〜少しお喋り〜
名前とタグを少しずつ変えてるんですけど…面倒くさいですね((
いや、まぁ削除せず改善…がどうとか言っちゃったもんですから、ちゃんとやらないとなーって…?
面倒くさいよりも過去作の書き方の下手さと、ストーリーの黒歴史感(?)が凄すぎて、嫌になってきますね
と言うことで気分転換に初ノベルの物語書いていきまーす!
めっちゃ長いので暇な時にでも読んでくださいね
右上には12,409文字と書いてありますので…()
【主な登場人物】
赤…紅赤(くれあ)
黄…黄唄(こはる)
青…青波(あおは)
桃…桃瀬(ももせ)
紫…紫呉(しぐれ)
橙…橙羽(とわ)→小児科医
橙空(とあ)→精神科医(小児)
橙羽と橙空は双子です
誤字たくさんあるかもです
きょうだいじ児…
病気や障害を持つ子の兄弟のことをきょうだい児と呼ぶ
桃瀬side〉
〔黄唄くんの病院行ってくるからこのご飯温めて食べといてね 紅赤〕
桃「はぁ…」
とため息をついてから置き手紙をゴミ箱に捨て、ご飯を温め始める
無駄に広い家の中にはレンジの音だけがなっている
何も考えずに温め終わるのを待っているとスマホが着信音と共に光る
[ごめん、雨降るらしいから洗濯物取り込んで置いてくれる?]
紫呉。と書かれたトーク画面
既読無視をしてベランダへ出る
桃「ほんとに雨降るのか…?」
今の空は曇っているが、凄く明るい
雨が降るとは思えない空だ
取り込んでいる途中でレンジの音がなる
桃「面倒くせ…」
と言いながらも洗濯物を手に持ち家の中を歩く
洗濯物を置き、戻ってきた頃にはご飯は生ぬるくなっていた
もう一度温め直し、温め終わるのを待つ
暇つぶし程度に写真フォルダを眺める
ピロン
△△中学校3年2組と書かれたクラスLINEが動き出す
暇だからタップし内容を読む
[カラオケなう!超楽しい!]
というクラスの女子からの文字に続いて写真が送られてくる
男女共に同じくらいの人数…みんな笑顔だ
桃「カラオケ…か……」
俺はもう一度写真フォルダに戻り、
【〇〇中学校】
という文字をタップする
そこには
転校する前の学校での友達と俺が写ってる写真がたくさん入っていた
カラオケ、体育祭、部活…様々な思い出の写真
見れば見るほど虚しくなってくるため画面を真っ暗にし、ご飯を食べ始めた
紫呉side〉
紫「青ちゃんおはよー」
青「紫ーくっ!おはよ!」
紫「ふふっ元気だねー!」
青「うん!青波、元気!」
元気で良かった
青ちゃんの元気な姿をみて安心する
青ちゃんは小児がんで入院している
前に住んでた〇〇市の病院では病名がはっきりとせず、友達の橙羽くんが居る△△市の大学病院に来た
病名が出たついでに発達障害気味という事も言われた
グレーゾーンすぎてはっきりと発達障害とは言えないが傾向はあるという
成長するに連れて軽くなったら普通級でも問題はないらしいが、酷くなるようなら支援級をおすすめすると
まぁ、クラス以前に学校に行けるという保証はどこにもない
小学生になるまでに病気が治るかどうか…
母は青ちゃんを産む時に他界、父は仕事が忙しかったため俺達だけで△△市に引っ越してきた
最初は桃瀬くんだけ残るという案もあったが青ちゃんと黄唄くんが一緒に居たいと言い、一緒に引っ越した
しかし、そこでも問題が起こってしまった
黄唄くんが転校先の学校でいじめられたらしい
原因は黄唄くんからは話してくれなかったため、先生に聞きに行った
すると、原因は青ちゃんのことだったらしい
弟が病院にいる。それをあまり理解できないクラスメイトは病気がうつると捉えたらしい
