向かう。
「まじでごめん……」
「いいよ、まぁ俺が唆したし。」
「…でも、ちょっとやったけど、楽しかった、」
「っ、…うん、俺も。久しぶりにあんな声出したかも。笑」
さっきの事を思い出したのか、ふふっ、と楽しそうに笑うたっくん。
「たっくんも子供やったやん。笑」
「まぁ、たまにはいいな、こういうのも。」
「てか、この取れたやつ、貰っていいと?」
「いーよ。てかそれなに?笑」
「え、わからん。笑」
クレーンゲームをしたかっただけで、適当に選んだその商品は、動物なのかなんなのか、よく分からない謎のキャラクターのキーホルダーだった。
「あんま可愛くないよね(笑)」
「いや全然可愛くないけん(笑)」
「ぶっ、言い過ぎだろ」
「さすがに言ってええやろ」
「っ、ふ、ふふっ、、!笑」
「ふっ、ははっ、!笑」
同じタイミングでツボに入って、涙が出そうなほど2人で笑い合った。
指で涙を拭きながら笑うたっくんが、楽しそうで、愛おしくなる。
たっくんといると、楽しい。
ドキドキする。
大学に、戻りたくない。
……ああ、…やば、好きやん。
たっくんが、好きだ。
「ほら、着いたよ。おサボりさん。笑」
気が付くと大学に着いていて、たっくんがそう揶揄ってくる。
「たっくんが誘ったんやろ…っ、?」
「うん、まぁ。ごめんね?…俺、悪い大人だから。笑」
そう言って、頭をポンポンと叩いてくる。
あー、ずるい。
もっと、好きになるやん。
「っ…、ねぇ、また会ってくれる、?」
「うん、もちろん。」
「じゃあ、…」
「まって。……そこまで送る。」
そう言って、一緒に車を降りて大学の中に入っていく。
構内を歩いていくと、今日が締切の課題を出してきた当本人の先生を見かけて焦る。
「やべっ…」
「ん?」
「あ、課題の先生おって…」
「……、っ、」
「……?たっくん、?」
たっくんが急に固まって、不思議に思っていると、ふいに先生がこっちを向いた。
うわっ!と目を逸らそうとするも、先生の目線はたっくんの方に向いていて、隣を見ると、やっぱりたっくんと目が合っているようだった。
先生がペコっとお辞儀をして、一息置いて、たっくんがペコっとお辞儀を返すと先生は去っていった。
「…たっくん、あの先生と仲良いと、?」
「………リュウキ、またね。課題頑張って。」
「…え、?あ、たっくん…っ、?」
またねと、それだけ言い残して、そのままばつが悪いようにたっくんは帰っていき、余韻に浸っていた心の中に少しだけモヤモヤが広がっていた。
コメント
6件
ほんまに毎回作品最高です!! 続き楽しみにしてます💕💕

ほんとにこの作品が大好きです! このままどうなるのか考えたら夜も眠れません!! 続きを楽しみに生きてます🍀*゜
まさかまさか!エイキ先生だったりしますか?!!タクリュキエイの三角関係だったりしますか、??! 2話連続投稿嬉しいです!!海の家組と大学組は今後絡んでくるのかも楽しみです!!🥰