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#転生
コシ
103
耀聖(ようせい)
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『偽りの無能、真の覚醒〜転生皇女はすべてを奪い返す〜』
私が放った暗殺者に魔力を仕込み、南のバロア王国へと送り返してから、数日が経った。
私の自室の空中には、再び『遠隔投影魔術』の画面が浮かび上がっている。アルベルトお兄様とリンが私の左右に控え、
冷徹な笑みを浮かべながらその映像をじっと見つめていた。
画面の向こうに映し出されているのは、バロア王国の豪奢な一室。
そこには、謹慎中であるはずの
第一王子・カイルと、浮気相手の偽聖女・エレン、
そして今回の使節団を指揮する第二王子の姿があった。
彼らは、自分たちが放った最高峰の暗殺者『毒蜘蛛』が戻ってくるのを、
今か今かと待ち詫びていたのだ。
『カイル様、まだかしら……。
あの女(ローゼマリー)さえ消えてくれれば、ガルディニア帝国は混乱し、私たちの要求を飲ませやすくなりますわよね?』
エレンが下品な笑みを浮かべながら、カイルの腕にしがみつく。
『フン、当然だ。帝国の一人娘が死ねば、悲しみに暮れる皇帝どもに、
救済の食料や資金を出させる交渉など容易い。
これで俺の王位継承権も戻るはずだ。
すべてはあの無能の悪女、シャルロットの呪いから始まった不運
……ここで一気にひっくり返してやる』
カイルは醜い野心を隠そうともせず、歪んだ笑みを浮かべていた。
(本当に、反吐が出るほど浅はかな男)
画面のこちら側で、私は冷たい溜息をついた。
その時、部屋の扉が開き、全身を黒装束に包んだ暗殺者
――『毒蜘蛛』が、ふらりとした足取りで部屋の中へと入ってきた。
『おお、戻ったか! どうだ、帝国の皇女の首は獲れたのだろうな!?』
カイルが嬉しそうに立ち上がり、暗殺者へと駆け寄る。
だが、暗殺者は何も答えない。
ただ、虚ろな瞳でじっとカイルを見つめている。
アルベルトお兄様の精神魔法によって、彼女の意識はすでに完全に破壊されていた。
『おい、どうした? 復命しろ!』
カイルが不審に思って彼女の肩を掴んだ、その瞬間だった。
ピキ……ピキピキピキッ!
『――え?』
暗殺者の身体から、突如として凄まじい密度の紫色の魔力が溢れ出した。
それと同時に、彼女の足元から激しい冷気が噴き出し、
カイルたちの部屋の床が一瞬で真っ白な氷の結晶に覆われていく。
『な、なんだこれは!? おい、お前、何の魔法を……ひっ!?』
カイルが慌てて手を離そうとしたが、もう遅い。
暗殺者の影から這い出た巨大な氷の蛇が、
カイルの両足を床ごとガチガチに凍りつかせ、その場に縫い付けた。
『いやあああ! 冷たい! 部屋が、部屋が凍っていくわ!? カイル様!』
エレンが悲鳴を上げて逃げようとするが、部屋の扉も窓も、すべて分厚い氷の壁によって完全に閉ざされていく。
脱出不可能の、絶対零度の密室。
そして、凍りついた暗殺者の口が、ゆっくりと動いた。
発せられたのは、彼女自身の声ではない。
魔力を通じて響く、冷徹で気高い、私の――ローゼマリーの声だった。『――愚かなバロア王国の使者たちよ。
我がガルディニア帝国へ牙を剥いた罪、その身に刻みなさい』
『この声……帝国の、ローゼマリー皇女……!? なぜだ、なぜお前が……っ!』
カイルは恐怖に顔を歪ませ、凍りついた足の痛みに絶叫した。
その部屋の天井に、限界まで凝縮された巨大な氷の槍が、無数に浮かび上がる。
『最初の警告よ。我が帝国へ泣きつきに来る使節団の命、
生かすも殺すも私の気分次第だということ、忘れないことね』
ドガガガガガガァァァン!!!
凄まじい爆音と共に、氷の槍がカイルたちのすぐ真横の床や壁へと容赦なく突き刺さった。
あえて命は奪わない。
だが、凄まじい衝撃波と冷気の刃が、彼らの皮膚を切り裂き、心を完全に圧折する。
『ひ、ひぃぃぃ! 助けて! 助けてくださいぃぃ!』
床に這いつくばり、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら命乞いをするカイルとエレン。
かつて私を無能と笑い、崖から突き落とした男たちが、
今や私の声一つに怯え、惨めに命乞いをしているのだ。
画面を静かに消去し、私はふぅ、と深く息を吐いた。
「見事な手際だ、ローゼマリー。
あの男たちの怯え切った顔、実に見物だったよ」
アルベルトお兄様が、嬉しそうに私の髪を撫でてくれる。
リンも「スカッとしました! でも、これで終わりではありませんよね?」
と、私の次の行動をワクワクした目で見つめていた。
「ええ、もちろんよ」
私は窓の外、南の空を見据えた。
今回の件で、バロア王国は完全に戦意を喪失したはずだ。
帝国の圧倒的な力を前に、もはや彼らは、
差し出された蜘蛛の糸(罠の援助)に縋り付くしか道はない。
「お兄様、バロア王国の使節団を、正式に我が国へ招き入れましょう。
彼らが恐怖に震えながら、我が国に足を踏み入れるその時が……」
私は冷徹に微笑んだ。
「シャルロットとしての、最後の審判の始まりよ」
仇敵たちの心を完全にへし折った私は、
次なる最終決戦の舞台である『帝国での謁見』に向けて、
冷酷に、そして優雅に微笑むのだった。
コメント
5件
なんかちょっとスッキリしたw 良かったよ!私もそろそろ書かないとなのに全然やる気が出なくてねw
最高!!!!!!!!
「待って、この回めっちゃスカッとする……!」 暗殺者を逆に操って送り返す発想、最高だよ。氷の蛇とか槍とか、ビジュアルもゾクゾクする。カイルとエレンが這いつくばって泣き叫ぶ姿、ちゃんと見たかったな。“シャルロットとしての最後の審判”って台詞、すごく決まってて鳥肌立った。復讐の積み重ねがここで爆発した感じがたまらない。次が楽しみすぎるよ🥀