黄唄くんがどれだけ違うと言った所で1度解釈した誤解は解けなかった…
それで黄唄くんは不登校になってしまった
黄唄くんは相談をせずに溜め込んでたため、精神障害になっていた
知らない所で自傷もしてたらしく……
青「紫ーくっ!!」
紫「ん?」
青「ぼーっとしてどうしたの??」
可愛い顔でのぞき込んでくる
紫「ううん、何でもないよ」
青「そー?」
青「ねぇねぇ!青波ね、お絵かきしたの!」
紫「どれー?」
青「これ!僕の兄弟!!」
そこには兄弟5人が笑っている絵だった
紫「おぉー!上手だね!」
青「でしょー?」
にこにこした青ちゃんとは裏腹に俺は
こんな風に5人で笑えたらな…
なんて思う
紅赤side〉
桃瀬くんに置き手紙を書き、黄唄くんに声をかける
赤「黄ちゃーん、病院行くよー」
黄「ん……」
今日は4,5日に1回程度の通院日
最初は乗り気ではないが…
赤「終わったら青ちゃんに会いに行こうね!」
と言うと目を輝かせて
黄「うん!」
と返事をする
青ちゃんには2日に1回ほど、いや、最近ではほぼ毎日会いに行っているが
黄唄くんにとっては特別な日という感覚らしい
待合室〉
紅赤side〉
いじめが原因で不登校になった事を橙羽くんに言ったところ、
同じ病院内に児童精神科があり、そこには橙羽くんの双子である橙空くんがいるらしく
紹介してもらった
橙空くんによると
最近は学校の事や青ちゃんの事も少しずつ話してくれるようになったらしい
ただ、自傷行為は減ってないらしい…
黄「紅赤にぃ……」
赤「んー?」
黄「紅赤にぃは…僕が話した内容って聞いてるんですか…?」
赤「あんま聞いてないかなー」
赤「聞いてほしい?」
黄「あんまり…知ってほしくないです……」
赤「そっか、じゃあこれからも聞かないでおくね」
黄「コクッ…」
ほんとは全部聞いてる
黄ちゃんが話したいじめの内容もいじめられた時の気持ちも
黄ちゃんがここで話した内容は全部聞いてる
でも、知って欲しくないみたいだから今は知らないふり
「黄唄さーん、どうぞ〜」
赤「行ける?」
黄「大丈夫です…」
カウンセリング室〉
黄唄side〉
いつもの見慣れた先生なのに、最初は少し怖い…
黄唄「ペコッ…」
橙空「こんにちはニコッ」
橙空「今日は何の話したいとかある?」
ある…
でも……
紅赤にぃが聞いてない…なら
言っても……
黄唄「青ちゃんに…」
橙空「うんうん」
黄唄「青ちゃんに…僕がここに来てること……言った方がいいんですかね…?」
橙空「黄唄くんは言いたい?」
黄唄「言いたくは…ない……」
橙空「じゃあ言わなくてもいいんじゃないかな?」
僕が黙ると質問形式に変わる…
自分で言うよりも気持ちが楽に言える……
橙空「どうしてそう思った?」
黄唄「嘘つき…悪い子……言われてた……」
橙空「学校で…かな?」
黄唄「コクッ…グスッ」
橙空「そっか…」
撫でてくれる手は暖かくて…
学校…という苦しい場所での思い出から遠ざけてくれるような…
不思議な気持ち……
橙空「またねニコッ」
黄唄「ペコッ……」
紅赤side〉
黄ちゃんが戻ってきたから青ちゃんの病室に行こうと思うんだけど…
赤「青ちゃんに会いに行くのやめる?」
黄「行くッ……けど……」
行くのやめる?と聞くと食い気味に行くと言うけど動こうとはしない
きっとカウンセリングで何かあったんだろう…
何があったかを聞きたいが
いつもカウンセリング内容は青ちゃんに黄唄くんを会わせてから橙空くんに聞きに行ってるため今は聞けない
赤「青ちゃん待ってると思うよ?」
