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(RAN視点)
今日、カイリュウが本当の事を言ってくれなかったのがショックで、一日中カイリュウと距離を置いてしまった。
お互い午後から別仕事があったこともあり、顔を合わせることもなかったけど、最後に見たカイリュウの表情が、なんだかいつもと違う気がしてずっと気になっていた。
「……はぁ、気になる……」
カイリュウの様子が違ったことも、
なんで嘘をついたのかも、
昨日たっくんとどんな話をしたのかも、
……たっくんに惹かれ始めたのかも、
何もかもが気になる。
俺が勝手に嫉妬して怒ったことで、離れていってしまうかもしれない。
大人で、余裕のあるたっくんの方が良い、なんてもし思われてしまったら。
「……あ〜、!無理……っ、」
もしかしたらなんて、考えたくない。
ベッドで寝転びながら、LINEを開く。
『今日は勝手に怒ってごめん。元気なさそうに見えたけど、大丈夫?心配だから行ってもいい?』
カイリュウに送信して、スマホを投げた。
……俺、重いよなぁ、、なんて自己嫌悪に陥りながら、枕に顔を埋めた。
***
夜中になっても、カイリュウからの返事は来なかった。
付き合ってもないのに干渉して、俺が重くて嫌になったのかも。
それとも、何かあったのか。
……1番最悪なパターンは、、
たっくんに電話をかけようとして、寸前で放り投げる。
「…いや…それはやばいやろ俺…うわ、今日寝れんわ……」
明日はオフでカイリュウに会えない。
すぐにでもカイリュウの家に行きたいと逸る気持ちを抑えて、無理矢理寝ようと布団を被った。
***
朝起きて、一目散にスマホを確認する。
返信は無かった。
万が一の事もあるかもしれないと居ても立ってもいられず、カイリュウの家へ向かった。
もう少しで着くというところで、スマホの着信音が鳴る。
スマホを見て”カイリュウ”の文字が目に飛び込んで来た瞬間、慌てて電話に出た。
「っ、カイリュウっ、?!」
「ラン、ごめん…っ、スマホの充電切れてもうてて、今通知見てん…」
カイリュウの声が聞けたことと、やっと連絡が取れたことに泣きそうになる。
「そうやったん…よ、よかったぁ…っ、」
「心配かけてごめんな、?」
「無事ならええんよ…、昨日はごめん。」
「っ、いや…俺も、言い方良くなかったよな、…ごめん、」
「っ……カイリュウ、会いたい。もうすぐ着く。」
「えっ?!着くって、え?ほんまに、?」
マンションに着いて、ベランダにいるカイリュウが遠くから見えた。
「……ほんと。下、見て、?」
ベランダの下に着くと、カイリュウが身を乗り出して、俺を見た瞬間嬉しそうな顔をした。
その顔を見た瞬間、また泣きそうになって、たまらなく愛おしくなる。
「ほんまにおるやんっ、!(笑)」
そう言って手を振ってくれるカイリュウ。
手を振り返しながら電話を続ける。
「心配で来ちゃった。」
「…っ、ごめんな、ほんまに…」
「ううん。体調とかは大丈夫?元気なさそうだったから…」
「…実は昨日熱出てん、」
「えっ?!それ早く言ってよ!!大丈夫なんっ、?!」
「いや、もう下がったから大丈夫やって、」
「本当に…、?もう辛くない?平気…?」
「…うん、…ほんまに、もう大丈夫やって。ありがとうな、ラン。」
ホッと胸を撫で下ろしていると、電話越しにカイリュウの驚いた声と、”たっくん”というワードが聞こえた。
「えっ、?かいりゅ…、っ、…!!
