「ねぇ…もし、僕が死んだら、仁王はどうする?」
「そうじゃのぅ、すぐに後を追いかけるか、お前さんが殺されたなら殺したやつを殺してから後を追いかけるぜよ」
「そんなことしたらだめだよ、絶対に」
最近雪斗が肌を隠すようになった。理由を聞いたが教えてくれず。
「日焼け防止かな」
といつもはぐらかされてしまう。
しばらく経って、雪斗の家に遊びに行くことになった。
「なぁ、雪斗。なんで肌隠してるんじゃ?教えてほしいぜよ。」
「………」
何も雪斗は喋らなかった。
「誰にも…言わない…?」
「もちろんじゃき」
雪斗は袖をまくった。
「…!」
「僕ね…宝石病になっちゃったんだ…」
「なんで早く言わなかったんじゃ!」
「……ごめん…」
「いつからなったんじゃ」
「2週間前くらい…」
「もっと早く言えば治療法も見つかったじゃろ!」
怒ってしまった。
「……ごめん……」
俺は頭を冷やしに雪斗の家を出た
しばらく経って
雪斗の家に戻ると雪斗がいなかった。
「おい!どこじゃ!」
家の中を探すがいない。
家の周りを探してもいない。
「まぁ…夜になったら帰ってくるじゃろ」
俺は家に帰ってしまった。
次の日、雪斗は学校に来なかった。
心配になり、雪斗の家に行くが、雪斗がいない。
連絡もつかない。
俺は心当たりのある場所を必死に探したが、どこにもいなかった。
何ヶ月も経った。
俺は毎日雪斗を探していた。
雪斗から連絡が来た。
「仁王、心配かけてごめんね。」
「どこにいるんじゃ!?」
「それは…言えないな」
「俺は…雪斗に会いたいんじゃ…」
「…どこかの森の湖のほとりで、気長に待ってるよ…」
俺はすぐでかけた
ずっと探していた
「雪斗!」
雪斗はこっちを向いて微笑んだ
「仁王…」
雪斗は首から下が宝石になっていて、頬も少し宝石になっていた。
「なんでこんなになるまでほっておいたんじゃ」
「仁王がね、僕の家を出ていったあと、僕も、でかけたんだ。でもね、そのせいで悪化して、ここで歩けなくなっちゃって。電波も届かなくて。連絡がしようにもできなかった。ほんとに…ごめん…」
「もう、謝らなくていいぜよ。俺も悪かった。すまん。」
優しく雪斗のことを抱きしめる
「僕ね、仁王に嫌われるのが、酷く怖かったんだ」
「嫌いになんて絶対にならん。」
雪斗は驚いた表情をしつつ大粒の涙をこぼす
「僕が、宝石になったら、ここに置いて行ってもいいし、売ってもいいから、仁王には、幸せになって欲しいな。」
「俺は持って帰ってずっと一緒にいるぜよ」
雪斗はまた泣き始める
「ほんとは、死ぬの、怖いよぉ。もっとデートだって、行きたかった、たくさんいちゃいちゃしたかったぁ」
雪斗はわんわん泣いていた。
宝石化も進む
右半分が宝石になった。
「話せなくなるまで、僕の話聞いてほしいな」
前にあった楽しかったことや、仁王にされて嬉しかったこと。それから、もっとたくさんしたかったことなど、沢山話した。
「仁王最後に……今までありがとう…こんな僕を好きって言ってくれて。僕も、大好き。僕は、いつまでも仁王の味方だよ。」
言い切ると雪斗は宝石になってしまった。
俺はそれを抱きしめて静かに泣いた。
家に雪斗を持ち帰る。
ベッドに座らせた。
何ヶ月も経って、俺はかなり精神をやられていた。
ふと、宝石になった雪斗の膝に寝転ぶ
頭を撫でられた感覚がした。
「大丈夫、無理しなくていいんだよ。仁王は無理しすぎてる。たまにはゆっくりして。」
俺はその言葉を聞いて沢山泣いた。
「大丈夫、僕と仁王しか、いないから。」
俺はそのまま寝落ちしてしまった。
「僕はいつまでも、仁王の味方だよ。」
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