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好きだけじゃダメなんだ!

8 - 一目惚れかも知れない ‐この日に一目惚れしてたかも知れない‐

♥

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2024年02月25日

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-07:11-桐山駅。


とういう事で電車内。

「あぁ~良かった。苺ちゃんが居なければ今頃私、挙動不審になってたよ~」

「ありがたく思いなさい(笑)」

そう言って席に座った。


人がいっぱい…みんな車とか持たないのだろうか…


「そんなに小さくならなくていいよ、人はそんなに乗っていない方だから」

あまりにも人の多さに私の身体は縮こまってたらしい。

これで乗ってないの?これ以上乗ったらママが言った事と、そのまんまになっちゃうじゃない…

すると山田さんが語りだした。

「私ね、本来はもう後の電車に乗るのね。そこの電車内は人がウジャウジャしていて、これ(今の時間)でその状態なら、敦美ちゃんにはちょっときついかも。私は慣れてるからいいけど、敦美ちゃんの場合は、この時間帯にいつも乗ってた方がいいと思うよ?」

「そうなんだね。わかったそうする」

私は納得しスマホを触る。すると足元に、とある人が止まった。

「あの~」

そう声を掛けられた為顔を上げると、そこには私と同じ学生服の格好した、1人の男子生徒だ。

「なんでしょうか?」

私に向かって話しかけて来られた為、返事をする。

「君、青雲の子?」

「はい。今日からですけど」

「今日?ひょっとして、君が俺達のクラスの普通科3組に来る転校生?」


普通科3組?確かそこのクラスだった様な…


「多分はい」

「そうかそうか、道理で見ない顔だと思ったよ」

「そうなんですね」

「俺達も普通科3組なんだ…ってあいつ居ない!ったく…そういう事だから宜しく」

つり革を持ちながら勝手に話し、気持ち前のめりで挨拶をしてきた。


何この人?もしかして軟派(ナンパ)?もしかしてこの人と一緒のクラス?冗談じゃないんだけど


この時、ナンパは世界共通なんだなと実感した。


怖い…切り抜けたい…


怖かった私は、早く切り抜けるべく、取り敢えず彼の声に応えるべく挨拶をしようとした。

「そうなんですか、宜し…」

「ちょっとさっきからなんですか!?彼女怖がってるじゃない?」

すると突如、私の言葉を上書きして苺ちゃんが叫んだ。

「あ、いゃ…」

まさか大声で叫ぶとも思っていなかったのか、男子生徒は焦り始める。当然叫んだ為、周りも振り向く。

「間もなく日ノ出~日ノ出~」

3秒後に車内放送が流れる。するともう1人の生徒が来た。2人掛かりで来るのかと身構えながら、恐る恐る顔を上げると


格好いい…何?あの爽やかな感じは


何故かこんな危機的状況な時に、なんか心をギュッと掴まれた様な、ドキドキ感があった。

「もう着くぞ、後は学校でいいだろ?」

そう言うと彼はナンパ野郎の腕を掴み、引っ張ろうとする。

「…悪かった。じゃまた学校で」

「あ、はぃ…」


凄い…ナンパ野郎を一言で止めさせた。スマート過ぎる。


そう言いながらも反応を待たずして立ち去った。というか連れていかれた。

「ったく…なんなのあの人たち?」

苺ちゃんはそう言いながら足と手を組む。

「本当だよ、ありがとね苺ちゃん」

「いいよ、私結構ハートが強いんだから」

笑顔で私に言う。なんて心強い。

「ありがとう」

ロスでもナンパは良くあった。というか私の行く学校の途中にそういう戯れ場があって、私意外にも声が掛かっていたらしい。その為、ダンスとかで夜遅くなる時は、別ルートを通って帰宅していた。

「所でさ、後から来た人、格好良くなかった?」

すると山田さんは切り替える様に私に話し出す。


苺ちゃんも思ったんだ…


「うん」

「やっぱり苺ちゃんもそう思った?」

「うん、なんだろう、顔もだけど、冷静に対処してくれて、なんかスマートだったし」

すると勢いよく自分の手を叩き

「そうー!世の中そう言う男子が増えればいいのに。ていうか敦美ちゃんてあーいう顔がタイプなのね」

「え?そっちもじゃないの?」

「私は彼の対応に格好いいって言ったつもりなんだけど。生憎私的には好みではない」

私はてっきり見た目の事かと思ってしまった。私は今まで男子について話をしてきた事があまりないので、なんか恥ずかしい。

「そうだったんだ。間違えちゃった」

「可愛い所あるねこのこの~」

苺ちゃんは私の一面に対してにやけながら肩を突っつく。私は恥ずかしさを誤魔化すべく、突っつかれながらも、もう一つ話題の対処の事を振った。

「もー(照)。所でさ、日本にはそういう人いないの?正義のヒーロー的な?」

すると苺ちゃんは手を思いっきり横に仰ぐ様に降り

「居る訳ないじゃない?漫画じゃあるまいし。日本人は臆病なんだから。ていうか、ナンパよりもこういう時に声かけた方がモテるって言いたい」

「フフ、でもやっぱり怖いんじゃない?勇気もいるし。第一、自分が逆の立場だったら声掛けるかとなると、即答できない」

因みにロスでも、困っている人を助けるというのは滅多ないし、寧ろ遭遇なんて人生で今の所2度くらいで起きるもんじゃない。居たらちょっとした地方のニュースになるくらい。自分も含め結局そんなもんだ。

「確かにそうかもね。もう一回会ったらお礼言いたいなー」

「それはそうだね」


あの人(後から来た人)も同じクラスかな?あんな爽やかな人がいるんだ…


何故か怖い目に合いながらも、また会いたいと思ってしまった。この時はわからなかったが、私は明らかにこの時から彼に一目惚れしていた。


-07:50-日ノ出駅到着。


「じゃね苺ちゃん、今日はありがとう」

「どういたしまして」

駅に着くとマネージャーの車に乗る為、苺ちゃんと別れた。


to be continued…



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