記者仲間が話していた、女性が喜ぶ贈り物は髪飾りと共に言葉を添えること。矢太郎は考えた、身近にいる女性と言えばそよしか思い浮かばない。しかしそよは髪が短めだ、そんな事を考えて花魚(探偵事務所)に着くとそよが依頼内容を睨んでいた。気付かなかったが、そよの髪は出会った時よりずいぶん伸びていた。そよは矢太郎に気づくと依頼内容を見せて来た、どうやら吉原の妓楼で変死体が次々に見つかっているらしい、その死体の口に櫛がねじ込まれていたらしい。 なぜ警察に通報ではなく探偵なのかは何かと物入りなのだろう。矢太郎は、そよと共に休みを取り吉原な向かった。最近変死体が発見されたと言う妓楼に行くと、なにやら店主と思われる男性がふらふらとこちらに来た。どうやら死体で発見された遊女は高い値で買われていたらしい。店主からしたら痛手だろう、高く値の付いた商品と同様の者が無くなったのだから。話を聞くと身請けが決まった遊女が変死体となって見つかっているらしい、前の洋風家具の事件のようなものかとも考えたがその可能性は低い。矢太郎とそよは犯人がわかっていた、良いのか悪いのかこの能力はこういう時に便利だ。犯人は華やかな女性とは真逆な地味な顔の遊女、何故このような事件を起こしたのか…考えることもない。華やかで幸せな今後がある遊女を妬んでの犯行だろう、女の恨みとは怖いものだ。その遊女を呼び出し、話を聞くが最初は無理な言い訳をしていたが取り繕うのが面倒になったのか、開き直って話始めた。美しい女性は何をしても許される、綺麗な顔を醜くして苦しんで死んでしまえと。口の中に櫛を入れたらしい、その後その女は警察に捕まり罪の重さもあり死刑が言い渡された。矢太郎は、そよへの贈り物に櫛を選ぶのをやめた。また悩ましい問題が増える、女とは美醜の事で恨みが募るらしい。難しい者だ…
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