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ena🐱一週間猫化とぶりっ子
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楽しいの周り
人の笑い声が嫌いだ。声が耳に刺さるぐらいうるさいし、気持ちが悪い。何より、自分が馬鹿にされているように感じてしまうのだ。
笑い声を聞きたくなくて学校に行くのをやめた。人の機嫌をとることも自分自身が笑うこともやめた。家に引きこもって一日中スマホを触っていた。そうやって笑い声から離れようとしても、世界には笑い声なんて泣き声よりも多いから嫌でも聞いてしまう。嫌だなと思いながら動画を見る。
『あははははは
思わずスマホを投げ捨ててしまう。笑い声、、、そんなもの、気をつけていても聞いてしまう。家でも音楽を聴いていないと色々なところから笑い声は耳に入ってくる。だからってずっと音楽を聴いていても間違えて笑い声が入っているものもきいてしまう。本当に嫌だ。
他の人と同じようにできたら、同じように笑えたら、それはどんなに良いことだろう。別に笑い声が嫌なだけで楽しいことは好きなのだ。みんなの話に混ざりたい。ふざけて笑いたい。
でも、自分自身がそれを許してくれない。
今日はいつもよりスマホの音量を大きくしていた。暑い夏の日、毎年この日はうるさくなる。とても憂鬱な日。、、、家のチャイムが鳴る。母親が出る。そして自分を呼ぶ。毎年こうだ。学校に来なくなった自分のことを毎回誘いに来る馬鹿がいるのだ。行けるわけないのに。それぐらい相手も分かっているはずなのに。どうせ行かないから誘わないでほしい。誘われなければ行きたいなんて強く思わないのに。ずるいなんて感じないのに。
もう嫌だ、、、
台所に立っていた。両親は仕事でいない。ただ1人暗い台所にいた。
気づいたんだ。笑い声が無理なら、
笑い声が聞こえないようにすれば良いんだ。
包丁を持つ。最近買ったという新しい包丁。耳に近づける。やっぱり怖い。でも、今がずっと続くことの方が怖いし嫌だ。
勇気を振り絞って耳に包丁を当てる。
床が赤く染まる。掃除どうしよう。新聞でも敷いておけばよかった。
また包丁を耳に当てる。
あはは
ENDー9 「嫌いを殺した狂人」