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「…ありがとな、蓮」
「何がありがとうなの?」
「俺のこと好きになってくれて、その気持ちを持ち続けてくれて。そのおかげで今、こうやって両想いになれたから。だから、ありがと」
俺の言葉を黙って聞いていた蓮が身じろぎをする。抱きしめてた腕を少し緩めると、身を起こしてじっと俺の顔を見上げた。
蓮の右手が動いて、今にも溢れそうになっている俺の涙を親指で拭ってくれる。
「泣き虫」
「うるせっ。両想いなんだって噛み締めてたら出てきちゃったんだから、しょうがないだろ」
「ん、そうだね…。俺こそ、好きになってくれてありがとう。俺の想い、見つけてくれてありがとう」
そう言って柔らかく笑った蓮に、また胸の奥がきゅっと音を立てた。蓮への大好きが涙になって少しだけ溢れてきて、それを蓮がまた優しく拭ってくれる。
「俺…ずっとずっと佐久間くんが好きだったんだ…これから、側にいてくれるの…?」
「うん、いる。ずっといる。蓮は? 俺のこと、ずっと離さないでいてくれる?」
「…やっと佐久間くんが振り向いてくれたのに、離せるわけない」
頬に添えられた蓮の手が俺を少し引き寄せて、同時に蓮も伸び上がって距離が近付いた。柔らかく唇同士が触れ合う。
蓮からのキス、嬉しい。
そんなことを考えてたら更に引き寄せられてより深く重なり合った。差し込まれた舌に翻弄されるうちにあれよあれよと激しさを増して、もう付いていくのがやっと。
「んっ、ふぁ、ぁっ…れ、ん…っ」
急に何のスイッチ入れたんだこいつは。
キスが解かれたと同時に力が抜けて蓮に体重を預けると、軽々と受け止められた。それはそれで何か悔しい。
「…ちゅーが可愛くない。蓮は可愛いのに」
「可愛いのは佐久間くんでしょ。真っ赤になった顔とか耳とか、本当に可愛い」
「誰のせいだよ、蓮のばか」
ふふっと笑った蓮の腕が俺の背中をぎゅうっと抱きしめる。必然的に俺の胸元に顔を埋めた蓮が小さな声でそっと呟いた。
「…恋人になった佐久間くんがこんなに可愛いって、知ることが出来たのが嬉しい…」
万感の思いがこもったその言葉に胸がいっぱいになってしまって、「俺も嬉しい」と言う代わりに強く強く蓮を抱きしめた。
俺を好きでいてくれてありがとう、蓮。
これまで想ってくれた分は、これからたくさん返していくから。
だから、俺のことずっと好きでいて。
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にゃーにゃ