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放課後、片付けも終わって部室に残っていたのは数人だけだった。
霧春「なあ」
「ん?」
霧春「咲乃と彩希ってさ」
嫌な予感がした。
霧春「どっちが攻めなん?」
「……は?」
一瞬、空気が凍った。
彩希「……っ」
彩希が小さく固まったのが分かった。
縁介「あー、確かに」
龍介「あんまはっきりとは分かってねぇよな」
「ちょ、ちょっと待ってそれどういう意味!?」
敬「いやそのまんま。付き合ってるから考えてんのかなって」
彩希「……」
彩希は俯いたまま、しばらく黙っていた。
(あ、これまずいやつだ)
「えっと!その話は終わり!はい解散!」
陽人「えー」
蓮「ノリ悪っ」
そう言いながら男子たちは部室を出ていった。残ったのは、私と彩希だけ。
「は、ははっ。あいうら何言ってんだろ。…ごめん」
彩希「ううん」
でも彩希はどこか落ち着かない様子だった。
彩希「ね、咲乃ちゃん」
「なに?」
彩希「……咲乃ちゃんは、どっちだと思う?」
「どっちって?」
彩希「……だから」
一瞬、目が合った。
「え、えっとぉ……考えたことないかなぁ…ははっ」
彩希「そっか」
そう言った彩希は、少しだけ間を置いてから私の手首を掴んできた。
「……っ///?」
彩希「じゃあ、うちが攻めでもいい?」
「へ…?」
返事をする前に、彩希が一歩近づいてくる。
彩希「聞かれたまま何もしないの、なんか嫌じゃない?」
耳元で囁かれて、思考が止まった。
「さ、彩希……近い……」
彩希「近いの、嫌?」
「……嫌じゃないけど……」
彩希は少しだけ安心したように笑って、今度は指を絡めてきた。
彩希「じゃあいいよね」
「な、なにが……」
彩希「今日はうちが攻め」
「……っ!」
彩希「冗談だよ」
彩希はそう言うとぱっと手を離した。だけど私はまだドキドキしていた。