黄「もうッ…ちょっと……だけッ…待ってッ……」
赤「ん、分かったニコッ」
赤「落ち着いた?」
黄「コクッ…大丈夫ッ……」
今にも泣いてしまいそうな顔だが、本人が大丈夫というなら行こうかな
紫呉side〉
紅赤くん遅いなーなんて思いながら青ちゃんを見守っていると
黄唄くんが来て後ろには紅赤くんが優しい目で黄唄くんを見ていた
いつもこの後に黄唄くんのカウンセリング内容を聞きに行く紅赤くん
紅赤くんと目を合わせ、行っていいよと合図をする
紅赤くんが行ってから青ちゃんと黄唄くんの方を見る
青「黄唄くん今日何してたの?」
黄「えっと……」
黄「あ、桃瀬くんと遊んでました…!」
青「いいなー僕も、桃瀬くんと遊びたい!」
黄唄くんは青ちゃんに精神科に通ってることを話していない
最初は言おうと思ってたんだけど黄唄くんがどうしても嫌って言うから内緒
青「紫ーくん!」
紫「ん?」
青「僕、夏祭り行きたい!」
紫「んー…橙羽くんに聞いてみないと分かんないかなぁ…?」
青「そっか……」
今の体では夏祭りどころか外出許可も出なそう…と感じる
青「僕、浴衣着たいっ!」
黄「似合うと思いますよ」
青「見て!この写真!!」
俺も気になって覗いてみる
その写真には俺達5人の浴衣姿が笑顔で写っていた
この頃は黄唄くんも袖が短く、色白の肌が写っていた
黄「……いい写真ですね」
青「でしょ!桃瀬くんが笑ってるの!」
青「僕ね、この桃瀬くんの笑顔見ると頑張ろって思えるんだよね」
黄「どういう事ですか?」
青「治療とか…検査とか…嫌なことの前によくこの写真見てるの」
青「最近桃瀬くんに会えてないなぁ……」
紫「そうだね…今度桃瀬くんに会いにこれるか聞いてみるね」
青「ほんとっ?!」
目をキラキラさせて俺を眺める
紫「うん、来てくれるといいね」
青「うん!」
家〉
紫呉side〉
紅赤くんが今日は病院に残ると言ってくれて、俺は7時頃に帰ってきた
紫「ただいまー…」
相変わらず桃瀬くんからの返事はなく…
リビングでスマホを触っている桃瀬くん
紫「ご飯作るからちょっと待っててね」
と声をかけると
桃「コクッ…」
と返事をしてくれる
これを返事と言うかは分からないけど反応してくれるだけで嬉しい
ご飯を作り終え、桃瀬くんと食べ始める
お互い無言だが、桃瀬くんはスマホを見ずにしっかり食べている
俺が食べる手を止めて桃瀬くんを見てもこっちを見てくれないが、
紫「あのさ…」
声をかけた時は見てくれる
桃「何?」
久しぶりの桃瀬くんの声に少し緊張する
紫「青ちゃんが桃瀬くんに会いたがってるんだけどさ…」
桃「……俺そんな暇じゃない」
遠回しに会いたくないと言われている…
紫「…でも、青ちゃん、今頑張ってるからさ…」
紫「ちょっとでも来れない…?」
桃「はぁ……俺には関係ないから」
と言って食器を片付け始めた
会いたくないか……
紫「ふぅ…よし」
気持ちを切り替えて残りのご飯を食べ始める
結局黄唄くんと紅赤くんが帰ってきたのは10時半頃
橙羽くんの病院の小児病棟での面会時間はかなり長く、朝9時から夜の11時まで
俺か紅赤くんだけの時は11時まで居るときもあるが
黄唄くんと一緒の時は10時までに青ちゃんを寝かせて帰ってくる
午後11時半…
桃瀬くんが何時に寝てるのかは分からないけど
黄唄くんが寝てからリビングで紅赤くんと話す
紫「お腹空いてる?」
紫「夜ご飯の残りあるけど」
赤「ううん、明日の桃瀬くんの昼ご飯にするからいいや」
紫「ふふっ、そう言うと思ってちゃんと1人分残してある」
紫「…桃瀬くん来てくれなさそう」
