テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
らい🎀
ぱらぱらちゃーはん
196
190
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
𝕃𝕖𝕥’𝕤 𝕘𝕠!!
裕福な男「今日からこいつはこっちで使う」
淡々とした声だった。
裕福な男「……0818」
呼ばれて、顔を上げる。
裕福な男「ついてこい」
逆らう理由はなかった。
連れてこられた場所は、今までと違っていた。
広い部屋。
整った家具。
静かな空気。
ーここは、なんだ。
裕福な男「お前には簡単な仕事をしてもらう」
男は振り返らずに言う。
裕福な男「掃除、雑用、それくらいだ」
0818「……はい」
それだけでいいなら、楽だと思った。
裕福な男「失敗するな」
0818「はい」
一怒鳴られない。
一殴られない。
それだけで、十分だった。
最初の仕事は、床の掃除だった。
何も考えずに、手を動かす。
0818「・・・・・・ 」
男は少し離れた場所で、それを見ていた。
裕福な男「……名前は」
不意に、そんな言葉が落ちる。
0818「……0818です」
迷いなく答えた。
一瞬の沈黙。
裕福な男「……そうか」
男は、それ以上何も言わなかった。
_それでいい。
0818は、そう思った。
何も聞かれない方が、楽だ。
何も期待されない方が、楽だ。
一裏切られないから。
裕福な男「それ、終わったらこっちもやれ」
0818「……はい」
最初は、簡単な仕事だった。
掃除。片付け。雑用。
言われたことをやるだけでよかった。
ーこれなら、大丈夫。
そう思っていたのに。
裕福な男「まだ終わってないのか」
次第に、仕事は増えていった。
「遅い」
「手際が悪い」
淡々とした声が、積み重なる。
「次はあれもやれ」
気づけば、休む時間もなくなっていた。
ーやらなきゃ。
そう思うほど、体が重くなる。
手が震える。
視界がぼやける。
それでも、止まれなかった。
ーちゃんとやれば。
ーちゃんとやれば、ここにいられる。
そんな考えが、頭にこびりついていた。
裕福な男「それ、何だ」
の手元を見て、男が言った。
0818「 ……すみません」
小さく答える。
思うようにできなかった。
手が、動かなかった。
裕福な男「…..使えないな」
その一言で、空気が止まる。
0818「・・・・・・」
何も言えない。
裕福な男「こんな簡単なこともできないのか」
一違う。
言い訳が、喉まで出かかる。
でも。
0818「 …..」
声は出なかった。
裕福な男「もういい」
冷たい声が落ちる。
裕福な男「いらない」
一ああ。
またか。
0818は、ただそれだけ思った。
気づけば、外にいた。
0818「・・・・・・ 」
どこかも分からない。
足が、勝手に前に出る。
行き先なんてない。
それでも、止まる理由もなかった。
空は、やけに広かった。
ーどうでもいい。
何も感じない。
腹が空いているはずなのに、それすらよく分からなかった。
ふらつく足で、歩き続ける。
どれくらい時間が経ったのかも分からない。
人通りの少ない路地裏。
壁にもたれたまま、0818は動かなかった。
ここなら、邪魔にならない。
そう思っただけだった。
0818「・・・・・・ 」
目を閉じる。
ーもう、どうでもいい。
そう思った時。
??「こんなところで寝たら、風邪ひくよ」
やわらかい声が落ちた。
0818「・・・・・・ 」
反応しない。
一関係ない。
??「ねえ」
少しだけ近づく足音。
0818はゆっくりと目を開けた。
そこにいたのは、見慣れない男だった。
赤い髪を後ろに流して、
丸い眼鏡の奥で、穏やかな目がこちらを見ている。
白いタートルネックに、柔らかい色の袖。
どこか、場違いなほど整った雰囲気だった。
??「…..大丈夫?」
0818「 ……」首振
??「そっか」
男は、それ以上踏み込まなかった。
??「行く場所、ないの?」
0818「 …..」
少しの沈黙。
0818「……」コクッ
自分でも驚くくらい、あっさり出た。
??「そっか」
また、同じ言葉。
??「じゃあさ」
少しだけ、間を置いて。
??「家来る?」
ーは?
??「無理にとは言わないけど」
??「ここよりは、ましたと思うよ」
やわらかい声。
男は、少しだけ考えるように目を細めた。
??「うーん」
??「来ない、、かな?」
ふわっと笑った。
??「shuっていうんだ」
0818「 ・・・・・」
shuは、少しだけ首を傾げた。
shu「どうする?」
shu「家来てみる?」
ーどうせ。
一また、裏切られる。
そう思うのに。
0818「・・・・・・」
気づけば、立ち上がっていた。
0818「…….」コクッ
その一言で、
また一つ、何かが動き出した。