署内のロッカーで荷物整理をしているとキャップが話しかけてきた。
「つぼつぼ、どうしてもこの話がしたいんだ。昨日久しぶりにあのアニメを見返してな…」
「お、どこまで見たんすか?無線邪魔だな、抜けるか。」
「まだ5話までしか見れてないが、あの時主人公が…」
あそこが好きだ、あれが感動すると興奮してセリフを言い合いながらアニメ談義をする。キャップは無事に作戦成功したと内心ホッとしていた。
「『こっち準備完了。上空飛んでるよー。』」
「『了解、空いてる人達駐車場集合で。』」
「『あれこれ誰かつぼ浦呼びに行かないとじゃん。』」
「『らだおが電話すれば良いんじゃないか?』」
「いやあそこの戦闘シーンがめちゃめちゃカッコ良い!…あ、電話だ…もしもしアオセン?」
「つぼ浦ちょっと駐車場に来て?」
「駐車場すか?なんだ?」
外に出ると目の前に鮮やかなオレンジ色のヘリが降りてきた。
「つぼ浦誕生日おめでとー!」
「「「おめでとー!!!」」」
「えっ?誕生日?今日何日?」
「9月3日、自分で忘れるなよw」
「今日俺誕生日か!これプレゼント!?こんな豪華なの良いのかよ、ありがとう皆!!!」
大興奮でヘリの周りをグルグル回り、目を輝かせながら喜んだ。
「よしつぼつぼ、らだお君隣に乗せてその辺飛んできなさい。」
「え?キャップ乗らないんすか?てか皆乗ってくださいよ!」
感謝の気持ちも込めて誘ったが署員達にいーからいーから、と背中を押され青井と運転を変わった。
「本当に良いのか?行っちゃうぞ?」
「「「いってらっしゃーい!!」」」
遠慮しなくて良いのにな、と青井に問いかけながら飛び上がった。
「バザードやっぱめっちゃ良いな!アオセンどっか行きたい所あるすか?」
「とりあえずつぼ浦に渡したいから空港かな。その後はじゃあー…デスマウンテンの頂上。ピン刺すね。」
「おっしゃ行くぞー!…うわこれ色もすげー!」
「なんとこれね、BIGカスタムです。」
「流石BIG、良い仕事しかしねぇ。」
デスマウンテンの頂上に降りる。警察になったばかりの頃とは比べ物にならないぐらい安定した運転を見て関心した。
「お前本当ヘリ上手くなったなぁ。IGLやる気あったらな…」
「イン現場リーダーすか?ああいうのはもっと適任がいるだろ。」
「適任ねぇ、俺はそれが真面目にやった時のつぼ浦だと思うけどね。」
「俺はいつでも真面目だが?」
大きく深呼吸して新鮮な空気を堪能してから座った。少し強い風がつぼ浦のアロハを翻す。
「こんなに自然に囲まれるのも久しぶりだな…すぅぅ…ヤッッホーー!!!」
「びっ!…くりしたぁ、急にやめてくれw」
「アオセンもやってみたらスッキリするぜ!」
「そぉ?…ヤッホー!!…おぉ、気持ち良いな。」
「だろ!ヤッッホー!!」
「お前はずっとそうやって元気でいてくれな。好きだわ。」
「もちろん、俺はずっと元気だぜ。」
つぼ浦には本当にずっと元気でいてほしい、一生病気も怪我もしなければ良いのに、と願いながら暫く街を見下ろした。
「俺個人でもプレゼント用意したかったんだけど思い付かなくてさ、ごめん。一緒に買いに行きたい。」
「え?そんなん良いすよ、もうこんなデカい物貰ったんだから。」
「俺があげたいの。この後行くか?」
「皆にお礼言いたいし今日は仕事したい。」
「じゃあ明日行くか。何欲しいか考えといて。」
「欲しい物か、うーん……そろそろ戻るすか。」
「そうだね、仕事するかー。」
「あ、そうだ!ステッカー貼って良いすか?」
「その辺はご自由に。」
「よし、これ貼っとけば事件現場行けるからな!」
「えぇ?wうーん…まぁ良いか。」
特殊刑事課ステッカーを両側面に貼ってから乗ると事件通知が鳴った。
「早速きたぜ!『青井&つぼ浦ザバザード、向かいまーす!』」
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