テラーノベル
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前のアカウントで書いていたエピソードの続きから書いていきます。
夜
刃を当てると真っ赤なものが腕から出てくる。その感覚が不思議でまた切る。
ザシュ、と効果音がつくぐらい深く切ってもまだ足りない。もっと、もっと。
もっと別のところを切りたいけど腕しか隠せる場所がない。
もっと切れるところを探すために体を動かそうとした瞬間、
???「………そこで、なにしてるんや」
誰だ、見つかった。気持ち悪いって言われるかな、いやまず隠さないと。
でも、服汚れるし、あぁどうしようどうしようどうしよう。バラされるかな、せめてカッターだけは、
???「─ひ─、お──、。ひなt─、日向‼︎」
その声で俺はまたハッとした。
目の前にはいつの間にか、北さんがいた。咄嗟に手首を庇うと北さんは少し悲しそうな表情をして、
「そんなに警戒せんくてもええよ。一回落ち着き」
と言った。
「誰にだって知られたない秘密はあるんやから、急に目の前行って悪かったな。」
その声はおばあちゃんと話すときみたいな、とても優しくて温かい何かに包み込まれるようなそんな声がした。
「ごめんな、」
そう言うと北さんは俺の頬に手を当てた。そのときに気づいた。俺が泣いていると言う事に。少し頬が湿っている感覚がして恥ずかしい。止めようとするたびに涙は流れる。止めようと擦るも、
「擦ったら傷つくで。今は一回全部俺にまかしていらんもん全部吐き出し。」
目の奥が熱い。俺は北さんに安心して、なにを話したか覚えていないがいじめられていることや苦しかったことを吐き出した。
「ツ……おれ、ずっと、グスッつらくて、…それで、めいわくかけて、ッ…いないほうがいいと思って…」
「そんなことない、翔陽は頑張っとるよ。今までよう頑張ったな。えらいえらい。」
俺は北さんに全てを任した。俺の思っていることをここで全て行ったのは初めてで知らないうちに自分の限界を超えているみたいだった。
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宮侑視点
北さんがあのむかつくチビを抱えて部屋に入ってきた。
「侑、ちょっと布団ひいてくれへんか」
指示どうりに布団を引くと北さんは日向?って言う名前のやつを下ろした。
侑「北さん、そいつどうしたんですか?」
北「いや、体育館見に行ったらテーピングした状態で寝とったからここまで運んでん」
あのチビはお姫様抱っこできるぐらい軽かったんかな…
それにしてもなんかモヤモヤする。
北さんがそいつを運んできた時、なんかすごいモヤモヤした。
治に話したら、治もそうやったらしい。角名に聞いたら、
「自分で考えなよ、俺はもう間に合ってるけどね」
間に合ってるってなにがやねん。そう言おうとしたけど角名はどっか行ってもうた。
にしても、ずいぶん丈夫にテーピングしてんな。こいつこんなテーピングうまかったか。
前の合宿の時、プリン頭みたいなやつに手伝ってもらってたと思うんやけど…
あぁあかん、イライラしてきた。
コメント
12件
忙しかったはずなのに、こんな早く出してくれるとか神やん!!! さすがとしか言えないです、、、 角名、お前はもしかして自分の恋心に気づいているのか!?
フォローしました! めっちゃよかったです 続き楽しみ!
まじこの物語好きやは