テラーノベル
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どのくらい時間が経ったんだろう
もう夜が明けてしまう
夕方には帰るって言ったのに‥‥
なんだか胸騒ぎを覚え、私は彼を探しに家を飛び出た
家の周辺
林の中
森の奥
どこにもいない
どこに行ったんだろう
ここの近くに顔見知りは居ても彼の知り合いなんていないはず
彼が私の住むこの村に来てから数年が経つ
私はもともとこの村で変わり者と言われ、村人がなかなか近寄らなかった
交流が全く無いことはないけれど
そんな小さな村で彼が帰ってこない
自分の用事を済ませてくると言って‥‥
こんな事一度も無かった
だからなのか、この胸騒ぎは‥‥
息があがる
喉からは少し血の味がした
上げるのが重くなった脚を無理矢理前に進める
でももう歩けそうに無い
そう思い始めた時、目の前に湖が広がった
そう言えば小さい頃はたまにここで魔導書を読んでたっけな
今は誰も来なくなったせいか、草も伸び放題だ
その草むらの中
一部不自然に草が倒れている場所があった
俺はどうしてもそこが気になり、立ち止まった脚をそこに進めた
辺りは少し群青色に染まり始める
日の出まであと少し
その明るさでもわかる
黒いコート
これは‥‥‥‥
「ロウ君!!」
疲れていた事も忘れて駆け寄った
そこには背中を上にして倒れているロウ君がいた
その身体を手で抱える
「ロ‥‥ロウ君‥‥‥‥」
嫌でも分かった
でも分かりたくない
そんな事許されない
仰向けにロウ君を抱えると、コートの中のジレがグレーから赤黒い色に変わっている
そしてロウ君の顔色はまるで今の空の色の様に青白かった
「ロウ君‥‥ねぇ‥‥ロウ君!」
もちろん返事はない
何度呼びかけても応えることは無い
「おうち帰ろ?‥‥‥‥ロウ君‥‥」
綺麗な顔はその瞼を開かない
「嘘‥‥‥‥嘘だ‥‥‥‥なんで?」
冷たい身体はもう動かない
どれだけ前からこんなに冷たくなってたの?
嫌だ‥‥
嫌だよ‥‥‥‥
握り返されることのない手をギュッと握る
その手でまた私を抱きしめてよ‥‥
血の付いたロウ君の頬に私から溢れた涙が落ちる
夢であって欲しい
そう願ってもこれが現実だ
朝日が登り、オレンジの光が2人を照らした
日が差しても冷たいままのロウ君
「ロウ君‥‥やだ‥‥ロウ君‥‥置いていかないで」
ロウ君の身体を抱き抱えて立つ
「そうだ‥‥‥‥待っててロウ君」
私の愛する人‥‥
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コメント
4件
続き楽しみです!時魔道士、頑張れ!死ぬな!一緒になんて考えないで
!? こんな始まり方初めてかも...vtaで同期だったからか仲良くて好き!ミラン何するんだろう...続き待ってます!