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「…落下ダメージとかないよな?」
予想より早く落下し、木の枝に掴まる事もできずに、顔から地面に落下…
「…ん?」
するかと思いきや、ものの地面から1cmくらいで浮遊していた。
浮遊魔法か。
しかし、どうにも下に降りれない。
身体をぶらんぶらんと揺れさせたり。
腕を伸ばして地面に触れても何ともならない、それに風に飛ばされる。
すると、水溜まりの上に止まる。
濁っていたが、水の反射で顔が見える
「若ッ!!?」
30代なりかけのような懐かしい見た目に驚きの声をあげると、その衝撃か頭から水たまりに落ちてしまった。
マズッ!
若ッ!
口ん中泥だらけだ…
顔汚ぇな…若いけど。
風に揺られて森がせせらぎ、鳥が鳴き、リスやシカにウサギが走る。
そんな中、服も勇者っぽくなっているのに気がつく。
(剣!?弾薬撃てるのに?!)
そんなツッコミをしていると、森の奥からいかにも魔法使いのような老人が出てくる
白く長い髭で、薄茶のぼろぼろの布を身にまとっていた。
「うわっ」
俺がそう言うと、老人は。
人を小悪魔のように言うんじゃない。と言った。
謝ると、老人は笑った。
「はてはて、さては勇者殿じゃの?」
老人は杖を擦りながら言った
「はい、恐らくながら」
そう言うと、老人は笑い始めた。
「ふぉっふぉっふぉ、先日から国王陛下が魔王を倒す勇者を召喚するため、国中から有力な魔法使いを呼んで召喚するとは聞いたがな!」
俺は不思議に思った。
なんで笑うんだ?嬉しいのか?
それとも口に泥がまだ付いてる?!
俺が口元をゴシゴシこすると、老人は、そうじゃないそうじゃない。と言う
「じゃあ何故笑うんです?」
老人は地面を指さして言う
「ココ、王都から18km」
…
鳥の鳴き声だけが広がる
風とせせらぎさえ消えて。
「ココ、王都から…」
「いや聞こえてない訳じゃないんです」
老人はそうだろうな、若造と言い、魔王城までの道を教える。
「まず、南に540kmほど南に行くんだ、……あんた程の魔法使いなら、無時間移動を使えばいい。」
俺は頭に大量の?マークが浮かぶ
「…どうやりゃ良い?」
浮遊魔法さえ扱えない俺に、光速移動は勿論、無時間移動なんて出来るわけも無かった。
「…これだから若造は、宝の持ち腐れじゃの、ほれ、見とれ」
日が暮れて、登り、暮れて、登り。
2週間ほど、老人に水と鶏肉しか与えられずに魔法の特訓を毎日22時間行った。
1週間目は止まらない特訓とご褒美の上がるハードルに〇すぞジジイ!と思ったが、2週間目から仙人化してきて何も考えられなくなった。多分10kgくらいついでに痩せた。
「…ふむ、少しはその能力を発揮出来るようにはなったじゃろ、ホレ、行ってこい
お前さん、杖無くても上級どころか特別魔法使えるんで、唱えるだけで無時間移動できるはずじゃ。」
俺はまあまあな寝不足の中、お辞儀を10秒ほど続けて、唱えた。
「無時間移動」
…
老人が布を取ると、
イリスが空中に浮いて現れる。
「はぁ…ヘカテ、なんでわざわざ教える必要があったのよ?」
ヘカテは、姿を変えて女神となった
ヘカテは浮かび、イリスの肩をぽんと叩く。
「宝の持ち腐れってのが惜しかったのよ、あれほど強大な魔法、誰が与えたのかしらね?」
イリスはムキッと腹が立ちながらも、ヘカテの肩をボンッと叩いて消えた。
ヘカテは消えたイリスの居た場所に振り向いて言い残す。
「ちょっと強かったよね…?(ꐦ^^ )」
魔王城につくと、そこは溶岩と、強力な魔力結界に守られていた。
俺は老人…じゃなくて師匠から教わった魔法を、手をかざして唱える。
「結界よ、壊れろ」
すると透明な結界はガラスのように次から次へ壊れて言った。
しかし、まだ素っ裸という訳でもない。
守衛に警邏までいるので、ここも無時間移動で乗り切る。
城の中は薄暗く、ちょっとボロで中世らしく、絵や鎧が置いてあった。
スゲー。と見とれていると、奥から笑い声が聞こえる、目は良くないので光の魔法で部屋を明るくしてみた。
「光よ、照らせ」
すると奥の玉座には巨大なケンタウロスのような魔王が座っていた。
「よく来た勇者よ、ここには私自ら誘導してやったのだ、感謝しろ。」
俺は驚いて聞く
「気付いてたの?!」
ケンタウロスは「何言ってんだこいつ」みたいに呆れた。
「あんな派手に結界破壊魔法使っといて気づかれないとでも思ったのか?なんで貫通魔法じゃなくて根本を滅ぼしたんだ。」
「あ、そっか。」
ケンタウロスこと魔王は続ける。
「…まあいい、私の野望の為にも、ここで貴様には死んでもらう!」
魔王は玉座の横から巨大な剣を持ち上げ、こちらへ構える。
「どうする勇者よ!その剣で戦うか?それとも魔法で戦うか?どちらにせよ私は倒せない!死ぬがよい!」
玉座からここまでは50mほど離れていて、魔王は突進してくる。
魔法も放っているようだが、案の定効いてはいない。
「やはり、剣より強いものは無い!力で戦え!勇者よ!」
魔王が剣を大きく振りかぶると、俺は手を魔王の頭に重ねて唱える。
「特別魔法30×173、アヴェンジャー」
手から30mm弾が高速で発射される、魔王が振りかぶる間に、計55発が頭に命中。
ただの30mm弾ではなく、殺傷魔法と回復阻止魔法が掛けてあるので、下手すると勇者の剣より強い。
魔王は倒れ、剣も叩きつけられる。
「…銃は剣より強し。」