テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
スタートーー❗️
海底神殿から脱出した美月たちは、無事にブルー・レガシー号へ戻ってきた。
しかし、船内の空気は重かった。
美月のカメラに現れた一枚の写真。
そこに記されていた言葉――
『海の記憶は、最後の島へ。』
その「最後の島」がどこなのか。
まだ誰にも分からない。
⸻
「この島……存在しない?」
船の資料室。
神崎蒼介は、古い海図と現在の航海図を並べていた。
美月、蒼真蓮、朝霧透も、その周囲に集まっている。
「写真に写っていた地形と一致する場所を探した。」
神崎は地図の一点を指差した。
「ここだ。」
しかし、そこには島の名前が書かれていない。
蓮が眉をひそめる。
「何もないぞ?」
「現在の海図にはな。」
神崎は古い海図を取り出す。
そこには、かすかに島の形が描かれていた。
「昔は、この場所に島が存在していた。」
美月が尋ねる。
「じゃあ、今は?」
神崎は静かに答えた。
「海に沈んだ。」
⸻
「それでも、島はある」
透が写真を拡大する。
「待ってくれ。」
写真の奥に、小さな灯台のような建物が写っている。
「この建物……今も存在するかもしれない。」
蓮が驚く。
「沈んだ島に?」
「島そのものが沈んだとは限らない。」
透は写真を指差す。
「この島は、潮位によって姿を現す可能性がある。」
美月の目が輝く。
「じゃあ、見つけられる!」
神崎はうなずく。
「ただし、島が現れる時間は限られている。」
「次のチャンスは――今夜だ。」
⸻
最後の島へ
夜。
ブルー・レガシー号は、目的地へ向けて進んでいた。
甲板に出た美月は、暗い海を見つめる。
蓮が隣に立つ。
「怖くないのか?」
「ちょっとだけ。」
美月はカメラを握る。
「でも、ここまで来たんだもの。」
「最後まで確かめたい。」
蓮は微笑む。
「そうだな。」
その時――
前方に、何かが見えた。
「島だ!」
乗組員の声が響く。
暗闇の中から、巨大な岩山が姿を現していた。
その頂上には――
古い灯台。
⸻
島に残された記録
小型ボートで島へ上陸する。
美月たちは灯台へ向かう。
内部には、古びた機械と大量の記録が残されていた。
神崎が一冊の本を手に取る。
「これは……古代文明の記録だ。」
ページを開く。
そこには、蒼海のレガシーについて書かれていた。
『蒼海のレガシーとは、宝ではない。』
美月が続きに目を向ける。
『それは、海に生きた人々の記憶そのものである。』
「宝物じゃ……なかったの?」
美月がつぶやく。
透が首を横に振る。
「最初から誰かが間違えて伝えたんだ。」
⸻
倉橋俊介の名前
その時。
美月は壁に刻まれた文字を見つけた。
そこには、現代の文字で一つの名前が刻まれていた。
倉橋俊介
美月は言葉を失う。
「……どうして?」
神崎も驚いている。
「まさか……。」
その横には、短い文章が残されていた。
『この記憶を守るため、次の世代へ託す。』
美月の目に涙が浮かぶ。
「倉橋さんは……ここまで来てたんだ。」
⸻
黒い潜水艇
その瞬間。
外からエンジン音が響いた。
ゴォォォ……!
透が窓の外を見る。
「来たぞ。」
海上に、複数の黒い潜水艇が浮かんでいる。
その中心に立つ人物。
黒崎レオン。
「ついに見つけた。」
美月たちは身構える。
レオンは島を見上げる。
「その記録を渡してもらおう。」
蓮が前に出る。
「断る。」
レオンは静かに笑う。
「ならば、力ずくで手に入れる。」
⸻
最後のメッセージ
美月は灯台の奥にある装置を見つけた。
その中央には、カメラのような装置。
「これ……。」
美月がカメラを近づける。
すると装置が反応する。
青い光が灯り、壁いっぱいに映像が浮かび上がった。
そこに映ったのは――
倉橋俊介だった。
美月は息をのむ。
『もし、この映像を美月が見ているなら……』
美月の目から涙がこぼれる。
『君は、ここまで来たんだね。』
『この先にあるものを、誰かの欲望のために使わせてはいけない。』
『海の記憶を守るのは、宝を守ることじゃない。』
倉橋は穏やかに微笑む。
『そこに生きた人々の想いを、未来へつなぐことなんだ。』
映像が消える。
美月はカメラを胸に抱きしめた。
「……分かった。」
「私が守る。」
⸻
突然、島全体が大きく揺れた。
神崎が叫ぶ。
「潮が変わった!」
「島が沈み始める!」
レオンの部下たちも動揺する。
美月たちは急いで灯台を出る。
その背後で、古代の島が再び海へ沈み始めていた。
しかし、美月のカメラには――
最後の記録が保存されていた。
⸻
――第10章 完――
次章予告
第11章「蒼海の決戦」
最後の島を舞台に、レオンとの対決が始まる。
蒼海のレガシーを巡り、美月たちは最後の戦いへ。
そして、海底に眠る本当の「レガシー」が姿を現す。
「これが……蒼海のレガシー……!」
次回、物語はクライマックスへ――。
いぬ🐶
234
コメント
3件
うわあ…第10章、読み終わったよ…。最後の島、本当に存在したんだね。倉橋さんのメッセージ、「宝じゃなくて、人々の想いを未来へつなぐこと」って言葉が胸に刺さった。美月が「私が守る」って決意したところ、泣きそうになったよ。灯台から島ごと沈む緊張感もすごくて、次の章(第11章)が気になりすぎる…! レオンとの対決、どうなるんだろう。最後まで応援してるよ📸✨