テラーノベル
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「ミラ、何その格好。」
「あれ、ベティちゃん。」
大きな大きな屋敷の中で、ふたりのメイドさんがお話していました。片方の子は、目を少し伏せた、美しい子。もう一人は、表情が明るい愛嬌のある子。ふたりはいつも仲良しでしたが、何やら今日は様子が違うようです。
「もしかしてまたミスしちゃった!?」
「そうじゃないって。さっきも言ったよ、何その格好は。ずぶ濡れじゃん」
どうやらミラ、『ミラベル』は酷く濡れてしまったようです。なぜなら彼女はお屋敷の洗濯係。ミラはお洗濯中に、水を頭から被ってしまったのでした。
「洗濯中に、色々ミスして……」
「そのミス癖は相変わらず。どうして洗濯班の班長になれたの?」
「ご主人様に言ってそういうの!」
ベティ、『ベアトリス』は呆れたようにそう言います。ベティはお屋敷の接客班の班長です。接客班は洗濯班より偉い存在なものだから、よくミスをするミラはベティに頭が上がりません。ミラはベティを心の底から信頼していますが、ベティはあまりミラを見てはくれません。
「そういえば今日の「お客様方」、ミラにも対応に来てもらうから。」
「え何それ!?私洗濯班だよ!?」
「……」
ベティは唇をほんのちょっと尖らせて
「ミラじゃないとできないの。お願い、私を助けて。」
「!私出来る限りやるよー!」
「その前に着替えて来たら?」
「うわ、たしかに……」
とくとくと血が流れる音が聞こえます。それはベティの体からでした。おなかから流れる血は止まりません。眠ったベティを抱えて、ミラはお客様方にお話を始めます。
「お客様。いくらお客様といえど、この度の蛮行、見逃す訳にはいきません。」
『vrㅍㄲh3@‘ゆ8@/mirc?
5(j*esか「dshue_*!』
何を言っているのか、誰も彼もがちんぷんかんぷんでしたが、ミラには長年の勘で、何を言っているのか理解が出来ました。近くに居ながら怯えていたメイドさんに、ミラはベティを渡しました。ミラは腰に付けていた鞭を手に取り、自分より何倍も大きなお客様に向かって歩き出しました。
ばちん!と耳を破裂させるような大きな音をたてて、ミラは鞭を振るいました。しかし、お客様には避けられてしまいました。
「流石はお客様ですね。ですが私とて、都合があるのです。」
「あれは、私のベティです」
みたいな連載を書こうとしましたね、このまえ
同じ立場に見えて厳密には部下と上司です。ですが、同い歳。
ミラは執着心ゴリゴリですが一切表に出しません。恐ろしい子
コメント
15件
語り手が絵本の優しいけど少し突き放したような言い方なのが最高に引き立てて好き() こういう百合愛してる
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! 今回もありがとう…(?) こういうのも私、好きです…(?) 同い年で上司と部下の関係だから ミラちゃんは頭が上がらない立場にいる ベティちゃんに元気よく出来るのかな …なんて謎の妄想みたいな事が(?) わぁ…良い…恐ろしい子だけど… 凄く良いよ…お客様方を 全員追い出しちゃって…!!!(?) 次回も楽しみに待ってるね!!!!
あふん