星の英雄　ゲズとリオン

新章開幕！第101話「静寂の胎動 ―再会の兆し―」
かつて、宇宙を崩壊の危機から救った星の英雄たち――

サタンとの熾烈な戦いから二年。世界は穏やかで、そしてどこか静かな時間に包まれていた。

遥か銀河の果てに存在する、美しき星《レファリエ》。

そこは今、英雄ゲズとセレナが安らぎを得た新たな生活の場となっていた。

真昼の光が窓辺に差し込み、柔らかな風がカーテンを揺らす。

静かな寝室の中で、セレナはベッドに身を横たえていた。

お腹には、新たな命の鼓動――ゲズとの子を宿している。

「動いた…」

セレナは小さく微笑み、お腹に手を添えた。

その姿を、部屋の隅からそっと見守るゲズ。

かつて幾千の戦場を駆け抜けた彼の瞳は、今はただ温かく、穏やかな光を宿していた。

一方、リオンとウカビルは、村の近くに広がる森の中で散歩を楽しんでいた。

平和とは、かくも尊いものか――かつての激闘を思い返しながら、互いに微笑み合う。

「これが…守りたかった景色だよな、ウカビル」

「ああ。でも、俺たちの役目は終わっちゃいない」

「それは、わかってるさ」

そしてその夜。

ゲズのもとに、突如として時空の裂け目が開く。

黄金の光とともに姿を現したのは、あの男――

「久しぶりだな、ゲズ」

「…最高神アダムか」

そう、サタンとの戦いの中で復活を遂げた、宇宙の守護神・アダムである。

だがその表情には、どこか不穏な影が差していた。

「穏やかな時間は、そう長くは続かない。ゲズ――お前たちの力が、また必要になる」

新たな異変の兆しは、すでに宇宙を静かに蝕んでいた。

だが、それを知る者はまだ少ない――