私は、臆病者だ。
人と比べられるのが、コワイ。
嫌われるのが、コワイ。
裏切られ、利用されるのが、コワイ。
この世のすべてに恐怖していた。故に、消えてしまいたかった。みんなの記憶から、「私」という存在だけが消え去ってしまえばいいのに、と。本気で思っていた。
でも、そんな都合の良いコトなんてあるわけがなかった。現に私は今も無駄な呼吸を繰り返し、この地球に二酸化炭素を排出し続けている。
なんて、無意味で、滑稽で、哀れなのだろう。
今すぐにでも、うるさいほどの心音を、止めてしまおうと思った。
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