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歪んだそれを……
side.Hr
進行形俺はとある奴にストーカーをされている。
おかしいなと思ったのは数週間前。
買い物して帰ってくる時に誰かの視線があった。いや気の所為だろって思おうとしたけど、どうしても視線は拭えなくて。
その後写真が送られるようになって。
茶封筒に数センチの厚さで定期的に。毎回一言だけ手書きの言葉が添えられていて。
『*好き*』
『*カッコイイ*』
『*いつも見てる*』
『*可愛い*』
ストーカーというものは流石に初めてだったので被害を調べてみると出てくるわ出てくるわあれやこれや。
……それに比べれば、
Hr「……俺の被害なんて可愛いもんだな」
尾行と盗撮と写真送付。
しかもつい先日相手が誰か分かってしまったから。
Hr「……俺の事バカだと思ってんな。そんなんバレるっつーの」
ストーカー相手が誰か分かったのにはキチンとした理由がある。
それは、
『*ずっと前から君しか見えてない*』
俺が人生で欲しくて欲しくて堪らなかった言葉。
俺を見つけて欲しくて。
俺だけを見て欲しくて。
それが、活動を始めた理由の一つ。
俺という存在を肯定されたくて。
ストーカーからだったけど嬉しくて。
ストーカーだからこそ本物の言葉だと思えて。
何度も何度も見返した。
嬉しくて何度かその文字を指でなぞった。
音も無く発音して咀嚼して、恋する乙女のように頬を染めて、その文字を眺めて。
ふと、どこかで見た事がある字だと、気付いた。
芯のある、誠実さが滲み出てる、そんな字。
Hr「あすた…?」
共に活動していく中で何度も見ていたはずなのに。一体なぜ今まで気付かなかったのか。
たまたま持っていたあすたの手書きの書類を取り出すと筆跡が一致した。
Hr「…会いたい」
会いたくて堪らない。
だって、欲しいものを好ましく思ってた人がくれるなんて。
俺も好きだって言ったら喜んでくれるかな?
恋人になったらもっとくれるかな?
もっと自分だけを見てほしい。
撮影を口実に家に呼んだら、、
そこまで思考が進んではたと気付いた。
あすたは男で。勿論俺も男で。
……冷静に気持ち悪くないかと。
考えて考えて。
色々想像もして。
うわっと思いつつも体温が上がって、さながら頭から湯気が上がるくらいぼぼぼっと顔が熱くて。
Hr「俺、好きじゃんこれぇ……」