テラーノベル
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※鯨人、後街、kさん視点
たまに相方の顔は悲しそうな時がある。
でも、おれが話しかけると楽しそうな顔になる。
楽しそうだけど、どこか寂しそう。まるで犬みたい。
おれはその顔が気になって仕方がなかった。
会った時からバイバイするまで相方の顔を眺めた。何もわかんなかった。
「うーん…」
どうしてあんな悲しそうな顔をするんだろう?
どうしてずっと笑わないのかな?
毎日がエブリデイなくらい明るいおれには分からなかった。
「金子、何考えてるの?」
後ろから出てきたおれの相方。
「ん?あ〜…なんでもない」
そんな顔されると話しずらい。
「なんでもないって何?教えてよ、何考えてたの? 」
笑わないでよ、余計目立ってるよ。
「なんか、抱え込んでたりしてない?」
「え?してないよ!」
手と頭を横に振って、自分は全然平気だよーとやる。
「…そっか、ならいいけど!」
苦笑いを浮かべ、あすわから離れようとする。
その時、あすわが腕を掴んできて目を合わせてくる。突然の出来事で困惑し、何も動くことが出来ない。
「良くないだろ?言ってよ」
「あすわ…」
なんでこいつはおれの顔に気づいて言えるのかな?
おれには気づくくせに、自分は気づかないのかな?
このこと、笑顔じゃなくていいから正直に言ってほしい。
重くなってもいいから、なんでも言ってほしい。
だから、
「阿諏訪は、本当に平気なの?」
この言葉に阿諏訪は握っていた手を離して目を逸らした。
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