コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
~昨日~
「ねえ、なんで俺一人じゃダメなの?」
マイキーはそう言ってココの目を覗いた。
「なんでって…。誰のおかげで俺らが被害受けたと思ってるんですか…。」
ココくんは呆れ顔でそう返す。
「でも、ちょっとショッピングしに行くだけだよ?」
マイキーは不機嫌そうなトーンでそう言った。
しかし、春千夜くんもココくんもためらわずに言った。
「「それが危険だって言ってるんですよ!」」
昨日。マイキーくんがさらわれて、その時に取り返すための大乱闘スマッシュヤンキーズになったが、一人残らず負けたらしい。
…だから、俺らが来たんだが。
しかし。反省もせずその日の夜に買い物に行こうとしたところをマイキーは止められたのだ。
いや。自業自得でしょ。
俺は机の上にあるせんべいをほおばりながら思った。
関東卍會のメンバーは、未だにやいのやいの言っている。
その時だった。
「じゃあ、総長、明日花垣と行ってください!」
え…?
「は!?」
意外にも大きい声が出て、自分でも驚いた。
「あ…っと…何でもないです…。」
俺はそう言って黙り込んだ。
…だが、面々が優しいわけもなく、春千夜くんもマイキーも賛同していた。
え…これ、行かなきゃいけない?
「…分かったよ…行けばいいんでしょ!?」
俺は投げやりでそう言った。
で、今日に至る。
俺には服のセンスが皆無なので、母さんと千冬に話したら見事にとてもかっこいいファッションにしてくれた。
黒のジャケットに白T、ズボンはジーンズ。
二人とも天才か?と思うほどぴったりだった。
それに、今は7月なのに、少し肌寒いから大正解だ。
:今のみっちの姿↗:
「ごめんタケミっち、遅れた。」
マイキーが来たようで、俺は視線をマイキーへと向けた。
「…特攻服脱いだだけ?」
全身黒だったから俺はそう疑った。
「うん。」
マイキーは、それはもう快活な声でそう言った。
…マジかよ。
やっぱすげぇや。このままでもかっこいいもん。
「でも、タケミっち、今日はめずらしくダサくない。」
「俺ってどういう認識なんすか…。」
俺は疑念の眼差しをマイキーに向けた。
「じゃ、行こう。」
マイキーはそう言ってショッピングモールに入っていった。
「で、何買おうと思ってたの?」
「本当はね…特に何もない。」
「は!?」
マイキーはそう言って、こちらを向いて悪魔的な笑みでそう言った。
「ただ一緒に外出したかっただけだもん。」
…騙された。
マイキーはそう言うと、「どら焼き屋あるよ!」と言って駆けだした。
楽しそうだし、いいか。
俺はマイキーの後を追った。
その時。
「よっ。」
「わっ!?…って千咒か…。」
バニラのアイスを手にした千咒がこちらに話しかけてきた。
「なに?」
「いたから。呼んだだけ。」
そう言って、千咒はアイスを一口なめた。
長袖羽織ってるのにアイス食べてるよこの子。
「矛盾がすごいね…。」
「だろ!」
でも、本人は楽しそうだし、いいか。
「じゃあ、俺マイキーと来てるから。またね。」
「おー!またな!」
千咒がそう言うと、俺はマイキーの後を追った。
ショッピングを初めて一時間。
マイキーの服を数枚買って、クレープとどら焼きとたい焼きを食べて、少しゲームセンターで遊んだ。
そして、今はアクセサリー屋に来ている。
なぜかって?マイキーが「なんかお土産買わないと春千夜があからさまにすねる」って言っていたからだ。
で、話し合った結果、今預かっている六波羅メンバーの分まで買うことになった。
まあ、俺には最強の武器「ブラックカード」があるからどうってことはない。
俺の家、なかなかに経済面と情報面で強すぎる。
とりあえず、今は店内を散策している。
その時、一つのネックレスが目に留まった。
四つ葉の緑のネックレス。
俺がヒナに「思い出」であげた、あのネックレスだった。
俺はそこに近づく。
すると、マイキーも何かに気づいたようで、そっと俺に近づいて「お土産、ネックレスにするか。これ以外の。」と言った。
そして、ネックレスを探し始めた。
結晶のようなもの。鏡のようなもの。様々な形のものがあった。
そんな中、マイキーが俺に「ねえねえ」と俺に話しかける。
「何?」
「これ、良くない?」
そう言ってマイキーが見せてきたのは、アルファベットのネックレスだった。
:これ↗:
「みんなの名前のローマ字から一文字取って、そのネックレスをプレゼントすればいい。」
マイキーは、きらきらした眼を俺に向けた。
…なんでこうも皆様方センスがよろしいのでしょうか。
俺は迷わずに「うん、そうだね。」と答えた。
「じゃあ、まず、俺は万次郎だから…Mで合ってる?」
「うん。合ってる。」
そう言って、二人で一人一人のローマ字頭文字を確認しながら手に取った。
:購入したのはこれです!([]内は購入色):
:万次郎→M[赤] 武道→T[黄緑]:
:春千夜→H[白] ココ→K[薄灰](二人とも名前をド忘れしたためココはあだ名):
:鶴蝶→K[茶] 蘭→R[桃] 竜胆→R[紫] 獅音→S[青] 莞爾→K[濃い緑]:
:では!:
「ただいま。」
マイキーがそう言ってアジトの中へと入った。
「お、おかえり!」
「ボス!大丈夫でしたか!?」
春千夜はそう詰め寄った。
「待て待て。とりあえず、全員座れ。」
マイキーが全員をそう諭した。
「…お土産を買ってきた。」
その一声ですべての緊張が和らいだ(気がした)。
「いらねぇやついる?いねぇよな!?」
…昔のノリ。
なんか懐かしかった。
「じゃあ、渡してくぞ。」
マイキーは、一人一人手渡しで渡していった。
全員に渡し終えた後、ココにひたすら疑問符が浮かんでいた。
「俺だけあだ名なんだが…。」
ココはそう言ってもらったネックレスを見つめていた。
「ココくん…その…名前忘れちゃって…許して。」
俺は死ぬ覚悟でそう言った。
しかし、当人はなんの反応もなし。
「別にいいや。色きれいだし、なんかこっちのほうがしっくりくる。」
そう言って、ココくんは少し微笑んだ。
「で、ココ。名前、何だ?」
マイキーは容赦なくココくんに聞いた。
「一(はじめ)。九井一です。」
…。
そういえばそうだった。
俺は自分で苦笑した。
「でも、総長も花垣も覚えてたら春千夜と被るところでした。」
「なんだその感謝みたいな言い方は!?」
春千夜くんがココくんに食ってかかる。
「まあまあ…。」
俺はそう言って二人を諭そうとした。
しかし、収まる気配もない。
その時だった。
「あと、おまえら。ケーキ屋でケーキ買ったんだが、食べるか?」
マイキーがそう言ってケーキの入った箱を見せた。
蘭は「ケーキ!?」と反応する。
みんな目を見開いていた。
…今日くらいは、いいかな。
俺はみんなの前に立ち、言った。
「…ケーキ含め、今日は俺の奢りです!」
To be contenued…