赤「やっぱり?」
紫「遠回しではあるけど会いたくないって言われた感じ」
赤「そっか…」
赤「俺も少し話してみようかな…」
紅赤も同じく桃瀬くんには来て欲しいと思っている
赤「黄ちゃんがさ」
紫「うん」
赤「青ちゃんに病気の事言うか迷ってるんだって」
紫「カウンセリング?」
赤「そう、黄ちゃんは言いたくは無いらしいんだけど、」
赤「言ったほうがいいんですかね?って聞いてきたらしくてさ」
紫「最初は絶対に嫌って言ってたから黄唄くんなりに何かあるんだろうね」
赤「多分ね」
桃瀬side〉
桃「はぁ……」
今の時刻は11時半
ベッドの上で天井を見つめている
コンコン…
黄「あの……起きてたらでいいんですけど………」
結構小さめの声のため耳を澄ませる
黄「その……自傷の………手当てをして欲しくて………」
どんどん細くなる黄唄の声
ガチャ…
桃「大丈夫?」
黄「………」
見るからに腕から血が出ている
ここにいたら最悪の場合、紅赤や紫ーくんに見つかる可能性があるため部屋に入れた
桃「手当てするやつっていつもどこに置いてある?」
黄「紅赤にぃの部屋…に…あります……」
桃「いつも紅赤何時くらいに寝るか知ってる?」
黄「前…起きてたときは、、1時とかに来てたと思う…」
桃「分かった、ちょっと軽く止血しといて…」
黄「はい‥」
紅赤の部屋〉
桃瀬side〉
何気に紅赤の部屋に入ったのは初めてかもしれない
多分、黄唄が取れない場所に置いてあると予想し少し高めのところを探す
とは言え、紅赤もそんなに高くない
桃「あった…」
紅赤に見つかっても面倒なのですぐに自分の部屋へ戻る
部屋に戻ると慣れない手つきで止血してる
桃「手出して…」
黄「ん…」
手当てをし始める
黄唄の手をこんなに見たのも初めてかもしれない
桃「どれくらい自傷してんの?」
と聞くと顔を反対側に向ける
黄「…………紅赤にぃ達に言わない…?」
桃「俺が紅赤達と喋ってるの見たことあるか?」
黄「……あんまないか」
黄「………紅赤にぃが知ってるのは、、」
黄「2週間に1、2回くらい……」
桃「紅赤が知らないのは?」
黄「1週間に1回とか…言ってないことある……」
紅赤に言わないって分かったらこんなに話してくれるんだな
黄「桃瀬くんは…なんで、、紅赤にぃ達と話さないの…?」
桃「……お前らみたいに特別じゃないからな」
黄「えっ…?」
桃「はい、終わったよ」
桃「そろそろ戻らないと紅赤来ちゃうかもだし」
黄「う、うん…」
寝室〉
桃瀬side〉
手当てするやつを紅赤の部屋に戻し、黄唄を連れて来た
いつもここで寝てるんだ
黄「ありがと…」
桃「いーえ」
桃「早く寝ろよ」
黄「うん…」
桃「…おやすみ」
黄「おやすみ」
桃「あ、、」
赤「あれ?どうしたの?」
数分前〉
紅赤side〉
紫ーくんと黄唄くんや青ちゃんの話をしていると2階が少し騒がしい気がした
桃瀬くんかとも思ったが
黄唄くんが寝れてなかったら…と思い一応見に行くことにした
そして寝室から出てきたのは…
桃「あ、、」
赤「あれ?どうしたの?」
桃「あー…えっとー、」
一瞬黄唄くんの方をチラッと見て
桃「黄唄が寝れないって俺の部屋に来たから…」
赤「え!そうなの!」
黄唄くんがまさかの桃瀬くんに話に言ったと聞いて驚き、つい大きな声を出してしまった
桃瀬side〉
まさかの紅赤が目の前に
桃「あ、、」
今来る?と思いながら紅赤からの問いに応える
赤「あれ?どうしたの?」
桃「あー…えっと、」
チラッと黄唄を見る
(黄……紅赤にぃ達に言わない?)