カイリュウの隣に、突然たっくんが現れ、目が合った瞬間頭が真っ白になった。
…っ、なんでたっくんがカイリュウの家にいるんだよ。
一瞬で嫌な想像がワーッと頭に浮かんで、
どうしよう、と内心パニックになる。
「…ランっ、」
耳元でカイリュウの声がして、我に返る。
「…カイリュウ、降りて来れる、?」
精一杯落ち着いた声で、そう伝えた。
***
(TAKUTO視点)
カイリュウが手を振った後、電話越しに「ラン」と言った瞬間にランが下にいると確信した。
俺の姿を見たらきっと動揺する。
そんなずるい考えが浮かんで、ベランダから身を乗り出した。
想像通りの顔をするラン。
その顔を見てか、ランの名前を呼ぶカイリュウ。
「…うん、わかった。……ちょっと待っててな、」
ランに何か言われたのか、カイリュウがそう返事をして電話を切った。
電話を切る瞬間、カイリュウが泣きそうな、切実な表情をした。
そんな顔、しないでよ。
俺のせい。
俺がこんな顔にさせた。
閉じ込めていた罪悪感が、溢れ出る。
今、自分の欲を出してしまったら、壊れてしまう気がした。
「たっくん、「俺やっぱり帰るね。」
「えっ…」
「そういえば予定あったんだよね。…熱、下がったばっかりなんだから、無理すんなよ?」
精一杯大人を演じて、ニコッと笑ってカイリュウの頭を撫でた。
「っ…たっくん、……また今度、お礼させてや…、?」
「ふふっ。義理堅いな?…うん、ありがとね。」
それだけ言って、玄関に向かう。
「ラン」と寝ながら口にしていた事を何度も思い出しながら、本当にいいのかと自分に問う。
カイリュウの泣きそうな顔で脳内が上書きされる。
今は罰を受け入れるしかなかった。
外に出ると、ランと鉢合わせる。
「…たっくん、」
「熱、下がったばっかりだから、あんま無理させんなよ。」
「……わかってるよ。」
「…聞かないんだ?なんで居たか。」
「なんとなくわかるから。…ありがとね、看病してくれて。」
「…ランは本当に優しいね。」
「……そんな事ねぇよ。本当は腹立ってるし。」
「ふっ、(笑)…ラン、」
「ん?」
「……ごめんね。」
「…何が、?」
「なんでもない。じゃあね。」
何も知らないランに、それだけ言って車に向かった。
***
(RAN視点)
「ごめんね」というたっくんの言葉が引っかかる。
心がザワつき始めるのを感じていると、カイリュウが外に出てくるのが見えた。
「ラン、」
不安そうな、少し泣きそうな顔をしていた。
一瞬でたっくんの言葉が飛ぶほど、その表情に苦しくなった。
「っ…カイリュウ、大丈夫、?熱は、、?」
カイリュウの肩を掴んで、おでこに手を当てる。
「だ、大丈夫やって…っ、ありがとうな、?来てくれて…」
カイリュウに近づいた時、嗅ぎ覚えのある匂いがした。
たっくんの、香水だ。
「……カイリュウ。寒いから、これ、着て。」
「えっ、大丈夫やって…ランが寒いやん、」
「いいから着て」
たっくんの匂いを上書きするように、俺の上着をカイリュウに着せた。
せめてもの抵抗だった。
「っ…うん、…ありがとうな、?」
「…ちょっとだけ、時間くれる、?」
カイリュウの腕を掴むと、うん、と返事が返ってきた。
***
マンションを出て、2人で当てもなく歩くと、カイリュウが口を開いた。
「…ラン、ほんまにごめん。昨日、仕事終わったら熱あるなって気付いてん…それで…「昨日、勝手に怒ってごめん。カイリュウと連絡取れなくて、どうにかなりそうやった。…本当に無事でよかった、」
カイリュウの言葉を遮って、そう言って抱き締めた。
やっとカイリュウと話せた嬉しさと、”たっくん”という言葉が出てきそうな不安が入り交じって、身体が勝手に動いた。
抱き締めるなんて、困らせるだけだと分かっていても、止められなかった。
「っ…ラン…、」
「困らせてごめん…カイリュウの顔見て、声聞いたら、俺っ…、……会いたかった、カイリュウに。」
感情が溢れ出して、 抱き締める力が強くなってしまう。
ああ、やっぱり俺って重いな。
付き合ってもないくせにこんなことして。
離れなきゃ。
そう思った瞬間、背中に手が回って、服をぎゅっと掴まれた。
「うん…、ありがとうな、来てくれて。……俺もほんまは、会いたかった。」
……っ、え、っ、?
「……っ、カイリュウ、?」
「…ランが怒ってたん、怖かってん…ほんまは…。もうこのまま話せへんのかなって…正直、寂しかってん。…やから、来てくれて嬉しかったで、?」
俺に抱きしめられたまま、珍しく素直な気持ちを言うカイリュウに心を撃ち抜かれる。
「////っ……」
「……な、なんか言うてや、ラン…」
俺が悶絶していると知らずに、不安な声でそう漏らすカイリュウ。
「す……っ、……」
「ん、?」
「す…、まほ、…充電、切れてただけで、よかったわ…、」
思わず”好き”と言いそうになって、なんとか誤魔化した。
「うん…連絡くれてたのにごめんな、?」
「ええよ、もうこうやって会えたし」
「……ラン、」
「ん?」
「……もう怒ってへん、?」
「怒ってないよ?」
「ん…ならよかった、」
「うん…ごめんな、怖がらせて…」
「…今日は、ちゃんと付けてるからな、?」
「えっ、?」
「これ。」
身体を離して、腕を見せてくるカイリュウ。
ブレスレットが光っている。
それを見て、思わずニヤけそうになって手で顔を覆い隠す。
「っ…ああ、もう…、//」
「なんやねん…っ?」
「ずるいって…」
「ず、ずるい、?」
「なんでもない……っ、」
無自覚なのかなんなのか、惑わせてくるカイリュウに、少しだけ、自惚れてもいいのかな、と浮かれた気持ちになった。
#nmmn注意
𓈒 ໋☪︎
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コメント
7件
やっぱりたっくん優しい😭このまま距離取るのかとか楽しみすぎますっ💕

たっくんに感情移入しすぎて胸がぎゆってなりました😖世界観に入っちゃうくらい最高すぎます‼️続きが楽しみすぎる🫠