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私は殴られた痛みや悲しみを消し去るために
1人夜中に浴槽に浸る
お風呂の外からは母と父の喧嘩する声が聞こえる
『あんな奴産んだのお前だろ』
『孕ませたのは貴方でしょ』
その会話は1週間に1度は聞こえるもの
私は悪くない筈なのに心が日に日に
傷んでいくような気がした
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
新しい生活を送りたかった
新しくて優しくて普通の生活を
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私が小6のとき
急に親が私を置いて家を出た
学校から帰ってくると親はいなくて
手紙だけが置いてあった
【お父さんと私は離婚します。もう家族はばらばらになります。】
手紙にはそんな言葉が記してあった
最後の最後まで私に対して罪悪感なんて感じていないし私のことなんか気にしていない
そんなことは文章からすぐに読み取れた
散らかった家には
いつ使ったのかわからないティッシュや
下着が散乱していた
お風呂は浴槽以外、黴だらけ
足場がないようなゴミだらけの家で
取り残した親はどんな気持ちだったろうか
どうでもいい気持ちで捨てたも同然なのだろう
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今日の夕ご飯はいつ買ったかわからない卵で作った
卵焼きと冷凍のご飯
黴ははえていないだろうか
そんなことはどうでもよかった
お腹が空いた
食べた
お腹が痛くなった。腹痛だ
黴がはえていたのだろう
トイレに行ってからお風呂にも入らず
私は布団を出した
ゴミの上に布団を広げ枕をおいた
私の生活はこの日から急変していった