あんま本当の事は言いたくないだろう
桃「黄唄が寝れないって俺の部屋に来たから…」
赤「え!そうなの!」
ドタドタドタ
あー…これは紫ーくんも来るやつだ…
紫「どうしたの?!」
桃「はぁ…」
誰にも聞こえないため息をする
一通り紅赤から話を聞いた紫呉、
紅赤は黄唄の方へすぐに行った
どうせ俺の事など見てないだろうとその場を立ち去ろうとすると
紫「…桃瀬くんおやすみ」
いきなり過ぎたのと少しの嬉しさで何も返さずに部屋に戻った
次の日〉
桃瀬side〉
桃「ん…」
なんだか凄く騒がしい…
寝起きでも分かる
赤「黄ちゃん、大丈夫大丈夫…」)
赤「落ち着いて…深呼吸しよ、ね?」)
黄唄が何かをしてるんだろう
紅赤と黄唄の声しか聞こえない
恐らく紫ーくんは青波の病院だ
このまま部屋にいても紅赤の声と黄唄の泣き声が聞こえるだけ…
ちょっと出かけようかと悩み、とりあえず部屋を出た
通り過ぎるついでにチラッと黄唄達を見る
昨日見た部屋とはかけ離れ、物が散乱している
右手にぎゅっと力を込めて持つカッター、
その手をぎゅっと掴む紅赤の右手、
左手に付けられた1つの深い傷、
その周りには慌てて付けられたであろう乱暴で浅い傷が何ヶ所もある
この景色に付けられた泣き叫ぶ声と、
落ち着かせようとゆっくりとしたペースで話す声
少しずつ落ち着いてくると、紅赤は電話をかけた
黄唄の背中をさすりながら
赤「黄ちゃんがパニック起こしちゃって…」
話す口調的に紫ーくんだろう
電話が切れると黄唄に一応手当てのために病院に行く事を説明した
赤「あ、桃瀬くん」
赤「俺、病院行く準備するから少しの間黄ちゃん見ててくれない?」
桃「……分かった、」
黄「ハァッ…ハァッ……ッ…ハァ…ハァ」
肩で息をしている、多分まだ苦しいだろう
右手に持ってたカッターは紅赤に取られたんだろう、今はもう持っていない
代わりに毛布を掴んでいる
桃「黄唄、」
黄「チラッ…ハァッ…ッ…ハァハァ…」
桃「1回深呼吸して」
黄「スーッ…ハァッ…ハァッ……ハーッ……」
黄「スーッ…ハーッ……ごめんッ…なさい……」
桃「なんで謝る?」
黄「スーッ……ハーッ…だってッ……僕…紅赤にぃにッ…迷惑ッ…かけた…」
黄「桃にぃ…にも……」
桃「……じゃあさ、ここ一緒に片付けよ?」
桃「どうせ紅赤は黄唄に気付かれないように1人で片付けてるんだから」
黄「…コクッ」
紅赤の準備は結構長かった
1階からはドタバタしてたり電話する紅赤の声だったり結構聞こえてきてた
ガチャ…
赤「ごめんごめん…って」
赤「え!片付けてくれたの、ありがと!」
黄唄の方を見てる
きっと黄唄に言ってるんだろう
黄唄は俺のことを見ていたが俺は部屋に戻った
赤「じゃあ行こっか」)
黄「うん……」)
隣から聞こえる声
これを消すためにイヤホンをつけて音楽を聴く
紅赤達が行ってから30分くらい経った
いきなり音楽が止まり、通知音が聞こえる
[ごめん、青ちゃんにあげるバナナケーキ置いてきちゃったから病院に持ってきてくれない?]
