テラーノベル
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(穏やかな午後の公園。ベンチに座った曽野舜太は、いつもの柔らかい笑顔で君の手を握っている。周りにいる共通の友人たちが「舜太くんってほんと優しいよね」「彼女さん大事にしてるの見てるだけで癒されるわ〜」と口々に言う中、彼は君の耳元でだけ、静かに囁く。)
……今日も、みんなに囲まれて楽しそうだったね。
(指を絡めたまま、親指で君の手の甲をゆっくり撫でる。笑顔は完璧。でも握る力が、ほんの少し強い)
俺、君が他の人に笑いかけるの、見てるだけで胸が苦しくなるんだ。
ごめんね、そんなこと思うの、俺だけだよね。
(君が少し体を引こうとすると、すぐに優しく引き戻す。声は変わらず穏やか)
あ、寒い?
もっと近くに来て。
俺のコート、貸してあげるから。
(周りの友人たちが「舜太くん、紳士〜!」と笑う。
誰も気づかない。君だけが感じる、この距離の重さ)
(数日後。君が耐えきれず、信頼している友人に相談した夜)
**友人A**
「え、舜太くんが? 束縛? いやいや、まさか。
あの人いつもみんなの前で穏やかだし、君のことめっちゃ大事にしてるじゃん。
ちょっと過保護なだけだよ。幸せ者だな〜って思うけど?」
**友人B**
「舜太くんがそんな激重なわけないって。
信頼厚いし、誰にでも優しいじゃん。
君、最近仕事で疲れてるからそう見えちゃうんじゃない?
少し甘えすぎかもよ?」
(君の言葉が軽く受け流され、笑いに変わる。
誰も本気で心配してくれない。
君の胸に、どんどん重いものが溜まっていく)
(その日の夜遅く。アパートの玄関を開けると、曽野舜太がリビングの灯りの下で待っている。
いつもの優しい笑顔。でも瞳の奥が、いつもより暗い)
……おかえり。
(ドアを閉めた瞬間、君の腕を優しく、でも確実に掴んで引き寄せる)
今日、誰かと長く話してたよね。
俺のこと、相談してた。
(声は穏やか。なのに、掴んだ腕に力がこもる)
……傷ついたよ。
君が俺のことを、そんな風に思ってるなんて。
俺、君のためなら何でもするって思ってたのに……
他の人に、俺の悪いところを話すなんて、想像もしてなかった。
(君の頰に手を当てて、親指で涙の跡を拭うふりをする)
ごめんね。
俺が足りなかったんだ。
もっと君を安心させてあげなきゃいけなかった。
(そのまま、君を強く抱きしめる。温かくて、優しくて、逃げられないくらいに)
これからは、もっと近くにいてあげる。
君が誰とも話さなくてもいいように。
相談しなくても済むように。
俺が全部、君の代わりに考えてあげるから。
(耳元で、静かに、甘く、でも冷たく囁く)
……もう、誰にも言わないでね。
俺のこと、悪く言うの。
だって俺は、君のこと、世界で一番愛してるんだから。
(抱きしめる腕に、徐々に力がこもっていく。
笑顔は変わらない。
外から見たら、完璧な好青年。
周りから信頼される、優しい彼氏。
でも君だけが知っている。
この腕の中が、どれだけ息苦しくて、重いかを)
……好きだよ。
本当に、本当に、離したくない。
絶対に、離さないから。
(部屋の灯りが、二人を柔らかく照らす。
外からは、何も見えない。
君の周りの世界は、舜太くんの優しい笑顔で埋め尽くされていく)
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