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第二話 [フィリピンでの激戦。]
1944年 昭和19年
すでに太平洋戦争の戦局がひっくり返り、米軍が圧倒的優勢をもち始めた年。
1943年にはアッツ島守備隊が米軍の数に圧倒され、玉砕した。
1944年初頭、タラワ・マキン守備隊が玉砕。
そして僕ら海軍航空隊訓練生は正式に軍人となり、鹿児島の鹿屋基地に配備された。
ほぼ毎日、本土に近づこうとする敵機との空戦だった。
その日も、鹿児島近海で空戦があった。
我ら日本航空隊は、零戦に搭乗し戦っていたが既に敵はf6fやb25などの最新鋭の航空機を持っていた。
日本にある最新の戦闘機はもはや既にある旧式の戦闘機をある程度改修したものしかなかった。
我々の航空隊もそれが原因で、多数の死者を出し続けた。
1944年 フィリピン近海
2時間飛行した末、ようやく島が薄く見える位置まで来た。
我々は雲の上をとんでいた。
十分な高高度で、敵の上も取れると思っていた。
しかし敵はその上を突いてくる。
橋島隊長機[敵機発見。攻撃セヨ。]
隊長機が翼を振り、敵機発見の合図を送る。
皆がその瞬間警戒していた。
羽島少尉[おい!どこにいるんだ!]
しかし位置が把握できないものもいた。
古玉少尉[わからな]
その瞬間、古玉少尉がわからないと伝えようとした時、コクピットの窓が粉砕される音が響き渡った。
ガシャンと古玉は頭を照準器にぶつけた。
羽島少尉[はっ…こ、古玉あああ!]
古玉機は回転しながら少しずつ高度を落としていった。
その古玉機の横を追い越すように通り過ぎた機体があった。
米軍のf6fだった。
そのf6fは青く輝いていた。
小島中尉[ぃ…ぉぃ…おい!]
その瞬間、あまりに驚いて思考が停止していた羽島少尉はようやく正気を取り戻した。
横を見ると赤い何かが通り過ぎていた。
米軍機の曳光弾だった。
ようやく状況を理解した羽島は、右に旋回し回避行動に移った。
乱戦だった。
羽島少尉[くそっ!くそっ!]
羽島少尉の機体は2期のf6fに追尾されていた。
今にも羽島少尉の機体に曳光弾が今にも当たりそうだった。
しかしその零戦とf6fの間に一機の零戦が飛び込んできた。
宮城中尉の機体だった。
ドガッと宮城中尉の腹を弾丸が貫いた。
宮城中尉の機体からは白煙が出ていた。
羽島少尉[宮城中尉殿っ!]
羽島少尉は宮城中尉の名前を叫んだ。
宮城中尉[ははっ…すまんな…やられちまったようだ…]
宮城中尉は笑いながらそう言ったが、声は弱り始めていた。
羽島少尉[いいから急いで基地に帰投してください!僕たちが残りのやつを片付けますから!]
羽島少尉は宮城中尉を説得した。
宮城中尉はそれに同意した。
宮城中尉[わ、わかった…先に帰投する…]
宮城中尉の機体は戦域を離脱し、基地へ帰投しようと向かっていった。
その間にも戦いは続いていた。
ズババとM2ブローニングの発射音が響き渡り続けていた。
その弾丸が新入り隊員の機体を炎上させた。
穂馬一飛曹[き、機体炎上!う、うわぁぁぁ!]
その叫び声を最期に、通信は途切れた。
羽島少尉[あっ!新入りが…]
この時代には既に熟練パイロットは少なくなっていた。
だから短い訓練を受けた学生はすぐに戦場へ飛びたたされた。
浜松飛曹長[く、くそっ!穂馬の仇ぃ!]
浜松飛曹長の機体は真下のf6fに向かって突進した。
しかしすぐ隣りにいたf6fに銃撃され翼を折られた。
浜松飛曹長[す、すまん…穂馬…]
浜松飛曹長の機体は雲の中に突っ込んでいった。
羽島少尉[浜松さんまで…くそっ…]
その時どうやら燃料の問題か、f6fたちは引き上げていった。
そして羽島少尉の部隊も引き上げた。
その頃基地では。
午後3時 鹿児島鹿屋基地
鹿屋基地には既に宮城中尉が負傷したことは伝わっていた。
現場指揮官も心配していた。
伊野少佐[宮城のやつ…負傷したと聞いたが…本当に安全に着陸できるのか…?]
真田少佐[わからないが…できることを願うしかないな…]
そのとき山の影から飛行機の影が出てきた。
宮城中尉の機体だった。
宮川整備長[来たぞ!来たぞー!トラックだせ!]
整備トラックを急発進させ、危険な着陸になっても大丈夫なように備えようとした。
宮城中尉の機体は遠くから見てもわかるくらい不安定だった。
なんとかラダーを使って安定させようとしたが体はそう簡単に言うことは聞いてくれない。
三島整備兵[いけっ、いけぇー!!]
そのとき宮城中尉の機体の脚が着いた。
着陸は成功した。
整備兵たち[いよっしやぁぁ!]
基地の中は一気に盛り上がった。
宮川整備長[ほら!大丈夫か宮城中尉!]
宮城中尉は気を失っていた。
伊野少佐[ほかの部隊員は!]
その後もほかの機体が続いて着陸したが、帰ってきたのは30機中24機だった。
6人もの死者を出してしまった。
当時の日本軍にしてみれば大きな損失だっただろう。
羽島少尉[お、俺は…誰も救えなかった…
第二話[フィリピンでの激戦。]