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#ロマンス
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唯⇒主人公(琉夏)⇒由奈の百合です
由奈ちゃんは1度も話さないけど可哀想
主人公は救われないです
長いの書いてるとごちゃごちゃになるからよく分からないかも
「ねえ琉夏〜!今日誰かと帰るの?」
その一言で、胸の奥がぎゅっと縮む。
振り返らなくてもわかる。
この声は、唯だ。
「……まだ決めてない」
嘘だった。
本当は、もう約束してる。
でもそれを言ったら、きっと。
「ほんと?じゃあ、一緒に帰ろ」
唯は私の腕を取る。
いつもみたいに、自然に。
周りから見れば、仲のいい友達。
少し距離が近いだけの、ただの“親友”。
でも――
「……ねえ、最近さ」
歩きながら、唯が言う。
「私より他の子といること、多くない?」
心臓が跳ねる。
「気のせいじゃない?」
「気のせいかな」
笑ってる。
でも、目が笑ってない。
「今日も、誰かと約束してたでしょ」
足が止まりそうになる。
なんで知ってるのだろうか。
約束はメッセージでしたのに。
「……してないよ」
また、嘘。
唯は少し黙ってから、
「そっか」
とだけ言った。
それだけなのに、その一言が怖い。
沈黙が、圧が、とても重い。
「ねえ琉夏」
また呼ばれる。
逃げられない。
「私のこと、嫌いになった?」
「そんなわけないじゃん!」
反射的に否定する。
それは本音だから。
嫌いじゃない。唯といるのは楽しかった。
「じゃあさ」
唯が立ち止まる。
引き止められるみたいに、私も止まる。
「なんで、私に嘘つくの?」
その一言で、全部見透かされた気がした。
「嘘?……ついてない」
苦しい言い訳。
唯は、ゆっくり首を傾げる。
「ふーん」
そして、一歩近づいてくる。
逃げ場がなくなる。
「ねえ」
声が、少し低くなる。
「さっき、スマホ見えたよ。琉夏。」
終わった。
「“今日楽しみだね”って、誰から?」
何も言えない。
言えるわけがない。
だって、それは――
「……由奈?」
名前を出されて、息が止まる。
やっぱりそこまで知ってるんだ。
「ビンゴかな?」
唯が、小さく笑う。
「最近、あの子ばっかだもんね」
違う、と言いたいのに。
言葉が出てこない。
「ねえ」
唯の手が、頬に触れる。
優しいはずなのに、逃げたくなる。
「琉夏、私じゃダメなの?」
その声は、震えていた。
「琉夏の傍にずっと一緒にいたの、私だよ」
「……唯」
「私は琉夏の一番だったよね?」
私じゃダメなの?そんな問いに私は戸惑う
違う、って言えない。
でも、はいとも言えない。
その沈黙が、答えになる。
唯の指が、少しだけ強くなる。
「そっか」
指が離れる
「じゃあさ」
次の瞬間。
ぐっと引き寄せられて――
唇が触れた。
「……っ!?」
一瞬だった。
でも、頭が真っ白になるには十分だった。
離れたとき、唯は泣いていなかった。
ただ、ひどく静かな顔をしていた。
「なにやってんだか、私ってば」
やっと唯の口から出た声は、情けないくらい震えていた。
唯は突然言った。
「ねえ」
「由奈のこと、好き?」
残酷な質問。
でも、逃げられない。
少し前から、由奈の純粋無垢な所に惹かれていた。私は由奈の事を好きになった。
別に問題じゃない。唯と付き合ってる訳でもない。
私は、ゆっくり唯の問いに頷いた。
その瞬間。
唯は笑った。
今まで見たことないくらい、綺麗に。
「そっか」
そして――
「じゃあ、壊そっか」
「……え?」
「琉夏と由奈との関係」
息が詰まる。
「だってさ」
唯は、まっすぐ私を見る。
「あなたが私を選ばないなら」
一歩、近づく。
「私以外選べなくすればいいでしょ?」
その目は、優しかった。
だからこそ、怖かった。
逃げなきゃいけないのに。
足が動かない。
「大丈夫、大丈夫だよ琉夏」
唯が、囁く。
「最後には、私が琉夏の全てになるんだもん」
その日から、少しずつ世界が歪み始めた。
由奈からの返信が遅くなる。
約束が、なぜかキャンセルになる。
噂が、どこからともなく広がる。
全部、偶然のように、誰かが意図を引いてるなんて思えないくらい自然に。
でも私だけが気づいている。
全部、唯がやっている。
「…琉夏…帰ろ?」
何も知らない顔で、手を引かれる。
その手を、振りほどけない。
怖いのに。
嫌なのに。
少しだけ――唯の温もりに安心してしまう自分が嫌だ
きっともう戻れない