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Chapter2 光の都,ルミナリア
れる王子が到着してから,数日が経った.
「せっかくですし,王都をご案内します。……よろしければ」
れるは一瞬だけ驚いたように目を見開いたが、すぐに頷いた。「……案内役が姫君なら、断る理由はないな」
ルミナリアは白と金を基調とした美しい都市で中央には大聖堂,周囲には魔法学院,市場,劇場,図書館…
「まるで,絵本の世界だな」
「そうですか?」
「ん!?セラ様や!」 「れる王子やて!」
町人が騒めく中,セラは自然に笑顔を浮かべ手を振っている
「君は,民に愛されているのだな」
「いえ、私は……まだ、何もできていません」
その言葉に、れるは何かを言いかけた。
☕路地裏の喫茶店「月のしずく」
「いらっしゃいませ~.あら,セラちゃんに誰や?珍しい組み合わせやな!」
現れたのは,関西弁の町人,らいむ.
喫茶店の看板息子で、町のムードメーカー。
「らいむさん、今日はお店番ですか?」
「せやで〜。うちの親父が風邪でな……で、そっちのイケメンは誰や?」
「レル・アークレイン。隣国の王子やで」
「「!?」」
「へぇ~王子様かいな。……セラちゃん、気ぃつけや? 王子ってのは、だいたい腹黒いんやで〜?しっかし,関西弁仲間がおったとはなぁ」
「……おい」
「冗談やって、冗談♪」
セラはくすっと笑い、れるは小さくため息をついた。
「あ,せや!広場行ってみるとええで!」
🎻 広場の片隅では…
「さぁさ皆さん、お立ち会い! 本日も“れむ先生”の不思議な錬金ショー、始まるで〜!」
桃髪の錬金術師、れむが、 子どもたちの前でカラフルな煙を上げていた。
その隣では、ひづみとほとけが歌を奏で、 町の空気を優しく包み込んでいく。
れるはその光景を見て、ふと呟いた。
「……この国は、温かいな」
🌒 一方その頃…
「……王子が、城下を歩いてるって?」
黒いフードの男、かなめは、王都の屋根の上で足をぶらぶらさせながら、 下を歩くセラとれるの姿を見下ろしていた。
「ふ〜ん……あの王子、いい顔してる。 でも、セラちゃんには荷が重いんじゃね? ……ま、どうせまた泣くんやろなぁ。あの子は——」
その瞬間。
ドゴォォォンッ!!!
空気が震えるような鈍い衝撃音が、遠くの屋根の方から響いた。
「……なんだ、今の音は」
セラも驚いて振り返る。
「……え、今のって……」
れるはすぐに周囲を見渡した
「爆発音ではない。衝撃,高所からの落下かあるいは——」
「……あっ、もしかして……」
「いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
れるが空を見上げたまま、眉をひそめる。
「……あの声、どこかで聞いたような……」
セラはため息をつきながら、そっと額に手を当てた。
「……また、やってるのね」
「知り合いか?」
「ええ。…… “かなめ”っていう、昔からの知り合い。 悪い人じゃないんだけど……とにかく、手がかかるの」
「……あの叫び声、尋常ではなかったが」
「ええ、だから……いってみましょ?」
セラはいたずらっぽく笑った.
🏙️ 王都・屋根裏の路地裏
「……いったぁぁぁぁぁ……ミナちゃん、手加減って言葉知ってるぅ……?」
瓦の山に埋もれながら、かなめが呻いていた。 その上に、影がふたつ、すっと差し込む。
「……またやったのか、かなめ」
低く、鋭い声。 振り返ると、カイ・ストレイが腕を組んで立っていた。 その隣には、冷静な目でメモ帳をめくるレオン・ヴェルディアの姿。
「また“蹴られた後”に出会うとは。君学習能力はどこへ?」
「ちょ、ちょっと待って!今回はただ見てただけやって! セラちゃんと王子が歩いてるの、ちょっと気になっただけ」
「屋根の上から“見てただけ”って何回目だと思ってる?」
レオンがぴしゃりと指摘する。
「……十五回目だな。記録してある」
「記録すなや!!」