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しのん
59
241
#とぅるりぷ
翠
24
さとみ「お疲れー!……って、あれ?」
いつもの収録スタジオ。
ドアを開けると、メンバー全員が机を囲んで真剣な顔で話し込んでいた。
ころん「だからそこは、さとみくんにバレないようにさ…あ…」
俺と目が合った瞬間、ころんが勢いよく口を閉ぐ。
全員の視線が俺に集まり、一瞬で部屋の空気が凍りついた。
さとみ「……何?
俺にバレないようにって、何の話?」
莉犬「あ、えっと……!なんでもないよ!
さとみくん、今日来るの早いね!」
莉犬が明らかに動揺しながら、手元の資料をバタバタと後ろに隠す。
るぅと「そうですよ。
まだ集合時間の15分前ですから、びっくりしちゃいました」
さとみ「いや、15分前なんていつも通りだろ。
なぁ、ジェル、なーくん。何隠してんの?」
大人組の二人に視線を向けるが、二人は一瞬だけ目線を交わし、困ったような笑みを浮かべた。
ななもり。「本当に大したことじゃないんだよ、さとちゃん。
ちょっと、次の企画のことでね」
ジェル「そうそう!
さとみを驚かせようと思ってな。なぁ、ころん?」
ころん「えっ?あ、うん!そう!
サプライズ企画!だから気にしないで!」
さとみ「……ふーん」
絶対に嘘だ。みんなの目が泳いでいる。
普段なら、どんな企画も真っ先に俺に相談してくるはずなのに。
最近、こういうことが多すぎる。
俺が部屋に入ると急に話を止めたり、スマホを隠したり……。
さとみ(俺、みんなに何か隠し事されるようなこと……したっけ……?)
胸の奥がチクリと痛む。
だけど、それ以上深く問い詰めることはできなかった。
みんなの”隠し事”の裏にある空気が、あまりにも真剣で、どこか悲しそうに見えたから——。
ななもり。「じゃあ、さとちゃんも来たし、今日の動画の打ち合わせ始めようか」
何事もなかったかのように動き出すメンバーたち。
でも、俺とみんなの間には、目に見えない薄い壁ができてしまったような気がした。
さとみ(いつか……ちゃんと教えてくれるのかな。
——いつか、俺に全てを、打ち明けてもらえる日が来るのかな。
この時の俺は、まだ知らなかった。
みんなが必死に隠している”秘密”が、俺たちの運命を大きく変えることになるなんて。
コメント
1件
さとみくんの視点で描かれる「仲間が何かを隠している」もどかしさが、とてもリアルで胸がギュッとしました。タイトル「不自然な距離」の通り、言葉には出さないのに漂う空気の重さがひしひしと伝わってきます。特に「みんなの目が泳いでいる」という描写が、読んでいるこちらまで息苦しくなるほどで、続きが気になって仕方ありません。最後の伏線がどう動くのか、今から楽しみです🌷