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僕らはまだ死にたくない!!

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僕らはまだ死にたくない!!

18 - 第18話.重ねながら__

♥

48

2025年03月24日

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僕らはまだまだ死にたくない!!

第18話.重ねながら__

▼START▼

_____________________

🧸*̩̩̥ 目線

_____________________

寺内さんが部屋に押し込まれてきて。

押し込んだ人はきっと……。

まぁこれは誰でもいいか。

泣いてしまった寺内さん。

月海さんは「どうしよう」と言わんばかりに

寺内さんと私の顔を交互に見る。

🧸*̩̩̥ (私に聞かれても…。)

なんて思いながらも寺内さんの背中を

さするように促す。

お姉ちゃんはいつも泣いている時に

背中をさすってくれる。

私だってしてもらったことがある。

皆背中をさすって貰うと落ち着いてくる。

ある意味一種の魔法だろう。

『事情があるんですよね』

なんて言ったが、まぁまぁ緊張している。

寺内さんに会うのは久しぶりだし、

何よりきちんと話した事が少な過ぎる。

🌙.*·̩͙「…だ…大丈夫ですよぉ〜……?」

ぇ。…疑問形なんですか?

…普通……いや。

今は普通とか駄目なんですよね。

多くの人は疑問形より言い切ってあげた方が

安心すると思うのですが…。

…でもこう見ると小さい子みたいですね。

…何だか見覚えがあるような……?


_____________________

🌙.*·̩͙目線

_____________________

玖音ちゃんに

「どうしよう」

と目で訴えていると

🧸*̩̩̥「背中をさすってあげてください。」

と言われ、言われるがままに背中をさする。

寺内さんは少しずつ落ち着いてきているように

見える。

小さい子ってこういうものだろうか。

何だかとても可愛い。

これを本人に言うのは失礼なのだろうが、

失礼を承知で言う。

可愛い。

年齢的には中高生くらいだろうか。

……小学生はないよな…?

…いや。ありそう。全然ありそう。

でも流石に大学生は行き過ぎな気がするし…。

…少し。寺内さんは兄ちゃんに似ている。

大人っぽいのに対し、

子供っぽさがちゃんとある。

あぁ。思い出したくないなぁ。

🌙.*·̩͙「ズビッ」

🧸*̩̩̥「…っ!?ぅあ。」

⚯˶「…ぁりがとぅございます。落ち着きました…。」

🧸*̩̩̥「…っぁ。良かったです…。」

⚯˶「…僕……。姉さんがいて…。」

…お姉さんいたんだ。

まぁそうか。うん。末っ子属性だもんね。

そんな事を考えていると玖音さんが

🧸*̩̩̥「…絶対失礼な事考えてますよね……?」

と、言わんばかりの目で見られている。

🧸*̩̩̥「まぁ。私も考えましたけど……。」

と、目を逸らされる。

⚯˶「姉さん…交通事故でっ、……。」

また、泣き出してしまいそうな寺内さん。

この言葉の後は何となく分かる。

『死んじゃった』

きっとこういう感じだ。

…何処まで兄ちゃんと似てるんだろう。

🌙.*·̩͙(「大変だったよね……。」)

そう言い、寺内さんの頭を撫でる。

🧸*̩̩̥「…っ。」

⚯˶「…ぅぁ。」

あ。やべ。

僕はいつもそうだ。

考えていることを口に出してしまう。

🌙.*·̩͙「…ぁ。いやっ!!変な意味じゃなくてっ!!」

焦りつつも弁解しようとするが、いつも通り

上手く言葉が出ない。

手をバタバタと振りながら焦る様子は何だか

見覚えのあるようだった。

あ。そうだ。兄ちゃんに似てるんだ。

兄ちゃんはいつも焦ると手を振っていた。

『ぅあ…ぇと…っ!!』

なんて言いながら必死に言葉を考えている

兄ちゃんがとても可愛くて、でも何処か

格好良くて、大好きだった。

そんな兄ちゃんと似ている寺内さんが何だか

放っておけなくて、引っかかっていたんだ。

⚯˶「…大丈夫です……。」

🧸*̩̩̥「…伝わってますよ。」

そう言って微笑む2人。あの時もそうだった。

最初に会った時。

誘拐された事や、知らない人が多くて深く

考える事が出来なかったけれど。

あの時からずっと。まとう雰囲気が似ていた。

優しくて、格好良くて、何処か子供っぽいのに

とっても大人で、周りの人の事をとても

気遣って。

兄ちゃんが『〇〇〇〇〇〇 』なんて

信じたくなくて。

でも『 〇〇〇〇〇』なんて決め付けれなくて。

僕はいつも『〇〇〇〇 』しか出来なかった。

前も向けず。かと言って立ち止まることも

出来ず。悲しみに“さよなら”を言えず、ずっと

手を繋いで歩いて来た。

寺内さんは凄いなぁ。自分のお姉さんが

『 〇〇〇〇〇〇』というのを受け止めて、

『 〇〇〇〇』なんてせずに、

今を見て…生きている。

僕には出来ないなぁ…。

僕は話すことも無く、ただただそこに、

座り込んでいた。

僕は___

泣きそうになりながら__

僕はすぐそこに座る2人を__

そこに微笑む2人を__

たった1人の___

僕の___

僕だけの___

居なくなった兄ちゃんと重ねながら___。

僕らはまだ死にたくない!!

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