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触ると、スイッチ入ってしまうんだなーꉂ🤭💞
アカリン、ツボ押し大失敗ꉂꉂ🤣𐤔𐤔 逆に性欲炸裂ツボ押したね.(≖ᴗ≖๑)ʊʊʊ♡
「はー、濃厚な一日でしたね」
三田のマンションに帰ったあと、着替えてメイクを落とした私は、ソファに寝転んでゴロゴロする。
ラフな格好になった尊さんはソファの上で胡座をかき、しばらく黙って水を飲んでいた。
そのあと立ちあがると、カウチソファの上に寝転んでいる私を姫抱っこし、座った膝の上に私をのせた。
「ん……」
頭を撫でられたかと思うと優しいキスをされ、私はスリスリと彼に顔をすり寄せる。
「本当にありがとうな。今日一日で、色んな事が変わった。こんなに『良かった』と思えた事はない」
「私だけの手柄じゃありません。ちえりさんや小牧さん、弥生さん、皆さんのお陰ですよ」
「ん……」
尊さんは大切そうに私を抱き締め、時々頬ずりをし、慈しむようにキスをしてくる。
「……こんな俺を想ってくれる人が、まだいたんだな」
私は彼の言葉に涙ぐんでしまい、チュッチュッとキスをした。
「皆、あなたを愛していますよ。尊さんも皆を、世界を愛していいんです」
そしてそっと尊さんの胸板に手を這わせた。
「この胸の奥には、まだやりきれない想いや怒り、憎しみ、悲しみがあると思います。でも、私たちは今行動する事で未来の自分を作っていけます。きっと、未来の自分を幸せにするのも、不幸にするのも、今の自分次第だと思うんです」
十四歳の時に〝忍〟に助けられず、彼に言葉をかけられなかったら、私は生きていなかったと思う。
途中で心変わりしたとしても、グレたかもしれないし、父を喪った寂しさを誤魔化すために、男の人を求めた可能性もある。
一番つらい時に〝忍〟が感情を受け止め、進むべき方向を教えてくれたから今の私がいる。
私も尊さんもそれぞれ別の事で傷付いているけれど、彼が弱っている時は私が励ましたいと強く思っていた。
「尊さんが負った傷の痛みは、きっとあなたに一生付きまとうでしょう。怜香さんを恨む気持ちだって、二十年、三十年経っても変わらないかもしれない。……でも、私は尊さんの側にいて、あなたを愛し続けます。『楽しい』『生きていて良かった』って何回も思わせてあげます! プラスの感情をどんどん上乗せして、ネガティブな感情を薄められるよう努力します」
グッと両手の拳を握ると、彼は泣きそうな顔で笑った。
「きっと速水家の皆さんも同じです。百合さんが『今まで何もできなかった』と仰っていたように、他の皆さんも尊さんに何かしたくて堪らないはずです。大人になってから初めて関わった親族だから、まだまだ遠慮があると思うし、甘えきれないと思います。でも皆さんの好意をどんどん受け取って、一緒に思い出を作っていきましょうよ。幸せになるためには、誰かに甘える事も必要なんです」
私は一生懸命訴えつつ、「自分にも当てはまる言葉だな」と思っていた。
ずっと殻に籠もっていたけれど、尊さんに出会ってから彼を頼るようになって、生きやすさを感じている。
まだ「自分一人でやらないと」という思いはあるけれど、尊さんに背中を預けてもいいという安堵感を得ていた。
――大丈夫。
――あなたには私がいるし、速水家の皆さんもいる。
「尊さんは幸せになれますよ」
彼の頬を両手で包んで微笑みかけると、尊さんは愛しげに笑った。
「……お前は最高の女だな」
尊さんは切なげに目を細め、大切そうに私の髪を撫でてくる。
「尊さんには絶対に幸せになってほしいですから。全力で応援団しますよ」
「チアリーダーやってくれる?」
「ん? コスプレ希望ですか? 攻めますね~」
ニヤリと笑ってみせると、尊さんもニヤリと笑う。
「朱里がポンポン持ってミニスカ穿いたら、どんだけでも頑張れるな」
「やだ、何を頑張るんですか」
「まだなんも言ってねーよ。このスケベ」
「スケベはどっちですか。このこのこのこのこの!」
私は両手の人差し指で、トトトトト……と尊さんの胸板を突く。
そしてフッ……と人差し指の先を吹き、ドヤ顔をする。
「スケベが収まるツボを突きました。もうスケベはできませんから、ご安心を」
「なぁ、スケベしようや」
そこで尊さんがネットミームを持ち出し、私は「ひひひひひ」と笑い崩れる。