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星霧の中心には、イタズラ好きの小悪魔が居た。
図書館で見つけた、**“星の結界”**の魔術を試していたら、制御を失ったらしい。
「ご、ごめんなさい!!こんな大事になるとは思わなくて…!」
周りでは、パチュリーと咲夜が処理に追われている。
「こら、小悪魔。勝手に魔導書を使うんじゃないわ…げほっ」
「お嬢様の夜会が台無しですわ。後で掃除が大変です。」
「ほんとよ。小悪魔、後でなにかお詫びをしてちょうだいね」
「は、はいぃ…」
霊夢と魔理沙は協力して星霧を祓い、結界を閉じる。
戦いの中で息が合う瞬間もあった。
まるで昔みたいに。
だが、霊夢の胸にはまだ言えない言葉がつっかえていた。
__どうして、私を待ってくれないの。
異変が収束すると、2人は紅魔館の庭で一息ついた。
魔理沙は横目で霊夢を見ながら、ぽつりと口を開く。
「…霊夢、怒ってるよな」
霊夢は少しだけ視線を逸らす。
「は、怒ってないわよ。」
「嘘。だってずっと距離取ってくるし」
魔理沙の言葉は核心を刺してくる。
霊夢は不意に胸の奥がほどけてしまい、目を伏せた。
「だって…あんたまた無茶して。それで来なくなって…心配したのよ」
魔理沙は目を見開く。
霊夢の声はいつもより弱い。
「私を頼ってくれればいいじゃない…」
「霊夢…」
魔理沙はそっと霊夢の手に触れた。
「本当はな。霊夢が来るのを待ってたんだよ」
「え……?」
「でも、霊夢って忙しそうだし、迷惑かなって思ってさ。
……私が、霊夢の隣にいる資格ないんじゃないかって」
霊夢は驚いて魔理沙を見つめた。
「そんなの…そんなの勝手に決めないでよ」
今度は霊夢の方から、魔理沙の手を握る。
「ずっと隣にいてほしいのに。
あんたじゃなきゃ、いやなのに」
魔理沙の目が揺れた。
空から星霧の欠片がさらりと落ちる。
夜風が静かに二人を包み込む。