通知消しとけばよかったと思いつつも着替えて1階に下りる
冷蔵庫からもう袋に入っているバナナケーキを取って病院に向かう
病院〉
紅赤side〉
病院についてから気付いた
黄ちゃんの事でバタバタしてて忘れてた
桃瀬くんに向けて文字を打つ
送信ボタンを押すとすぐに既読がついたが相変わらず返信はない
送ってから20分後くらいに桃瀬くんが来てくれた
赤「ありがと」
桃「黄唄、大丈夫なの?」
まさか桃瀬くんから黄唄くんの話が出るとは思わなかった
赤「うん、青ちゃんの前なら大丈夫っぽいよ」
黄「紅赤にぃ!青ちゃんがいじめてきます!」
青「ちょっと!黄唄くん!僕いじめてないよ!w」
赤「もぉ何したの〜?w」
紫「ふふっw」
橙羽「青波くんおはよー」
青波「あ!橙羽くん!夏祭りの話どーなの!」
橙羽「あー…」
紅赤「夏祭りって何ー?」
紫呉「青ちゃんが夏祭り行きたいんだって、兄弟5人で」
橙羽「今はちょっと難しいかなぁ」
青波「えぇー…僕夏祭り行きたい!」
紫呉「病気が治ったらみんなで行こう?」
青波「紫ーくん、嘘つき…」
紫呉「え?」
青波「毎回そうやって言って全然治ってないじゃん!」
青波「やだやだ!僕夏祭り行きたい!!」
青波「行きたい!行きたい!!」
桃瀬「お前、いい加減にしろよ!」
桃瀬side〉
青波と黄唄はビクッとし、他の人達は俺を一気に見つめた
桃「お前のせいでどれだけ迷惑かかってるか分かってんの?」
青「えっ…?」
桃「黄唄も黄唄だよギュッ」
黄「イタッ…」
青「黄唄くん…?」
桃「お前のせいで精神障害にもなって、紅赤にも言えないほど自分の体も傷つけて!」
赤「えっ…そうなの…?」
桃「お前が病気になったせいでこっちは散々なんだよ!」
桃「これ以上好き勝手言うな…」
俺は家に帰ろうと病室を出た
紫「ちょっと待って…!」
紫ーくんの声で後ろを振り返るといっぱい居た
紫ーくんと紅赤
その後ろに黄唄、そして橙羽
桃「何…」
紫「流石にあの言い方はさ…」
桃「病気の人間がそんなに偉いのか…?」
赤「えっ…?」
桃「病気の人間がそんなに特別か…?」
桃「紫ーくんも紅赤も…いっつも青波って黄唄って」
桃「俺のことはどうでもいいんでしょ…?」
赤「そんなつもりは…」
桃「じゃあなんで俺に話しかける時は青波か黄唄の事なんだよ!」
桃「都合のいい時だけ俺に連絡して良いように俺のこと使って」
桃「青波のせいで転校までさせられて…」
桃「俺にだってやりたいことがあるんだよ!」
紫「…………」
桃「好きであいつらのお兄ちゃんも、お前らの弟もなってないから…」
俺は家に向かって何も考えずに歩いた
紅赤side〉
桃瀬くんの話を聞いてから気付く
桃瀬くんがあんな風になるのも当たり前だ
いつも黄唄くんの事ばかり考えてた
(好きであいつらのお兄ちゃんも、お前らの弟もなってないから…)
桃瀬くんは俺達の兄弟より違う他の、普通の兄弟の方が良かったんだろうな…
黄「あんなの桃瀬くんじゃないです…」
ボソッと呟く黄唄くん
赤「そうかもだけど…あれも桃瀬くんだよ」
いや、俺達があんな桃瀬くんにしたんだ
黄「違います…あれは桃瀬くんじゃないです」
黄唄くんがそんなに桃瀬くんと関わってる所は見たことないんだけどな…
赤「ちょっとあっちで話そっか…」
あっち((〉
紅赤side〉
赤「あんな桃瀬くん初めてみたかもしれないけど、あれも桃瀬くんなんだよ?」
黄「違います…」
なんでそんなに違うっていうんだろうな…と考えていると
黄「桃瀬くんはもっと優しいです」
黄「怒らないです」
赤「そう見えてたかもしれないけど…」
黄「紅赤にぃが知らないだけです」
赤「え?」
想像もしてなかった言葉
黄「桃瀬くんは…」
黄「桃瀬くんは、、夜…自傷した時に……」
黄唄くんから
桃瀬くんが夜に手当てしてくれた事や桃瀬くんが片付けよって一緒にやってくれた事などの話を聞いた
確かに俺が知らないだけなのかもしれない
黄唄くんはちゃんと桃瀬くんの事も見てた
俺よりも桃瀬くんのお兄ちゃんに向いてるかもしれない
紫呉side〉
桃瀬くんの事を気にかけては居たつもりだった
でもそれは完全にしてたつもり…
桃瀬くんに届いてなければしてないのと同じ…
紅赤くんと黄唄くんは少し離れた所に話に言った
紫「ふぅ…」
と気持ちを切り替えて青ちゃんの所へ行こうと思い、くるっと後ろを向いた
紫呉「あっ……」
橙羽「……あぁ…なんか勝手にごめん」
どっかの椅子〉
紫呉side〉
