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深夜、警察庁内部。
神城 蓮と黒瀬 鷹真は、密かに構築された裏ルートから施設内へ侵入していた。
監視カメラ、警備員の巡回、電子ロック――あらゆる障壁を黒瀬の経験と神城の直感でかわしながら進む。
「……ここまで来るとはな」
黒瀬の低い声が響く。無言の男だが、背筋の緊張感でその危険度が伝わる。
神城は資料に記された座標と照合し、慎重に足を運ぶ。
「裏ゼロの指令室は、この階の奥……間違いない」
扉の前で、氷室 悠真から暗号化通信が届く。
「神城、動く前に確認しておけ。ログ解析で、ここにアクセスした形跡がある」
つまり、裏ゼロも既に彼らの動きを察知している可能性があるという警告だ。
息を潜め、神城と黒瀬は扉を開く。
そこに広がるのは、国家の権力と警察上層部が巧妙に隠した影の世界――
大量のモニター、暗号通信機器、そして秘密裏に動く人物たちの姿。
神城の心臓が高鳴る。
「……奴らは、本当に警察内部にいた」
だが、予想外の人物が目に入る。
「……お前、何でここに?」
その声に、神城の背筋が凍る。仲間かと思った警察官が、裏ゼロ側の指令に従って動いていたのだ。
黒瀬が咄嗟に距離を詰め、相手の動きを封じる。
「裏切り者だ……」
神城は冷静さを保ちながら、内心で決断する。
(ここで動けば、全てが崩れる。慎重に……だが、逃すわけにはいかない)
数分の緊迫の静寂。
神城、黒瀬、そして裏ゼロ内部者。三者の視線が交錯する。
この瞬間、信頼と裏切りの境界線が崩れ、ゼロディヴィジョンは国家の闇に一歩踏み込むのだった。