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「それで私たち【天魔】と【悪使】が生まれたっけわけ」
アリサは聞いてもいない事を一通り話しふふん!と鼻を鳴らした。
どうやら持ち前の要領の良さを活かせて嬉しいみたいだ。
「へぇ、それが今の世界の始まりかぁ…
そう言う話を聞くとなんか哲学的な気分になるな」
「メディはやっぱり理系ね、ちゃんと予習しないと!これ教科書に載ってたわよ?」
教科書に載ってた事を自慢気に話されても…と呆れる。
「じゃあこれ知ってる?食堂のデザートにミントアイスが追加されたって話!」
「えっ!それホント!?知らなかったわ、ミント大好きなの私!」
「それは知ってるよ(笑)」
聖クレシタ修道学院、それは12〜18歳までの天使・悪魔・天魔・悪使の四種族が通える学校である(義務教育的な)。
アリサとメディはその学院に通う15歳の天魔。
悪使は少数派なのである。
「今年から職場実習の一環として悪使がパートナー選抜があるらしいけど、悪使って見た事ないよね」
「この学院内には居るらしいわよ。なんせ居るのはたったの数人らしくて、そこから将来のビジネスパートナーに選ばれるみたい。
相性が合えば将来的に勝ち組になれるんだから、なんとか選ばれたいものよね〜」
「そもそも初対面の人と生涯のパートナーになるとか中々無理があるけどね…」
新作のアイスを嗜みながらアリサと私は語る。
「それに悪使って性格に難がある奴が多いらしいじゃない。悪魔の血が濃いから」
パートナーになれても結局仲良くはなれないわ、とアリサは溜息をつく。
ただの迷信だと思うけどなぁ…アリサはどっちかって言うと悪魔っぽいし。
「あ、でも夜の方は積極的って聞いたことある。サキュバスの血がなんとか〜みたいな」
「ちょっ、公共の場所で何言ってんのよ!!慎みなさい!!」
「アリサの方がうるさいよー…」
キーンコーン、と昼食の終わりを伝える金が鳴った。 もう周りに誰もいないことに気がついて、焦って席を立つ。
「次って歴史だったわよね?」
「覚えてないよぉ時間割なんてぇ」
「もう15でしょ!覚えなさいよ!」
「アリサママァ~」
「脳天くり抜く?」
「スィアセン」
古典は嫌いだ。というか歴史は嫌いだ。
なんというか、どうして人の思った事を知ろうとか理解しよう とか 言っている意味がわからない。
政治の過程とかならまだ分かるけれど、
当時の人の生活習慣とか意味わからない。
どうせ全員生活習慣病で死ぬんでしょーに…。
こんなことアリサに言ったら本当に脳天くり抜かれそうだから言わないけど。
逆に数学とか地理とか…化学とか、答えが変わらないものは好き。絶対に裏切られないという謎の安心感があるから…多分(
「もう食堂から教室遠いのよ!廊下が長い!もう外廊下から教室の窓まで突っ込んじゃいましょ!」
「いやダメだよ!?校内での飛行は原則禁止だし!!」
「まだあと5分あるから先生来てないわ、誰にも見つからないわよ!
ほら、置いてくわよ!」
「だーッ、もう知らない!早く行こ!」
ポンチョを脱ぎ捨て(捨ててはない、流石に)
シャツの背中の穴からマダラに黒毛が混じる翼を広げる。
バサ、と羽音を響かせ空に飛び立つ。
身体中を巡る浮遊感に快感を覚える。
「あ〜ッ、久しぶりに翼の筋肉使う〜ッ!」
「ちょっと痛いかも…グラグラするわ」
「ほら上空して、教室五階だよ」
体力テストぶりに翼を出したから、少しの不安定感がある。
アリサはそれが強いらしい。アイスばっかり食べてるから……。
器用に翼を動かし、着地の準備をする。下を見ると結構な高さで、よくここまで飛べたな、と少し後悔した。
やっぱり普通に来た方が良かったかも…。
「ちょっちょっと待って、翼つったかも。
痛すぎる」
アリサがしかめっ面で言い、ガシッと私の足を掴む。しかも 結構強めに。
「え?嘘、大丈夫…ッて足掴まないで!?バランス崩れる!!」
「そんなこと言ったって…っ!?」
「ア゛ァァアア゛!!おぢる!おぢるぅッ!?」
「ギャーーーーーッッッ!!?」
バキバキバキバキ___何処からともなく木の枝がへし折れる音がする。
……その時、私は悟った。
あ、コレやったわと←
「ウェッ、何これぇ〜…」
どうやらアリサは中庭の池に突っ込んだらしい。
魚がビビってアリサを避けてる……フッww
「ちょっと何笑ってんのよ!?」
「いやっ…なんか…シュールな図だなと…ww」
「アンタも結構ヤバいからね!?木の葉めっちゃ被ってんだから!!」
「コラそこの2人!何してんだ!!」
2人でギャーギャー言ってると、とんでもない剣幕をした先生が窓から顔を覗かせていた。
…オーマイガー…
「逃げるよアリサ!」
「えっ、ちょ、もう!なんでアンタはこんな時だけ思い切りいいのよ!」
半ば無理矢理アリサの手を引いて先生とは反対方向に走る。
怒られるのは嫌いなんだ、歴史のごとく。
「あーっ!止まれそこの2人ィィィィ!!!」
「いやよ!」「嫌でーす」
なんかアリサと初めて会った時を思い出すな。
あの時はまだ飛行下手な子供だったから、砂場に突っ込んでおじいちゃんに酷く怒られたっけ…。
「アリサ・アントニアァァァァァァ!!!!
ペンディメリィ・グレイスゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「遂にフルネームで叫ばれちゃった…」
「収拾つかないわよもう」
その後、
先生にとっ捕まって二時間説教されました☆