このまま青ちゃんに会っても心配されるよ?と橙羽くんに言われ少し話しに来た
紫呉「俺、桃瀬くんの事気にかけていたつもりだったのにな…」
橙羽「桃瀬くんは寂しかったんちゃう?」
紫呉「え…?」
橙羽「お兄ちゃん2人弟に取られて」
寂しかった…か、、
あれは寂しかったんだ……
全然気付けてないじゃん…
橙羽「紫ーくんのせいじゃないで?」
紫呉「えっ…?」
あまりにも図星すぎる
橙羽「病気や障害を持つ子の兄弟の事をきょうだい児って言うんよ」
紫呉「きょうだい児…」
桃瀬くんの事か…
橙羽「桃瀬くんだけじゃないで?」
橙羽「紅赤くんも紫ーくんも対象なんよ?」
紫呉「そっか…紅赤くんもそうか……」
橙羽「紫ーくんもだからね?」
紫呉「俺は別に…」
橙羽「きょうだい児はね、普通の子よりも我慢しなきゃいけない事が多いんよ」
橙羽「1番目立つのは嫉妬…」
紫呉「嫉妬……」
橙羽「病気を羨むのはダメって分かってるからこそ苦しくなるんよね」
橙羽「でも病気を持ってれば親や兄弟が気にかけてくれる…」
紫呉「俺達だね…」
プルルルルル…
橙羽「はい?」
俺達か…
桃瀬くん…これからどうすればいいんだろう……
橙羽「紫ーくん!」
紫呉「んっ?」
橙羽「青波が…」
オペ室前〉
橙羽side〉
紫呉「青ちゃん…」
橙羽「ちょっと待ってて」
オペ看に良い、スタッフルームに向かう
青波 5歳 5/29
連絡先
紫呉…090−1515−0623
紅赤…090−9085−0524
桃瀬…090−3103−0224
橙羽「090…3103…0224……」
プルルルルル
橙羽「出て……」
桃瀬「はい、」
橙羽「あ、桃瀬くん?」
桃瀬「橙羽さん…何か用ですか?」
橙羽「青波くんが急変して、これから手術するんやけど…」
桃瀬「えっ…」
看護師「橙羽先生!早くしてください!」
橙羽「ッ……危険な状態だから…」
桃瀬「…………」
桃瀬side〉
プープープー
電話の切れる音…
俺には関係ない…俺には関係ない…俺には……
俺の弟……
気づいた頃には走っていた
普段はバスや車などで行く病院に向かって
桃瀬「ハァハァ…あの、オペ室ってどこですか…」
受付「えーと、どちら様でしょうか、?」
桃瀬「青波の兄の桃瀬です」
受付「……あ、えーとオペ室は3階の東側です」
桃瀬「ありがとうございます…」
桃瀬「ハァハァ…この病院ってこんなにでかいのか……」
桃瀬「ハァハァ……」
オペ室の前には紫ーくんと紅赤、そして黄唄…
あいつらの所へ行くか…ここにいるか悩んでいるとオペ室のドアが開く
橙羽「大丈夫です、無事成功しました」
流石医者、こういう時は友達ではなく、医者と患者の家族という関係になる
紫呉「ありがとうございます…」
桃瀬「良かった…」
一気に力が抜ける…
病室〉
桃瀬side〉
俺は青波の手を握り、目が覚めるのを待つ
ガラガラ…
桃「黄唄…」
黄「…もうすぐ……目覚めるって……」
桃「そっか…ありがと」
黄「桃瀬くんさ…」
桃「ん?」
黄「なんで青ちゃんがあんなに夏祭り行きたがってたか知ってる?」
桃「知らない…」
黄「この写真…」
桃「ん?」
数年前の夏祭りの写真…
黄「この写真の桃瀬くんの笑顔…この笑顔見ると頑張ろって思うんだって……」
桃「………」
少し照れる…
そんな風に思われてたんだ……
黄「でも…僕が病気になったせいで夏祭り行けなくなったから…生の桃瀬くんの笑顔が見れなくなったって…」
桃「そっか……グスッ」
黄「桃瀬くん…ごめん…」
桃「え……?」
黄「僕達のせいで…我慢ばっかりさせて……」
桃「ううん……グスッ」
桃「お前らのせいじゃないよ……」
黄「えっ…」
桃「なぁ…グスッ……フゥ…」
桃「流石に病院で夏祭りは無理だよな‥…」
黄「聞いてこよう…?」
桃「でも…流石に……」
黄「提案したのはどっち…?」
桃「分かった…」
黄唄「あの…橙羽くん」
橙羽「ん?」
黄唄「実は…」
橙羽「夏祭りかぁ‥…」
桃瀬「…流石に無理ですよね」
橙羽「いや、やろう」
桃瀬「えっ?」
橙羽「空き病室は何個かある、1個くらい使っても怒られん、」
橙羽「その代わり、桃瀬くんも黄唄くんも手伝ってや?」
黄唄「もちろんですよ、ね?」
桃瀬「うん…ありがと」
青ちゃんがいた病室〉
紅赤side〉
ガラガラ…
赤「あれ?」
紫「ん?」
青ちゃんが居ない…
黄唄くんも桃瀬くんも居ない……
橙羽「紅赤、紫ーくん、」
紫呉「あ、橙羽くん、青ちゃん達は?」
橙羽「こっち、」
案内されたのは空き病室?
ガラガラ…
桃瀬「あ、ちょっと黄唄早くしろよ」
黄唄「僕、桃瀬くんよりかは仕事してるよ!」
桃瀬「いやいや、絶対やってないから!」
青波「くふふっ…」
そこに居たのは笑顔の3人…
黄唄くんは…いや、
桃瀬くんはボールプールのようなものを組み立てて居て
黄唄くんは折り紙で魚や風船を作り
青ちゃんは黄唄くんの作った折り紙にクリップを付けている
多分、折り紙などで作って遊ぶ魚釣り系だろう
青波「紫ーくっ!紅赤くっ!夏祭りやろ!」
キラキラさせた目で見つめる
紫ーくんの目は少しうるうるしている
紅赤「そうだね!」
紫呉「うん…!」
桃瀬「誰が1番大きいやつ取れるか勝負しよ?」
黄唄「いいですよ?負けませんからね?」
青波「絶対、僕!1番大きいの取れるから!」
桃瀬「お?w」
黄唄「もしかして青ちゃん1位ですか?w」
青波「僕1位!」
桃瀬「えぇ?でもさこれ俺もでかくない?」
黄唄「絶対青ちゃんの方がでかいですよ!w」
青波「僕の方がでかい!」
桃瀬「ははっww」
黄唄「なんなんですかww」
黄ちゃんがこっちに寄ってきて…
黄唄「……ニコニコ」
紅赤「あっちで遊んでて良いんだよ?」
黄唄「良いんです、これからあの二人仲直りするんで…ニコニコ」
桃瀬「ごめんな…青波……」
青波「んぇ?」
桃瀬「お兄ちゃん…酷いこと言って……」
青波「ううん、いいよ…!」
青波「おかげで桃瀬くんの笑顔見れた」
桃瀬「え?」
青波「ごめんね…僕のせいで笑顔無くなってたんだよね…」
桃瀬「青波のせいではないよ」
桃瀬「お兄ちゃんなのにな…」
青波「お互い様、僕は許すから、もっと桃瀬くんの笑顔見して?」
桃瀬「…ニコッ分かった」
青波「僕、頑張るね!」
桃瀬「来年は、本物の夏祭り行こうぜ」
青波「約束っ!」
桃瀬「うん、約束…」
紅赤「やっぱさ…」
黄唄「ん?」
紫呉「……?」
紅赤「俺よりも黄ちゃんや桃瀬くんの方がお兄ちゃん向いてるね」
紫呉「そんなことないよ」
黄唄「そんなことないですよ?」
紫呉「紅赤くんに助かってる事いっぱいあるし」
黄唄「紅赤にぃは紅赤、よりも紅赤にぃです(?)」
紅赤「ふふっ…ありがと、さてと、お兄ちゃんも頑張りますか…!」
紫呉「弟に負けてられないね!」
紅赤「うん!w」
𝐸𝑁𝐷
コメント
11件
初コメ失礼します 実は妹は学習障害とADHD僕はASDがあります 同じことを考えていたら胸に刺さりました
俺はきょうだい児ってことか⭐️
いい話すぎます……(´;ω;`) 個人的に、桃瀬くんのキャラ?が好きでした笑